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2012年2月

2012年2月29日 (水)

今週はジャニーズ系

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

AKB系のシングルの1位獲得が、今週は久々ジャニーズ系が1位獲得。Hey!Say!JUMP「SUPER DELICATE」がトップに立ちました。Hey!Say!JUMPの山田涼介主演の日テレ系ドラマ「理想の息子」主題歌。初動売上24万8千枚は、前作「Magic Power」の21万7千枚から大きくアップ。ドラマ主題歌というタイアップ効果か?

2位は、AKB48の公式ライバル乃木坂46のデビューシングル「ぐるぐるカーテン」がこの位置に入ってきました。・・・ってか、「公式ライバル」って何?普通、この手のライバルって、別の会社とかが、対抗してデビューさせるものじゃないの?なんか、ライバルまでお膳立てされた、作られたストーリーにファンもしらけるんじゃない?そして、AKB48ほど人気が出ても、本当の意味で「ライバル」が登場してこないのって、アイドル戦国時代といいながら、その実は、一部で盛り上がっているだけの、底の浅いブームである証拠のような・・・。

3位には、先週1位のAKB48「GIVE ME FIVE!」が2ランクダウンながらも3位をキープしています。

以下、4位から10位は、全部初登場で・・・まず4位はavex系の男女混合アイドルユニットAAA「SAILING」がランクイン。今回も作曲は小室先生。ただ、前作に引き続き、出だしの部分以外、あまり小室っぽさは感じなかったような・・・。初動売上は、前作「Charge&Go!」の4万8千枚からダウンの4万2千枚と、ちょっと苦戦気味?

で、5位は男性アイドルユニットw-inds.「FLY HIGH」。K-POPを意識したような、エレクトロなダンスチューン。初動売上3万6千枚は、前作「YOU&I」の1万8千枚から倍増。ただし、前々作「Be As One」は初動3万1千枚を売り上げていたので、前々作の水準に戻った感が。もっとも、シングル発売に握手会特典がついた影響だとは思うのですが。

6位には、ようやくアイドル系以外が・・・といっても、一応バンドとはいえ、アイドル色が強いミュージシャンなのですが。SCANDAL「HARUKAZE」がランクイン。テレビ東京系アニメ「BLEACH」オープニングテーマ。爽やかなポップで、楽曲自体もアイドルポップ風。初動売上2万5千枚は、前作「LOVE SURVIVE」の1万4千枚より大きくアップ。もっとも、前作はアルバム先行で、売上を落としており、前々作「ハルカ」は初動2万1千枚でした。本作は、こちらの売上も上回る結果になっています。アニメタイアップ効果か?

7位はワタナベエンターテイメント所属男性アイドルユニットD☆DATE「JOKER」がランクイン。前作「Love Heaven」の1万3千枚から一気にアップの初動2万枚を記録しています。

8位には、GACKT「UNTIL THE LAST DAY」が入ってきています。本人も声優で参加した映画「Dragon Age-ブラッドメイジの聖戦-」の主題歌。メタルテイストのポップナンバーに仕上がっています。初動売上1万6千枚は、前作「Grafitti」の1万5千枚からほぼ横バイ。前作は、前々作「Episode.0」の初動2万8千枚から大きく初動売上を落としており、2作連続、厳しい結果になっています。

9位は、ハロプロ系のアイドル真野恵里菜「ドキドキベイビー」がこの位置に入ってきています。臆することないアイドルソングの王道が、逆にいさぎよさすら感じる曲。初動売上1万2千枚は、前作「My Days for You」の1万1千枚からほぼ横バイとなっています。

最後、10位には5人組バンドAqua Timez「MASK」がランクイン。6位のSCANDALが、テレビ東京系アニメ「BLEACH」オープニングでしたが、こちらはエンディング曲。爽やかな雰囲気のポップスロックに仕上がっています。前作「真夜中のオーケストラ」は初動1万2千枚で、12位に終わりましたが、今回は、ベスト10に返り咲きましたが、初動1万枚とさらにダウン。ここ最近、右肩下がりが続いており、厳しい結果になっています。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2012年2月28日 (火)

東京に近からず 遠からず

Title:SAITAMA LOCAL MUSIC RECONSTRUCTION

Saita_local_music_reconstruction

音楽配信サイトOTOTOYでリリースされる、ある都市のインディーズシーンをテーマにまとめた「OTOTOYローカル・コンピレーション・シリーズ」の第3弾は埼玉。今回は、埼玉のインディーシーンで活躍するミュージシャンたち27組の楽曲を収録したコンピレーションアルバムが4月16日まで無料で配信される、ということでさっそくダウンロードして聴いてみました。

いままで、このシリーズは京都、名古屋と続き、また、それとは別に、東京を中心に活躍するミュージシャンたちの楽曲をまとめた「TOKYO NEW WAVE 2010」というを聴いたりしたのですが、それに加えて今回のアルバムを聴いて感じたのは、狭い日本なのに、街によって、それぞれ個性があるんだなぁ、ということでした。

東京は、さすが時代の先端を行くような意気込みのあるミュージシャンが目立ちましたし、京都はほんわかとした中に、時代に流されない空気を感じます。また、名古屋は無難な優等生バンドが多く感じました。

そして埼玉のバンドは、ある種、東京に近いものを感じます。独特の音を作り出し、時代の先端を行こうとする意気込みを感じます。ただ、その一方で、どこか垢抜けなさというか、突き抜けなさを感じてしまいます。東京に近いけど、東京になりきれない・・・そんな雰囲気を感じてしまいました。

そんな中、様々なバリエーションのある個性豊かなミュージシャンが並んでいるのですが、特におもしろかったのはHIP HOPやエレクトロミュージシャンが並んだ前半。特におもしろかったのは、k-overというラッパーによる「ネガポジション[改]」で、独特なラップはどこか80年代あたりのインディーズシーンを彷彿とさせるような感じでユーモラスがあり、それにからむエレクトロのトラックもユニーク。非常に印象に残りました。

他には語りからスタートし、その後はミニマル風なサウンドとパーカッションのリズムが独特のEMDEE1「INFERNO」も次々と展開していくサウンドがユニークで耳が離せませんでした。そんな中、このコンピの目玉なのが、中盤の突然段ボール!1970年代から活躍する、日本のアングラシーンを代表するミュージシャンなのですが、若手主体のコンピの中でも、強烈な個性を放つ音で、独特な異彩を放っています。どこかサイケな雰囲気で、聴いているだけで妙な感覚に陥るような音の世界。このコンピの中でも圧倒でした。

一方、後半はギターロックバンドが続くのですが、正直言うと、ちょっといまひとつ。曲によっては、「おっ!」と思う瞬間はあるのですが、全体的に目新しさが薄く、勢いはありません。音楽シーン全体として、ギターロックバンドに勢いがなく、HIP HOP系の勢いが続いていますが、そんなシーン全体の流れを、そのまま反映したようなコンピになっていたような印象があります。

そんな訳で、尖ったミュージシャンも少なくない中、東京ほど突き抜けられなく、どこか垢抜けないのが、マイナスといえばマイナスだし、逆にそれが大きな魅力とも思えなくもないのがこのコンピ盤。突然段ボールとk-overは、もうちょっといろいろな曲を聴いてみたいかな。ただ、その他は、良い曲も少なくなかったけど、アルバム単位まで聴きたい、と思えるミュージシャンは少なかったかも。その街の空気がわかるユニークな企画。これからも、続けてほしいなぁ。

ちなみにダウンロードはこちらから。4月16日までだそうですので、お早めに。

評価:★★★★

OTOTOYローカル・コンピレーション・シリーズ 過去の作品
All Along Kyoto(京都タワーからずっと)
IN THE CITY THERE IS A NAGOYA MUSIC

Next Music From Tokyo
TOKYO NEW WAVE 2010

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2012年2月27日 (月)

