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2012年2月 9日 (木)

ボーカリストの腕が問われるカバー

Title:言葉にできない~小田和正ベストカバーズ~

小田和正、と言われて、おそらくみなさん、まずはじめに思い浮かべるのは、あの美しいボーカルではないでしょうか。

まるで女性の声のような、クリアなボーカルは、彼にとって大きな武器。確実に、曲の良さが1割増し、2割増しに聴こえます。あ、もちろん、曲自体も名曲揃いですよ。そのあたり、誤解なきよう。

小田和正の曲のカバーというのは、小田和正のボーカルという大きな武器抜きに、原曲と戦うことになります。そういう意味では、ミュージシャンそれぞれの実力が、非常に問われることになります。実際、このアルバムは、それぞれのミュージシャンの実力が、クッキリとあわれた作品になりました。

数々のミュージシャンによるカバーが収録されてますが、その中でも良かったのが、矢野顕子の「夏の終り」。もう、完全に矢野顕子の曲に仕上がっていました。彼女自身も特徴のあるボーカルを持っているとはいえ、自分のものとしてしまう実力はさすが。また、Charaの「Yes-No」も、ギターロック風にアレンジされ、全く違った魅力を感じることが出来るカバーになっていました。

他にも、槇原敬之の「秋の気配」などは、普段、歌詞や曲で評価されることの多い彼ですが、ボーカリストとしても実力の持ち主と、実はあの声も非常に魅力的なんだなぁ、ということを再認識されるカバー。佐藤竹善も、ある意味小田和正以上に美しい声の持ち主ですが、彼によるカバー「生まれ来る子供たちのために」も悪いわけはありません。意外とよかったのが、JUJUの「言葉にできない」。ボーカリストとして、実力派なんだなぁ、ということを認識しました。

逆にちょっと残念だったのは、河口恭吾の「ラブ・ストーリーは突然に」は、ある意味、そのままのカラオケ状態。RAG FAIRの「僕等の時代」も、アカペラは悪くなかったのですが、予想以上の出来ではなく。中村あゆみの「君住む街へ」は、ボーカリストとしてのパワーは感じたものの、仰々しいアレンジが、曲の良さを殺してた印象も。鈴木雅之の「私の願い」も、ボーカリストとしての実力は言うまでもないものの、小田和正のイメージそのままのカバーで、あまり面白さを感じられなかったのが残念でした。

ちなみに今回のアルバムは、基本的に、このアルバムのためにカバーしたのではなく、過去に発表した曲をまとめた作品だとか。逆にそれが、それぞれのミュージシャンの変な気負いみたいなものがなく、良かったような気がします。小田和正のファンでなくても、楽しめたカバーアルバムでした。

評価:★★★★

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