ポップスの楽しさが満載!
Title:15
Musician:PUFFY
なんか、PUFFYを聴いていると、ポピュラーミュージックにおいて、「上手さ」「技術力」ということの必要性について、考えてしまいます。
はっきり言って、彼女たち、決して歌は上手くありません。コーラスも基本的には皆無で、2人とも同じパートをなぞるユニゾンがメイン。正直言ってしまって、ボーカルに関しては、カラオケに毛がはえた程度、でしかありません。
しかし、それにも関わらず、彼女たちの曲は非常に魅力的で、聴いているだけで楽しくなってきます。もちろん、それは彼女たちに曲を提供するミュージシャンたちの実力によることも大きいのは言うまでもありません。奥田民生をはじめとして、いわゆるオルタナ系のミュージシャンがメインとなり、数々の名曲を提供してくれています。
ただ、それらの曲も、歌うことに高い技術力を要求するものではなく、基本的に非常にシンプル。そして、そんなシンプルな曲を、彼女たちの素人っぽいボーカルで歌うことにより、よりストレートに楽曲の楽しさが伝わってくるのが不思議なところ。おそらく、これらの曲を、もっと歌が上手い人が、感情たっぷりに歌い上げても、聴いていてこれだけワクワクすることはなかったのではないでしょうか。ある意味、いい意味での素人っぽさが、PUFFYの大きな魅力なんでしょうね。
そんな彼女たちも、デビューから、早くもなんと15年(!)。いままでも、何枚かベスト盤を発売してきましたが、今回のアルバムは豪華2枚組。1枚目「パフィーチョイス」では、シングル曲を中心に、彼女たちのヒット曲を網羅。2枚目「アミユミチョイス」では、ライブでよく演奏される、彼女たちの知る人ぞ知る的な代表曲を網羅しています。
いまさらこんなことを言うのも何なのですが、PUFFYの曲って、本当にロックだなぁ(笑)。ノイジーなギターが鳴り響く、シンプルなオルタナ系ギターロックの連続。oasisあたrのUKギターロック好きにとっては、壺な曲が続きます。「アジアの純真」とか「これが私の生きる道」とか、正直、リアルタイムで聴いた時は、ほとんどはまらなかったのですが、いまさらながら、そのポップで楽しい楽曲に、はまってしまいそう(笑)。
ただ、楽曲として、名曲揃いだったのが、「アミユミチョイス」の方。ライブ向けということもあり、パンキッシュな曲や、メロコアテイストの曲などもあり、バラエティーも豊富。彼女たちが珍しくハーモニーを聴かせるカバー曲「ウェディング・ベル」など、なかなか楽しく切ないカバーに仕上がっています。そして、なにより傑作だったのが、ラストを飾る「Bye Bye」。2009年に急逝したフジファブリック志村正彦の手によるこの曲は、ポップな作風ながらも、非常に切ない、昔の彼氏を思い出すナンバー。聴いていて、泣けてきます。
2枚組全39曲というボリュームたっぷりのベスト盤なのですが、聴いているだけで楽しくなってくる曲の連続で、あっという間に聴きおわってしまったアルバムでした。ポピュラーミュージックの持つ、本来の楽しさを体現化したような曲の連続。本当に、こういい難しいこと抜きに楽しい!と感じるのがポップスのあるべき姿なの・・・かも?ちょっと懐かしいと感じる方もいるかもしれませんが、いまさらながらお勧めのベスト盤です。
評価:★★★★★
PUFFY 過去の作品
honeycreeper
PUFFY AMIYUMI×PUFFY
Bring it!
ほかに聴いたアルバム
D.M./三浦大知
三浦大知といえば、若干10歳にして、アイドルユニットFolderのメンバーとしてデビュー。その類まれな歌唱力から、「和製マイケル・ジャクソン」と言われ、絶賛されたボーカルの持ち主でした。
その後、例のごとく、変声期に突入し、Folderも脱退し、芸能活動も休止。やがて復活し、地道に音楽活動を続けている・・・ということは知っていたのですが、このアルバムは、なんと見事ベスト10入り。復活劇を果たしています。
で、今回、三浦大知のアルバムとしてはじめて聴いた本作。さすがに大人になったボーカルには、かつてのような衝撃は感じられませんでしたが、伸びのあるボーカルはあいかわらず。その歌唱力は衰えていません。
ただ、このアルバム、全体的に、今風のエレクトロアレンジがちょっとオーバー気味で、せっかくの彼の歌唱力を殺しちゃっているような。ボーカルが売りなだけに、もっとシンプルな楽曲の方が、より彼の魅力を表に出せるのでは?楽曲は決して悪くはないと思うのですが・・・全体的に、よくありがちなアルバムといった感じで、いまひとつ、彼の魅力を生かしきれていないような印象を受けました。
評価:★★★
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コメント
いつも拝見させていただいてます
三浦大知に最近ハマった者ですが良ければ楽曲だけでなくダンスにも注目していただければと思います
「曲以外には興味なし」というならばもちろん強要はしませんが・・・
投稿: | 2012年2月22日 (水) 19時22分
返事遅くなってすいません。そうですか、ダンスも売りなんですね。
アルバムの感想は、あくまでも曲の感想ということでご了承ください。
You Tubeとかで、彼のダンスも見てみないといけないですね!
あと、すいません。次からは、嵐防止のために、一応、名前は入れていただければと思います。よろしくお願いします。
投稿: ゆういち | 2012年3月 6日 (火) 00時36分