キラリと光る部分はあるものの。

Title:mitaina
Musician:たむらぱん

前々作「ノウニウノウン」、前作「ナクナイ」と傑作が続いてきたたむらぱん。個人的には、「天才」と称されるのにふさわしい、数少ないポップミュージシャンの一人・・・と思っています。

それだけに、最新作「mitaina」に対する期待も大きかったのですが・・・正直言ってしまうと、前2作に比べると、ちょっと勢いはペースダウンしてしまったかなぁ、というのが、一言で言う感想でした。

確かに、今回も、彼女の才能がキラリと光る作品も少なくありません。「ファイト」の、ミュージカル風に、次々と楽曲の雰囲気が変わっていく展開もおもしろいですし、「ノック」の独特な展開も、癖になりそうですし、「やっぱり今日も空はあって」の、次々と展開するメロディーも、どこか切ない雰囲気もとても独特で、耳に残ります。

楽曲のバリエーションでも、パンキッシュな「フォーカス」や、様々な音をサンプリングしたユーモラスに楽しい曲を聴かせる「ショータイム」など、バラエティー豊富。最後の「歩いてる動いてる」は、ストレートなギターロックですが、奇をてらわないメロディーラインでも、しっかりとした曲を書いてくるあたりはさすがです。

ただ、アルバム全体としての出来としては、いまひとつピンと来ない部分が。いままでのような、歌詞にユーモラスなウィットに聴いたものが少なかったのも大きな理由でしょう。メロディーも、上に書いた通り、彼女の才能が光る曲も少なくなかったものの、それ以外の曲については、インパクトこそあるものの、ちょっと平凡では?と思う曲がチラホラ。

なんとなく、前作「ナクナイ」がオリコンで21位を記録し、人気が出てきたので、色気を出して、「売り」に来た、という印象がぬぐえないんですよね。そのため、比較的、つかみのインパクトはある普通の曲、が目立った感もありますし・・・。

いや、ポップスのアルバムとして、決して悪い出来ではないと思います。ただ、「ノウニウノウン」「ナクナイ」を産み出した彼女としては・・・と思ってしまいます。ファンなら、それなりに楽しめるアルバムとは思うのですが、たむらぱんというミュージシャンのすごさを知るためには、「ノウニウノウン」「ナクナイ」から入るのがお勧めかな?次回作、これを超える傑作を、楽しみにしています!

評価:★★★★

たむらぱん 過去の作品
ブタベスト
ノウニウノウン
ナクナイ

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2012年2月26日 (日)

ライブの雰囲気をそのまま収録

Title:LIVE春愁秋思
Musician:空気公団

昨年2月から6月にかけて行われたライブツアー「LIVE春愁秋思」の模様を収録したソフトが販売されました。ちょっとユニークなのがその販売方法。全国の会場の模様を収録したDVDを軸に、配信と、公式サイトでの販売限定のLP盤での発売となっています。CDでの発売がない、という点がある意味、意義深い感じも。そして、今回紹介するのは、昨年5月に、西千葉のcafeSTANDで行われた模様を収録した、配信での音源となります。

ちょっとユニークなのはその録音方法。カメラマイクでの録音ということで、観客席のざわめきまで含めて、会場の雰囲気がそのままパッケージされています。そのため、正直言って、音は決して良くありません。ただ、ほんわかとして暖かい、会場の雰囲気がそのままパッケージされていて、自分もそのライブ会場にいるかのような感覚になれる録音になっていました。

空気公団といえば、ソフトロックで、アコースティックテイストの曲を演るミュージシャン。それだけに、ライブだからといって、CD音源と大きく異なる・・・・・・ということは、ありません。ただ、ライブということで、アレンジを大きく変えた曲もあり、曲によっては、雰囲気も若干変わった曲も。そういう意味では、ファンにとっては、このライブ盤も必聴の1枚といえるでしょう。

ただ、このライブアレンジに関しては、リズムマシーンの音がやけに目立っていたり、高音の楽器の音が、ちょっと耳障りだったり、バンドサウンドに比べて、肝心のボーカルがちょっと弱かったりと、少々難あり、という印象。カメラマイクの音ということで、バランス調整をしていないのが大きな原因でしょうし、おそらく、現場に実際にいれば、また印象が変わるのかも。そういう意味で、ライブ盤としての出来としては、決して良くはありませんし、ファン以外が最初に聴く1枚としては、ちょっと厳しいところもあるかも。

もっとも、彼女たちのステージの雰囲気はよく捕らえられていますので、ファンにとっては楽しめる作品だと思います。空気公団は、まだライブを一度も見たことがないだけに、一度は見てみたいなぁ・・・。

評価:★★★★

空気公団 過去の作品
空気公団作品集
メロディ
ぼくらの空気公団
春愁秋思


ほかに聴いたアルバム

New!/LAMA

元スパカのナカコーとミキちゃん、元ナンバガの田渕ひさ子嬢、そして牛尾憲輔が結成した、スーパーバンド、LAMAのデビューアルバム。「Spell」「Cupid」など、爽快でポップなギターロックは、かつてのスパカを彷彿とさせて、壺に入りました。ただ、複雑なエレクトロのナンバーも多く、これはこれで悪くはないのですが、ポップなメロが主軸になった路線の曲の方がよかったなぁ・・・。

評価:★★★★

LUCK/ACO

前作「devil's hands」は4年半というインターバルがあったのですが、その後1年3ヶ月でリリースされたニューアルバム。しばらく、エレクトロ系路線を歩んでいた彼女が、オルタナ系のバンドサウンドに回帰した前作に続き、バンド色が強い作品。後半は、力強いピアノの音が印象的な曲が並んでいます。透明感があるものの、パワフルなボーカルが魅力的で、ここ数作(といっても、前々作は6年も前の作品ですが)の中では一番の出来だったかも。

評価:★★★★

ACO 過去の作品
devil's hands

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2012年2月25日 (土)

ライブの模様をフルダウンロード!

Title:2012-02-12 NY Hall of Science,Queens,NY
Musician:Bjork

音楽ブログサイトのnyctaperにて、2月12日にニューヨーク・ホール・オブ・サイエンスで行われたライブの模様の音源を、フルパッケージでフリーダウンロードが行われている、ということで話題になっています。

ダウンロードはこちらのサイトから。

mp3でのダウンロードの他、FLAC形式でもフリーダウンロードされており、Bjorkの重厚なサウンドが、ライブ会場そのままの雰囲気で楽しめることの出来る音源になっています。特に、最初のアナウンスや、途中のアンコールまでそのままパッケージされており、ライブ会場の空気をそのまま感じることの出来る作品になっています。

今回のライブは、最新アルバム「biophilia」発売に伴うライブ。そのため、「biophilia」の楽曲が中心の構成となっています。

「biophilia」を聴いた時は、あまりにいろいろな音があらわれる構成に、ちょっとトゥーマッチな感じがしたのですが、このライブでは、それらの音が、広い空間で立体的に構成されるように感じられ、音からより空間の広がりを感じられ、奥深さが増したように思います。

もともとのCD音源では、音がある意味、きつすぎるように感じられたのですが、ライブ音源として聴くことにより、音の刺々しさが消えて、Bjorkが作り出そうとした世界が、より鮮明に感じられました。後半は、過去の作品も披露されましたが、美しいコーラスなどをたくみに用いた幻想的な世界が、「biophilia」の世界ともつながり、夢のような空間がそこには広がっていました。

個人的に「biophilia」は、大絶賛!という感触に至らなかったのですが、このライブ音源で、ようやく、その魅力を存分に感じられるようになったように思います。その独特な音の世界が、この音源を聴くだけで目の前に広がっているように感じられ、Bjorkのライブに、是非一度いきたい!そう思えるには十分すぎるほど魅力的な音源でした。

これだけのライブ音源が、タダで手に入るというのは、本当にお得。その上、FLAC形式での配布という、まさに音楽ファンにはうれしすぎるプレゼントだと思います。ダウンロードがいつまで有効なのかは不明なのですが・・・ファンは、いまのうちに急いでダウンロードを!!

