タイトル通りソウルフル
Title:Soulful
Musician:LACEE
「BLUES&SOUL RECORDS」誌で2011年新録部門で1位を獲得した女性ソウルシンガー。といっても、本誌以外でほとんどその名前は見かけませんし、残念ながら、地元のCD屋でもアルバムは並んでいません。そこで、ダウンロードにて購入し、聴いてました。
なんとか公式サイトを見つけたので、経歴などを確かめてみたのですが、彼女はアメリカのメンフィス出身のようで、デビューは2006年。既にデビューしてから5年は経っており、中堅といった感じでしょうか?これがデビュー作、というのではないみたいですね。
ボーカルについては、確かに、圧巻の一言。決して特徴ある歌い方といった感じではなく、癖のないストレートな歌い方といった印象を受けたのですが、メロウに歌い上げる「Walk in My Shoes」や、バラードナンバーの「Find Somebody」では、伸びのあるパワフルなボーカルを、惜しげもなく聴かせてくれます。一方では、「Quick Man」のような軽快なポップも歌いこなし、ボーカリストとしての実力を、遺憾なく発揮しているといった感じでしょうか。
そのボーカリストとしての声量や表現力はもちろん、安定感や、ある種の貫禄すら感じられるボーカルは、デビューからまだ5年ということを感じさせません。いい意味でのベテランの風格すら漂よわせているように感じます。
一方、メロディーに関しては、いきなり「Hate on Me」ではラップを入れてきたり、今風の感覚を取り入れていたりするものの、基本的には、昔ながらも王道ソウル路線といった感じ。そういう意味では、安定感はあり安心して聴いていられるものの、ありふれた感もあり、おもしろ味という観点では薄かったかもしれません。もっとも、それを補うだけの魅力的なボーカルを楽しめることは間違いないのですが・・・。
60年代70年代の昔ながらのソウルミュージックが好きなら、聴いて損のない、というか、お勧めの作品。CD屋でも、もうちょっと並べばいいんですけどね。でも、こういう曲もダウンロードで簡単に聴けるというのは、大きなネットのメリットかも。
評価:★★★★
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