評価:★★★★★

Bjrok 過去の作品
biophilia

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2012年2月24日 (金)

アルバムチャートは有終の日

今週の着うたチャート

2012年2月15日~2012年2月21日付チャート

着うたチャートは2週連続で1位。

今週1位は、AKB48「GIVE ME FIVE!」が先週に引き続きの1位獲得。シングルチャートに続き、1位となっています。

初登場最高位は2位。GReeeeN「ミセナイナミダハ、きっといつか」。フジテレビ系ドラマ「ストロベリーナイト」の主題歌。2月29日発売予定のシングルからの先行配信です。

続く3位も初登場。三重県出身の女性シンガーソングライターMs.OOJA「Be...」がランクインです。こちらもTBS系ドラマ「恋愛ニート~忘れた恋のはじめ方」主題歌。シングルチャートでは、ベスト10はおろかベスト50に入ったこともない彼女ですが、ドラマ主題歌でブレイクとなるのでしょうか?とりあえず一足早く、着うたチャートではヒットです。

4位以下では初登場が2曲。6位に、シングルチャートでは3位に入ってきた、テレビ東京系アニメ「アクエリオンEVOL」のテーマソングAKINO with bless4「君の神話 ~アクエリオン第二章」がランクイン。7位には、仙台で活動するラップユニットLGYankees「ボクでいいよね ~愛のうた~ feat. LGMonkees」が入ってきています。こちらは、先週ベスト10にランクインした「Once More Again ~もう一度、抱きしめて~ feat. May J.」と同様、2月15日に発売されたアルバム「GO! GO! LGYankees!!!」の収録曲となります。

他に、今週はベスト10以下からランクアップし、初のベスト10入りを果たした曲が3曲。9位には、こちらも今週のシングルチャートで、同じく9位にランクインした女性シンガーソングライター家入レオ「サブリナ」が、先週の12位からランクアップし、2週目にして初のベスト10入り。そして10位には、ルーツ志向のロックンロールバンドTHE BAWDIES「ROCK ME BABY」が26位からランクアップして、初のベスト10入りを果たしています。

そして、8位には、やはり入ってきました。2月11日に、急逝というあまりにショックなニュースが全世界をかけまわったアメリカの女性R&BシンガーWhitney Houstonの大ヒット曲「I Will Always Love You」が、突然先週11位にランクインしましたが、今週はさらに順位をあげてベスト10入りです。しばらく、ロングヒットが続きそうな予感がします。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

最後のライブ盤が見事1位獲得です。

今週の1位は東京事変「東京コレクション」。2月29日を最後に解散する、椎名林檎率いるロックバンド東京事変が最後にリリースしたライブベスト盤です。ミニアルバムだった前作「color bars」は2位に終わったので、見事、有終の美を飾った形になりました。もっとも、初動売上は3万6千枚と、その前作の7万8千枚よりダウン。まあ、ライブ盤ですし、この結果は仕方ないですね。

2位は、チャットモンチーの初となるベスト盤「チャットモンチーBEST~2005-2011~」がランクイン。チャットモンチーは、もともと徳島出身の女の子3人組のバンドだったのですが、昨年、ドラムスの高橋久美子が脱退。2人組バンドとなりましたが、このアルバムは、3人だった時代の活動をまとめたベストアルバム。初動売上3万3千枚は、オリジナルとして直近の「YOU MORE」の初動2万4千枚を上回りました。が、ベスト盤としては、ちょっと寂しい気も。

3位には、先週1位のL'Arc~en~Ciel「BUTTERFLY」が2ランクダウンながらも、ベスト3をキープしています。

4位以下の初登場では・・・まず6位に女性ボーカリストSalyu「photogenic」がランクインしています。昨年には、salyu×salyu名義で、小山田圭吾と組んでアルバムをリリースしましたが、今回は、再び小林武史をプロデューサーに迎えての作品。salyu×salyu名義の「s(o)un(d)beams」が初動売上8千枚だったのに対して、初動1万6千枚と大幅アップ。ただし、Salyu名義の前作「MAIDEN VOYAGE」の初動2万枚よりはダウンしてしまいました。

7位には、EXILEの弟分的なボーカルユニットDEEP「YOUR STORY」が入ってきました。初動1万3千枚は、前作「LOVE STORY」の1万4千枚より若干ダウン。アルバムはミュージシャン名をCOLORからDEEPに変えてから、ずっと「STORY」という言葉を入れているんですね。なんか、安直な・・・。

初登場最後は9位、仙台を中心に活動するラップユニットLGYankees「GO!GO!LGYankees!!」でした。着うたチャートの方ではおなじみですね。初動売上1万2千枚は、前作「BARIBARI LGYankees」の1万1千枚から若干のアップです。

さて、今週は、他にベスト10圏外からのランクアップ組が1枚ありました。それは、先週の23位から、一気に4位にランクアップしたAdele「21」!そう、グラミー賞受賞のニュースが、日本でも大きく報じられた、イギリスの女性シンガーソングライターによるアルバムです。アメリカやイギリスでは爆発的なヒットを記録していたにも関わらず、日本ではほとんど無視という状況(とはいえ、音専誌は、比較的大きく取り上げていたのですが・・・)が続いており、グラミー賞のニュースでも、先日亡くなったホイットニーや、あるいはLadyGagaの方を取り上げるような報道が多い印象すら受けたのですが、そんなマスメディアの無知とは関係なく、一気に売上を伸ばし、先週の4千枚から売上を2万枚に一気に伸ばし、初のベスト10入りとなりました。

ここ最近、アメリカやイギリスでは、Adeleの他にも、例えばLANA DEL RAYなど、パワーなボーカルを聴かせる女性ソロシンガーの活躍が目立っていますが、その流れが、いまひとつ日本には流れ込んできませんでした。でも、Adeleが日本でもようやく売れて、今年後半あたり、日本でも女性ソロシンガーの活躍が目立つようになるかもしれません。

最後に。ここ数週、売上を伸ばしていた由紀さおり&ピンク・マルティーニ「1969」。今週は、先週の5位から10位にランクダウン。売上も1万9千枚から1万1千枚に一気に落としました。ここらへんで息切れとなってしまうのでしょうか?正直、もうちょっと売れると思ったのですが・・・。

今週の着うた&アルバムチャートは以上!チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年2月23日 (木)

PE'Z フリーアルバム第2弾

Title:OH!YEAH!PARTY!!
Musician:PE'Z

Ohyparty

昨年9月、アルバム「向日葵-Himawari-」をリリースしたジャズバンドPE'Z。このアルバム、大きな話題となったのは、フルアルバムをそのままフリーダウンロードでリリースした、という点。アルバム1枚まるごとタダ!!この大盤振る舞いが大きな話題となりました。

ただ、その後の展開がなかなかおもしろくて。このアルバムに基づいて、ライブを実施し、その後、そのライブ音源を追加した完全版のCDを発売。つまり、この展開で、アルバムの制作代金を回収しよう、という意図だったのでしょう。

おそらく、その試みが比較的上手くいったのではないでしょうか?このたび、前作からわずか半年で、フリーダウンロードアルバムの第2弾がリリースされました!今回も公式サイトで4月21日までの限定で、誰でもタダでアルバム全部が入手できます。

もともとPE'Zは、「ジャズバンド」といっても、ポップなメロディーで、様々なリスナーに幅広く支持されるタイプのバンド。今回のアルバムも、基本的にはポップス色が強く、聴きやすいアルバムになっていました。

今回の作品も、アルバム1枚で、ひとつのライブのような展開に。序盤はいきなりアップテンポな曲が続き、「Happy-go-Lucky」で、いきなりクライマックスのような展開に。かと思えば、ジャズ色の強い「Blue Mermaid」や、歌謡曲っぽいメロが特徴的な「そして環七メランコリー」などで、中盤はリスナーにそのメロディーを聴かせ、終盤「JIVE!!」では、タイトル通りの踊れるダンスナンバーで盛り上げ、最後の「ユメアソビ」ではしんみりとアルバムを締めくくります。

今回は前作「向日葵-Himawari-」と比べて、全体的にメロディーを聴かせるような、ポップなナンバーが多かったような印象を受けました。ただ、どちらのアルバムも、基本的にはライブで盛り上がりそうだなぁ、というのと、PE'Zらしさの壺はきちんと押さえているな、という点は共通でしょうか?フリーダウンロードらしく、PE'Zを聴くための最初の1枚としては最適なアルバムだったと思います。

この試みが上手くいったら、第3弾、第4弾とかも出てくるのでしょうか?また、ライブ重視のミュージシャンだったら、この方法を真似てもおもしろいかも?

評価:★★★★

PE'Z 過去の作品
1・2・MAX
ギャロップ(pe'zmoku)
ペズモク大作戦(pe'zmoku)
I WANT YOU
向日葵-Himawari-

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2012年2月22日 (水)

予想通りの初動ミリオンだけども

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、AKB48本体の登場です。予想通りの初動ミリオンとなりましたが・・・

今週1位は、AKB48「GIVE ME FIVE!」がランクイン。初動売上は128万7千枚。前作「上からマリコ」の119万8千枚からはアップしたものの、前作は、売上ダウンが予想されていたシングル。そういう意味では、AKB48の今後を占うシングルなわけですが、結果、前々作「風は吹いている」の130万枚から若干ダウンとなりました。

うーん、これを持って、AKB48の今後、というにはあまりに微妙な数値。今回の新曲、正直、「友よ」からはじまる歌詞といい「卒業とは出口じゃなく入り口だろう」という歌詞といい、どうも陳腐。メロディーも、どうにも平凡で、売上ダウンは、AKB48人気よりも、曲の出来に左右されている感も否めません。そういう意味では、なんとも言えない初動売上だよなぁ・・・。

2位はV6「バリバリBUDDY」。前作「Sexy.Honey.Bunny!」が初動6万3千枚だったのに対して、初動売上5万8千枚にダウン。前々作「only dreaming」と同水準に。軽快なエレクトロダンスチューン。なんとなく、なんでもありな感じになっている印象が。

3位には、AKINO with bless4「君の神話 ~アクエリオン第二章」がランクイン。テレビ東京系アニメ「アクエリオンEVOL」のテーマソングです。AKINOは、前作「Go Tight!!」も、アニメ「創聖のアクエリオン」のオープニングテーマに起用された女性ボーカリスト。bless4は、兄妹4人からなるダンスユニットで、こちらは特にアニソン専門といった訳ではなさそう。その前作「Go Tight!!」は、初動売上1万1千枚だったのに対して、本作は初動2万3千枚と大きくアップ。ベスト10入りもはじめてなら、ベスト3入りももちろんはじめてと、大きく飛躍した結果となりました。

続いて4位以下の初登場は・・・

4位にFUNKY MONKEY BABYS「この世界に生まれたわけ」がランクイン。フジテレビ系ドラマ「早海さんと呼ばれる日」テーマソング。タイトルから、内容が容易に想像できるバラードナンバー。前作「LOVE SONG」の10位より順位こそ大きくあげましたが、初動売上は1万6千枚から1万5千枚とダウン。前作は、アルバムからの先行リリースで、かつ、本作はドラマタイアップ付、と考えると、かなり厳しい結果になっています。

8位以下には、いずれも初耳のミュージシャンがズラリと並んでいます。

8位には、ダイスケ「あなたにしかできないこと」がランクイン。これが3枚目のシングルとなる男性シンガーソングライター。日テレ系情報番組「ZIP!」の中のコーナー「ZIPPEI スマイルキャラバン」に出演したことから人気が急上昇したそうです。爽やかなポップソングは、なんとなく、ワタナベイビーと堂島孝平を足して2で割ったような感じ・・・声もそんな感じです。前作「いつだって。」は最高位124位だったので、一気にブレイクとなりました。

9位は家入レオ「サブリナ」がランクイン。こちらは、これがデビューシングルとなる女性シンガーソングライター。フジテレビ系ドラマ「トリコ」エンディングテーマというタイアップによりいきなりのブレイクです。YUIや絢香を輩出した音楽プロデューサーの西尾芳彦によるミュージックスクール「音楽塾ヴォイス」出身で、確かに、雰囲気としてYUIや絢香に似ている感じが。曲も、正直、ちょっとYUIの亜流という印象も。

そして最後、10位にはSHOW「DANTE」がランクイン。こちらは台湾出身の男性アイドルミュージシャンの日本デビュー作。韓国の次は台湾もですか。エレクトロダンスチューンの楽曲は、K-POPと似たような感じ。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2012年2月21日 (火)

いつもより明るく前向き

Title:トライアル
Musician:the pillows

ここ最近、いい意味で安定感のあるアルバムが続いているthe pillows。約1年ぶりとなるthe pillowsの新譜も、ある意味、ファンにとっては納得の、彼ららしいアルバムに仕上がっていたと思います。

特に序盤、「Revival」「Rescue」そして「Comic Sonic」と、彼ららしい、オルタナ系のポップなギターロックナンバーが並んでいて、ファンとしては否応なく、期待が高まってきます。

ただ、そんな中、このアルバム、比較的、前向きで希望を持ったような明るい歌詞が目立ったような印象を受けました。

たとえば、「Comic Sonic」では

「あの吊橋の先にある
宝物を掘り出したい
強い風が吹いてるけど
踏み出す価値は十分」

(「Comic Sonic」より 作詞 山中さわお)

と歌ったり、「Minority Whisper」では

「人類は完璧じゃないと
誰もがそれを知っている
けど努力はするべきだ
その誓いは必要なんだ」

(「Minority Whisper」訳詩より 作詞 山中さわお)

と歌っていたり。

内省的な歌詞は、山中さわおのソロで歌われていたりするので、バンドでは、もっとリスナーが共有できるような歌詞を書いてきた、という感じでしょうか?とはいえ、もっとも、

「最下位確定のランナーのスピード
人類の背後に僕だけ」

(「ポラリスの輝き 拾わなかった夢現」より 作詞 山中さわお)

「ほっとかれて
荒んだサボテンは
世界を敵に回すほど
トゲを伸ばしたんだ」

(「Rescue」より 作詞 山中さわお)

なんて歌詞には、いつものthe pillowsらしさはしっかり健在。明るい前向きといっても、流行のJ-POPのような、能天気な前向きソングではない点、強調しておきたいところです。

全体的には、彼らの中では、ポップな曲が多かったかな?最初と最後に英語詞の曲を入れてきたり、「Flashback Story」のようなスカ風の曲を入れてきたり、いつもながらもギターロック路線を主軸に、最後まで聴かせる工夫も感じられる構成になっています。

いつも通り、ポップなギターロックを楽しめる文句なしの傑作。ただ、前作同様、全曲ヒットではあるけども、一発ホームランがないんだよなぁ、というのがちょっと気にかかるところではあるのですが・・・。

評価:★★★★★

the pillows 過去の作品
LOSTMAN GO TO YESTERDAY
PIED PIPER
Once upon a time in the pillows
Rock stock&too smoking the pillows

OOPARTS
HORN AGAIN

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2012年2月20日 (月)

バラバラのような、そうでないような。

Title:color bars
Musician:東京事変

2月29日に約8年におよぶ活動に幕を降ろす東京事変。ただ、正直言えば、東京事変の解散に関して、さほど残念とか、惜しいとかの感想は抱きませんでした。

もともと、東京事変というバンドが、椎名林檎をはじめ、それぞれ個々にミュージシャンとして活躍していたメンバーが集結したバンド。そういう意味では、バンド=かけがえのない仲間みたいなつながりは薄く、このメンバーだからこそ何か生み出せる、といったバンド幻想みたいなものも皆無。いい意味で、ほどよい関係性を持ったバンドのように感じていました。

それだけに、解散といっても、東京事変でやれることをやりつくしたから、それぞれの活動に戻るというイメージしかありません。また、椎名林檎というミュージシャンが、東京事変以降、どういう展開を見せるのか・・・むしろ、そちらの方が楽しみだったりします。

今回、最後にリリースされた東京事変としてのラストアルバム。5曲入りのミニアルバムなのですが、それぞれのメンバーが1曲ずつ作詞作曲を担当。さらには、うち2曲については、椎名林檎がボーカルにすら参加していません。

その5曲、メンバーそれぞれが書いただけあって、バラバラといえばバラバラ。歌謡曲風な椎名林檎作詞作曲の「今夜はから騒ぎ」からはじまり、「sa_i_ta」はちょっとニューウェーヴ風?ラストの「ほんとのところ」はメタリックな雰囲気と、楽曲を持ち寄ったメンバーそれぞれの個性が出ています・・・が、じゃあアルバム全体チグハグか、といわれればそうじゃなくて、それなりにまとまりを感じ、じゃあ、東京事変としての個性を発揮しているのか、といわれればそうじゃない・・・「color bars」というタイトル通り、楽曲がそれぞれ別々の色を放っているのに、全体で見ると、妙な統一感を持っているアルバムでした。

でも、よくよく考えると、東京事変のアルバムって、いままでも(特に最近のアルバムは)こんな感じで、バラバラのようでバラバラでなく、強烈な個性がありそうでなさそうで・・・という感じだったような。ある意味、昔からの仲間が集まって結成されたバンドのように、強い絆で結束されて、という感じではなく、どことなく緩いつながりで音楽を楽しんでいた彼らだからこそ、こういう絶妙な統一感を保てたのかもしれません。

東京事変としての最後の最後が、これが初の楽曲提供となる刄田綴色による、ちょっとへんてこな楽曲と言うのもまた、彼ららしくてユニーク。いい意味で、形に囚われないバンドだなぁ、という感じもしました。最後の最後まで、東京事変らしさを貫いた、そんなアルバムでした。

ただ、正直言ってしまうと、やはり椎名林檎作詞作曲の曲が、頭1つ飛びぬけていたように感じたのも事実なのですが・・・(^^;;

評価:★★★★

東京事変 過去の作品
娯楽
スポーツ
大発見


ほかに聴いたアルバム

Black World/White Heat/ZEEBRA

「Black World/White Heat」というタイトルのアルバム・・・ではなく、6th Album「Black World」と、7th Album「White Heat」を同時にパッケージしたアルバムというスタイルだそうです。「Black World」では、ハードコアテイストの曲が多く、「White Heat」では、アップテンポなダンスチューンなど、ポップであったり、クラブ志向だったり、明るい感じの曲が収録。ZEEBRAの2つの側面をあらわしたアルバム、であると同時に、「Black World」だと、ポップ指向のファンにそっぽ向かれ、「White Heat」だと、ハードコア指向のファンにそっぽ向かれるので、2枚同時に・・・という、戦略も見え隠れします。

ただ、それだけバラエティーの富んだ作風だっただけに、2枚組というボリュームながらも最後まで飽きない内容でした。「Black World」の相変わらずの「俺様」的な歌詞は、マンネリ的な部分を感じつつも、ヘヴィーなトラックは、やはりカッコいいなぁ、と聴き入ってしまいます。「White Heat」のポップスさも、ちょっとベタに感じつつも、耳にすんなり入り楽しめるポピュラリティーはさすが。なんだかんだいいつつも、ベテランとしての底力を感じたアルバムでした。

評価:★★★★

ZEEBRA 過去の作品
World Of Music
The Anthology

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2012年2月19日 (日)

気の置けない仲間たちと

Title:FOR THE GOOD TIMES
Musician:THE LITTLE WILLIES

ノラ・ジョーンズが中心となって結成したバンド、THE LITTLE WILLIESの2枚目となるフルアルバム。アルバムとしては、約6年ぶりとなるそうです。

久しぶりのアルバムなのですが、基本的には、前作と同じスタンス。アメリカの昔のカントリーミュージックのカバーを中心に取り上げています。もともとが、気の合う仲間たちとの自由なセッション感覚で生まれたバンドなだけに、難しいこと抜き。自分たちの好きな音楽を、好きなように演奏して楽しんでいる、というの点も、前作と同様でした。

ま、そんな訳で、収録されているのは、いわば「古き良きカントリーミュージック」。ただ、個人的に、あまりカントリーって聴かなくて、いい曲だなぁ、と思いつつも、いまひとつひっかかりがない部分があったんです。

ただ、このアルバムに関しては、聴きはじめるうちに、ついつい聴き入ってしまいました。それはなによりも、ノラ・ジョーンズの歌声の魅力も大きいのかもしれません。哀愁を帯びながら、カントリーながらも、どこかソウルのテイストを感じる優しい歌声が、心に響きます。カントリーがメインながらも、Quincy Jonesの「Foul Owl On The Prowl」のように、ブルージーな曲のカバーもあったのもよかったのかもしれません。もちろん純粋に、歌い継がれたカントリーの名曲だからこそ、普段、あまりカントリーを聴かない私でも、その魅力にはまったのかもしれません。

まあ、もっとも私が、本当の意味で、優れたカントリーミュージックをあまり聴いていないというのが大きいのかもしれないですが(^^;;

「Fist City」のようなロック風の曲もあったり、ノラ・ジョーンズの本領発揮とばかりのジャジーなタイトル曲「For The Good Times」があったりと、カントリーを主軸にしながらもバラエティーが豊富な作品。ついつい聴き込んでしまいます。

ノラ・ジョーンズの魅力的なボーカルがたっぷり聴けるという意味では、ノラ・ジョーンズが好きなら、まずチェックしておきたいアルバムだと思います。カントリーとはいえ、ジャジーなノラが好きな人でも十分楽しめると思います。もちろん、気の置けないバンドメンバーとの、いい意味で力の抜けた演奏もとても魅力的。カントリーという枠組み抜きにはまってしまう傑作でした。

評価:★★★★★

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2012年2月18日 (土)

ポップスの楽しさが満載!

Title:15
Musician:PUFFY

なんか、PUFFYを聴いていると、ポピュラーミュージックにおいて、「上手さ」「技術力」ということの必要性について、考えてしまいます。

はっきり言って、彼女たち、決して歌は上手くありません。コーラスも基本的には皆無で、2人とも同じパートをなぞるユニゾンがメイン。正直言ってしまって、ボーカルに関しては、カラオケに毛がはえた程度、でしかありません。

しかし、それにも関わらず、彼女たちの曲は非常に魅力的で、聴いているだけで楽しくなってきます。もちろん、それは彼女たちに曲を提供するミュージシャンたちの実力によることも大きいのは言うまでもありません。奥田民生をはじめとして、いわゆるオルタナ系のミュージシャンがメインとなり、数々の名曲を提供してくれています。

ただ、それらの曲も、歌うことに高い技術力を要求するものではなく、基本的に非常にシンプル。そして、そんなシンプルな曲を、彼女たちの素人っぽいボーカルで歌うことにより、よりストレートに楽曲の楽しさが伝わってくるのが不思議なところ。おそらく、これらの曲を、もっと歌が上手い人が、感情たっぷりに歌い上げても、聴いていてこれだけワクワクすることはなかったのではないでしょうか。ある意味、いい意味での素人っぽさが、PUFFYの大きな魅力なんでしょうね。

そんな彼女たちも、デビューから、早くもなんと15年(!)。いままでも、何枚かベスト盤を発売してきましたが、今回のアルバムは豪華2枚組。1枚目「パフィーチョイス」では、シングル曲を中心に、彼女たちのヒット曲を網羅。2枚目「アミユミチョイス」では、ライブでよく演奏される、彼女たちの知る人ぞ知る的な代表曲を網羅しています。

いまさらこんなことを言うのも何なのですが、PUFFYの曲って、本当にロックだなぁ(笑)。ノイジーなギターが鳴り響く、シンプルなオルタナ系ギターロックの連続。oasisあたrのUKギターロック好きにとっては、壺な曲が続きます。「アジアの純真」とか「これが私の生きる道」とか、正直、リアルタイムで聴いた時は、ほとんどはまらなかったのですが、いまさらながら、そのポップで楽しい楽曲に、はまってしまいそう(笑)。

ただ、楽曲として、名曲揃いだったのが、「アミユミチョイス」の方。ライブ向けということもあり、パンキッシュな曲や、メロコアテイストの曲などもあり、バラエティーも豊富。彼女たちが珍しくハーモニーを聴かせるカバー曲「ウェディング・ベル」など、なかなか楽しく切ないカバーに仕上がっています。そして、なにより傑作だったのが、ラストを飾る「Bye Bye」。2009年に急逝したフジファブリック志村正彦の手によるこの曲は、ポップな作風ながらも、非常に切ない、昔の彼氏を思い出すナンバー。聴いていて、泣けてきます。

2枚組全39曲というボリュームたっぷりのベスト盤なのですが、聴いているだけで楽しくなってくる曲の連続で、あっという間に聴きおわってしまったアルバムでした。ポピュラーミュージックの持つ、本来の楽しさを体現化したような曲の連続。本当に、こういい難しいこと抜きに楽しい!と感じるのがポップスのあるべき姿なの・・・かも?ちょっと懐かしいと感じる方もいるかもしれませんが、いまさらながらお勧めのベスト盤です。

評価:★★★★★

PUFFY 過去の作品
honeycreeper
PUFFY AMIYUMI×PUFFY
Bring it!


ほかに聴いたアルバム

D.M./三浦大知

三浦大知といえば、若干10歳にして、アイドルユニットFolderのメンバーとしてデビュー。その類まれな歌唱力から、「和製マイケル・ジャクソン」と言われ、絶賛されたボーカルの持ち主でした。

その後、例のごとく、変声期に突入し、Folderも脱退し、芸能活動も休止。やがて復活し、地道に音楽活動を続けている・・・ということは知っていたのですが、このアルバムは、なんと見事ベスト10入り。復活劇を果たしています。

で、今回、三浦大知のアルバムとしてはじめて聴いた本作。さすがに大人になったボーカルには、かつてのような衝撃は感じられませんでしたが、伸びのあるボーカルはあいかわらず。その歌唱力は衰えていません。

ただ、このアルバム、全体的に、今風のエレクトロアレンジがちょっとオーバー気味で、せっかくの彼の歌唱力を殺しちゃっているような。ボーカルが売りなだけに、もっとシンプルな楽曲の方が、より彼の魅力を表に出せるのでは?楽曲は決して悪くはないと思うのですが・・・全体的に、よくありがちなアルバムといった感じで、いまひとつ、彼の魅力を生かしきれていないような印象を受けました。

評価:★★★

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2012年2月17日 (金)

シングルチャートでの初動はいかに?

今週の着うたチャート

2012年2月8日~2012年2月14日付チャート

今週は、AKB48本体の曲が1位獲得です。

今週1位は、AKB48「GIVE ME FIVE!」が1位獲得です。前作「上からマリコ」は最高位3位に終わったため、着うたチャートでの1位獲得は2作ぶりとなります。来週のシングルチャートでは1位獲得が予想されますが、初動売上はいかに?

2位は、今週のシングルチャートで見事初のベスト10入りを果たしたナオト・インティライミ「君に逢いたかった」が2週連続で2位を獲得。3位には、浜崎あゆみ「how beautiful you are」がランクイン。配信オンリーのシングルで、フジテレビ系ドラマ「最後から二番目の恋」主題歌のバラードナンバー。ドラマ主題歌だけども、シングル発売されないんですね・・・静かなバラードナンバーなので、地味なのでは、という判断なのか?ただ、配信オンリーながらも3位初登場というのは、浜崎あゆみにしては苦戦のような印象も。

5位には、FUNKY MONKEY BABYS「この世界に生まれたわけ」が入ってきています。フジテレビ系ドラマ「早海さんと呼ばれる日」主題歌で、こちらは2月15日に発売されたシングルからの先行配信。前作「LOVE SONG」と同順位の5位初登場となりました。

8位には、着うたチャートでおなじみ、仙台のラップユニットLGYankees「Once More Again ~もう一度、抱きしめて~ feat. May J.」 がランクイン。2月15日に発売されたアルバム「GO! GO! LGYankees!!!」からの先行配信曲。例のごとく泣きメロ系のバラードナンバーなのですが、サビに至るまで、ラップが出てこない・・・(^^;;

初登場最後は10位に、DREAMS COME TRUE「愛がたどりつく場所」が入ってきています。ミスタードーナッツのCMソングなのですが、シングルとしての発売予定は5月。しばらくは、配信オンリーでのリリースとなります。ドリカムらしい、明るくハッピーな気分になって、暖かいポップソング。シングルでの発売も楽しみです。

で、ベスト10返り咲き組としては、9位に斉藤和義「やさしくなりたい」が、先週の11位からランクアップ。2週ぶりにベスト10に戻ってきています。まだまだロングヒットは続きそう・・・?


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

人気バンドの久々の新譜が1位!

今週1位は、L'Arc~en~Cielの、なんと4年3ヶ月ぶりとなるニューアルバム「BUTTERFLY」が見事1位を獲得しました。ベスト盤の発売がありましたし、最近はコンスタントにシングルもリリースしていただけに、これだけアルバムのリリース間隔があいたのはちょっとビックリ。ただ、初動売上は、前作「KISS」の22万1千枚から大幅ダウンの17万枚。もっとも、これだけ間隔があいても、約5万枚減で抑えたという意味では、がんばった方かもしれませんが。

2位は、絢香「The Beginning」が、先週からワンランクダウンながらも、根強い人気を見せつけています。

3位には、「JUMP」などのヒットでおなじみ、日本でも高い人気を誇るハードロックバンドVAN HALENの、再結成後初、オリジナルとしては14年ぶりとなるニューアルバム「A Different Kind of Truth」がランクインです。初動売上は3万2千枚。前作「VAN HALEN III」の初登場8位から順位は大幅アップしていますが、初動売上は8万枚から大幅ダウン。もっとも、14年前とは、CDの売上水準が全く違うので、参考になりませんが・・・。

以下、初登場は・・・

8位に「TVアニメ『TIGER & BUNNY』キャラクターソングアルバム「BEST OF HERO」」がランクイン。タイトル通り、テレビアニメ「TIGER&BUNNY」のキャラクターソングを集めたアルバムです。

初登場最後、9位には、「Sunshine Girl」のヒットで注目を集めた男女のポップスユニットmoumoon「No Night Land」がランクイン。初動1万2千枚は、前作「15 Doors」の1万4千枚より若干ダウンながらも、人気が定着しつつあるのを感じます。

そして、ここ最近、ロングヒットを続ける由紀さおり&ピンク・マルティーニ「1969」は、なんと売上が1万7千枚から1万9千枚にアップし、順位も7位から5位にアップ。2月3日に出演した「金スマ」の影響が出てきているのでしょうか?2月14日の「笑っていいとも」テレフォン・ショッキングにも出演しており、「売り」に来ている感じが。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年2月16日 (木)

次へ進むための一歩

Title:ENOUGH THUNDER
Musician:JAMES BLAKE

昨年、本国イギリスで大きな話題となり、ここ日本でも、アルバム「JAMES BLAKE」が高い評価を得たイギリスのシンガーソングライターJAMES BLAKEのニューEP。このサイトでも、私的ベストアルバム洋楽版で2位に入れるなど、ご他聞に漏れず、私もその音楽のトリコになってしまったのですが、続く新作が早くもリリースされました。

さて、今回のミニアルバム、注目なのは、3曲目「FALL CREEK BOYS CHOIR」が、なんとBON IVERと組んだ曲ということ。BON IVERといえば、これまた昨年、アルバム「BON IVER」が大きな話題となりました。昨年の年末の各種ベストアルバムでは、どんな雑誌でも、必ず「JAMES BLAKE」と「BON IVER」が取り上げられるという、ある種、2011年を代表する2人。その2人のタッグというのは、ビックリです。

ただし、この2人、ある意味、似たタイプのシンガーということもあり、この曲に関しては、「2人の才能が融合して」という感じにいかなかったのは残念(笑)。もちろん、悪い曲ではなかったのですが、数あるJAMES BLAKEの曲と変化はなかったなぁ。

しかし、それに続く「A CASE OF YOU」が素晴らしい!こちら、ジョニ・ミッチェルのカバーなのですが、静かなピアノと、彼のソウルフルなボーカルのバランスが素晴らしい傑作カバー。ついつい聴きほれてしまう傑作で、この曲を聴くだけでも要チェックでしょう。

ラストのタイトル曲「ENOUGH THUNDER」もピアノバラードなのですが、こちらもJAMES BLAKEのボーカルに聴きほれる、シングルでメロディアスなナンバー。ボーカリストとしての魅力も存分に味わうことが出来ます。

今回のアルバム、ダブステップなナンバーもあるものの、どちらかというと、彼のソウルフルなボーカルと、メロディー自体に主軸を置き、「JAMES BLAKE」のイメージを踏襲しつつも、それだけに囚われない作品になっていたように感じます。次にリリースされるであろうアルバムとの、橋渡し的な作品、と言えるのかもしれません。

ちなみに、このアルバムだけの国内盤は残念ながら発売されておらず、アルバム「JAMES BLAKE」と、このEPをセットにした「来日記念デラックス・エディション」なるアコギなものが発売されています。アルバム「JAMES BLAKE」が未聴の方は、こちらを買ってもいいのかも。

評価:★★★★★

JAMES BLAKE 過去の作品
JAMES BLAKE

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2012年2月15日 (水)

3作連続の1位

ホイットニー・ヒューストン急逝のニュースや、グラミー賞のニュースなど、ここ数日、音楽がらみの大きなニュースが続きました。ホイットニー急逝はやはりショックなニュース・・・。グラミー賞は予想通りAdeleの圧勝。これを機に、日本でも売れそうな予感。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位は、またAKB48関係。

1位は、AKB48の姉妹ユニットで、大阪を拠点に活動しているNMB48「純情U-19」がランクイン。初動売上32万9千枚は、前作「オーマイガー!」の26万5千枚からアップ。デビュー以来、3作連続1位は、女性ミュージシャンとしては史上初だとか。もっとも、男性ミュージシャンでは、Kinki Kidsが32作連続で記録を伸ばしているので、それに比べると、この記録は逆の意味でビックリしてしまいます。

2位は氷川きよし「櫻」・・・・。なんか、J-POPでは完全に禁じ手になっちゃったようなタイトルを、いまさら使うか、といった感じなのですが(^^;;初動売上4万6千枚は、前作「情熱のマリアッチ」の6万枚からダウンです。

3位には、ポルノグラフィティ「2012Spark」がランクイン。映画「逆転裁判」の主題歌。初動売上3万5千枚は、前作「ゆきのいろ」の3万1千枚からアップ。ここ最近の減少傾向が下げ止まりました。ギターのリフが印象に残るロックテイストの曲なのですが、ストリングスをいれたり、妙に哀愁のあるメロだったり、ルーツレスな歌謡曲っぽくまとめているのが、彼ららしいといった感じ。

個人的に、今週のチャートで一番ビックリしたのが、4位に入ってきた星野源「フィルム」!SAKEROCKで活躍するミュージシャンなのですが、音楽ファンには知名度が高いものの、楽曲には決して派手さはなく、この曲もアコースティックテイストのしんみりとしたナンバー。映画「キツツキと雨」の主題歌なのですが、前作「くだらないの中に」の初動5千枚から大幅アップの1万5千枚を売り上げ、初のベスト10入り。彼は俳優としても活躍しており、テレビドラマやCMにも出演しているので、その方面からのヒットか??アイドル系全盛期の中、こういうシンプルで暖かい雰囲気の曲がヒットするというのは、やはりほっとしますね。

5位には、雰囲気がガラリとかわって、エレポップなアイドルナンバー。人気声優喜多村英梨「Happy Girl」がランクイン。テレビアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」主題歌です。こちらも初のベスト10ヒットで、初動売上1万4千枚は、前作「紋」の6千枚から大幅アップとなっています。

再度雰囲気がガラリと変わりまして、6位には、ルーツ志向のスタイルが特徴的なロックバンドTHE BAWDIES「ROCK ME BABY」がランクイン。フジテレビ系ドラマ主題歌「ハングリー!」主題歌ですが、楽曲はいつも通りのロックンロールナンバー。初動売上1万3千枚は、ベスト10入りを逃した前作「RED ROCKET SHIP」の1万枚よりアップ。タイアップ効果があったのかな?

で、初登場残り2人は、いずれも男性シンガーソングライター。星野源とあわせて、今週は、男性ソロシンガーの活躍が目立ちます(あ、あと氷川きよしもか・・・)。

8位には、ナオト・インティライミ「君に逢いたかった」がランクイン。香里奈が出演している「ニッセン」のCMソングとして流れまくっていますね。初動売上1万1千枚は、前作「Hello」の8千枚からアップし、シングルでは初のベスト10入り。CMタイアップ効果でしょう。

そして9位には、秦基博「エンドロールEP」が入ってきています。自身初となる「EP」名義での作品で、タイトル曲「エンドロール」は、彼らしいゆっくりと、ちょっと切ないメロを聴かせてくれるナンバー。シングルでのベスト10入りは2010年の「アイ」以来4作ぶりとなりましたが、初動売上1万枚は、シングルとしては前作の「水無月」の1万2千枚よりダウン。低水準のチャートに助けられてのベスト10入りとなっています。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2012年2月14日 (火)

タイトル通りソウルフル

Title:Soulful
Musician:LACEE

「BLUES&SOUL RECORDS」誌で2011年新録部門で1位を獲得した女性ソウルシンガー。といっても、本誌以外でほとんどその名前は見かけませんし、残念ながら、地元のCD屋でもアルバムは並んでいません。そこで、ダウンロードにて購入し、聴いてました。

なんとか公式サイトを見つけたので、経歴などを確かめてみたのですが、彼女はアメリカのメンフィス出身のようで、デビューは2006年。既にデビューしてから5年は経っており、中堅といった感じでしょうか?これがデビュー作、というのではないみたいですね。

ボーカルについては、確かに、圧巻の一言。決して特徴ある歌い方といった感じではなく、癖のないストレートな歌い方といった印象を受けたのですが、メロウに歌い上げる「Walk in My Shoes」や、バラードナンバーの「Find Somebody」では、伸びのあるパワフルなボーカルを、惜しげもなく聴かせてくれます。一方では、「Quick Man」のような軽快なポップも歌いこなし、ボーカリストとしての実力を、遺憾なく発揮しているといった感じでしょうか。

そのボーカリストとしての声量や表現力はもちろん、安定感や、ある種の貫禄すら感じられるボーカルは、デビューからまだ5年ということを感じさせません。いい意味でのベテランの風格すら漂よわせているように感じます。

一方、メロディーに関しては、いきなり「Hate on Me」ではラップを入れてきたり、今風の感覚を取り入れていたりするものの、基本的には、昔ながらも王道ソウル路線といった感じ。そういう意味では、安定感はあり安心して聴いていられるものの、ありふれた感もあり、おもしろ味という観点では薄かったかもしれません。もっとも、それを補うだけの魅力的なボーカルを楽しめることは間違いないのですが・・・。

60年代70年代の昔ながらのソウルミュージックが好きなら、聴いて損のない、というか、お勧めの作品。CD屋でも、もうちょっと並べばいいんですけどね。でも、こういう曲もダウンロードで簡単に聴けるというのは、大きなネットのメリットかも。

評価:★★★★

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2012年2月13日 (月)

ジャケット写真は怪しいが・・・。

Title:Super Vato
Musician:Rebolledo

ミュージック・マガジン誌「ハウス/テクノ/ブレイクビーツ」部門2011年度1位獲得作品。Rebolledoというミュージシャンは完全に初耳だったのですが、メキシコ出身のテクノミュージシャンのデビューアルバムになるそうです。

どう考えてもジャケ買いしそうにないジャケット写真に、Rebolledoという、ちょっと奇妙な名前。それ以上に、ちょっと不気味な感すらする、ジャケットのタイトルと名前の字体。どれをとっても、ちょっとマニアック度の高い作品なのでは?というのが、このアルバムを聴いてみる前の印象でした。

ところが、これが意外や意外、ポップで聴きやすい作品になっていました。

1曲目「Canivalon」から、4つ打ちのリズムに、一定の間隔で入るモールス信号のような電子音が、妙に耳に残るポップスさを出していますし、「Steady Gear Rod Maschin」にしても、テンポのよいテクノサウンドがしっかりと耳に残るインパクトを持っています。

特に後半、「Corvette Ninja」「Meet Me At Topazdeluxe」は、ビートの強いストレートなダンスチューンで、Underworldや、ケミブラあたりが好きな、ロック寄りのリスナーでも楽しめるのでは?

かと思えば、一方では、「La Pena」だったり、ドラムスのリズムがメインに構成される「Te Conozco Moscow」だったり、どこか欧米のテクノミュージシャンとは異なる、エキゾチックというか、ちょっと泥臭いというか、一風変わった味付けも感じられるのも大きな魅力。確かに、ジャケット写真のような怪しさが、ポップで聴きやすいようなテクノサウンドの裏にいい意味でしっかりと流れているような、そんな印象を受けました。

聴けば聴くほど新しい発見もあり、ちょっとはまっちゃいそうなそんなアルバム。ジャケットにとまどわされないで、要チェックの1枚です。

評価:★★★★★

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2012年2月12日 (日)

圧巻の一言

Title:PHOENIX RISING LIVE in KYOTO
Musician:ROVO×SYSTEM 7

Liveinkyoto_2

昨年、10月29日に、京都の西部講堂で行われた、ROVOとSYSTEM 7のジョイントライブの模様を収めたライブアルバム。配信限定で販売されているアルバムです。

ROVOといえば、そのステージが大きな話題となって、高い人気を集めている人力トランスバンド。一方でSYSTEM 7といえば、日本でも、高い支持を得ている、イギリスのベテラン・トランスバンド。その両者が合体したユニット、ROVO×SYSTEM 7は、既にアルバム「PHOENIX RISING」をリリースしていますが、さらにこのユニットでのライブツアーを決行。その第一弾ライブとなる京都の西部講堂での模様が、配信限定で、アルバムリリースされました!

そのアルバム「PHOENIX RISING」は、ROVO×SYSTEM 7という名義でしたが、基本的に、収録されているのは、お互いの曲をお互いがカバーしあった楽曲と、それぞれのオリジナル曲のみ。そういう意味では、ROVOとSYSTEM 7が融合した作品、という感じではありませんでした。

しかし、このライブ盤では、まさにそのROVOとSYSTEM 7の融合が、実現しているアルバムになっていました。

「HINOTORI」は、序盤はSYSTEM 7の打ち込みがメインなのですが、中盤あたりから、ROVOのバンドサウンドが加わります。この中盤からの、SYSTEM 7が奏でる電子音と、ROVOの人力トランスの融合は鳥肌モノ!ダイナミックなROVOのバンドサウンドに、SYSTEM 7のスペーシーなサウンドが見事に重なり合い、広大な音の世界を繰り広げています。

そして、そのダイナミックなサウンドは、そのまま2曲目「ECLIPSE」になだれ込みます。複雑に入り組んだサウンドが、次々へと展開していくこの曲。均等なリズムを刻みながらも、一方ではパーカッションのファンキーなリズムが鳴り響き、さらには勝井祐二のバイオリンの音色が、不思議な音世界を作り出す・・・。特に中盤、ROVOのバンドサウンドが一度さっと引いた後、SYSTEM 7の奏でる優しい電子音の音色が流れ出すあたりなど、まさにゾクゾクっとしてしまいます。

どちらも20分以上に及ぶ楽曲なのですが、次から次へと新しい展開が繰り広げられるため、最後まで全く飽きることがありません。CDですら、そのサウンドに圧倒されるのだから、これをライブで聴いたら、さぞかしすごかったんだろうなぁ・・・。このアルバムを聴いて、心の底から、ライブに行きたかった!!!と後悔してしまいました。

個人的には、「PHOENIX RISING」よりも、こちらのライブ盤の方が間違いなくお勧め!もう、この圧巻の音世界、CDになってしまいますが、是非一度体験してみてください!!ROVO、久しぶりにライブに行きたいなぁ・・・。

評価:★★★★★

ROVO 過去の作品
NUOU
ROVO Selected 2001-2004
RAVO
PHOENIX RISING


ほかに聴いたアルバム

Piano Lesson/Spangle Call Lilli Line

彼女たちの代表曲を、ピアノアレンジでセルフカバーした、企画盤。ミニマルテイストも感じられるピアノの音が静かに流れる、シンプルなアレンジで、メロディーと歌詞をしっかりと聴かせるセルフカバーといった感じ。コンセプトはよかったし、シンプルなアレンジも良かったと思うのですが、全体的に、ちょっと地味な感じで、肝心なメロディーがいまひとつ印象に残らなかったような・・・。

評価:★★★

Spangle Call Lilli Line 過去の作品
VIEW
forest at the head of a river

New Season

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2012年2月11日 (土)

アルハンブラの思い出

KAN BAND LIVE TOUR 2012 ある意味・逆に・ある反面

会場:Zepp Nagoya 日時:2012年2月4日(土) 18:00~

Kan_live

KANちゃんのライブに行って来ました!前回行ったのが、2009年だったので、3年ぶり4回目のワンマンライブ。いつも、心の底から笑えて、楽しめるライブを見せてくれるだけに、この日も、非常に楽しみにして、会場に足をはこびました。結果は、想像通り、とても楽しいライブでした!!

(で、一応、以下、ネタばれありまくりということで)

ライブがスタートすると、メンバーそれぞれが1人ずつ、ステージ中央に設置されたピアノの上で、ポーズを取りながらの登場。その格好が・・・なんというか、80年代のハードロックと、グラムロックを足して2で割った感じの格好(笑)。そして、そのままライブがスタートします。

1曲目は「NO-NO-YESMAN」からスタート。序盤は、「こっぱ短い恋」や「死ぬまで君を離さない」など、懐かしいナンバーが並びつつも、全くMCが入らず、どんどん曲が進んでいきます。どうも、コンセプトは、「ロックバンドのライブ」みたいで、途中、中野さんのギターソロでは、わざわざピアノの上にのぼって、下からスタッフが扇風機で風をあてて、いかにもなパフォーマンスをしたり・・・。

その後は、個人的に聴きたかった「REGRETS」や、さらにご存知「愛は勝つ」は、最初、静かに弾き語りからスタートし、途中からバンド演奏に入るという、ダイナミックなアレンジで。懐かしい曲も入りつつ、わずか9曲、何もMCもなしに、メンバーが去り、本編が終わります(笑)。

・・・・・・で、アンコールはまばらなまま、再びメンバーがステージに。メンバー紹介になったのですが、最初は、またいかにもロックバンド然として、下の名前をニックネーム風にして紹介・・・していったのですが、さすがに中野さんまで続いたところで「もう、このコンセプト、飽きたからいいでしょ」と突っ込みが入り、終了。で、その後は、いつも通り(まあ、ここまでもある意味いつも通り)にライブが続いて行きました。

で、ここのMCでは、いままで披露した各曲の紹介。この日のライブは、2010年に、彼の過去のアルバムが、リマスターされ再発売されたのを記念して、各アルバムから、最低1曲は選曲しているとか。ただ、はじめて来た人にも、楽しめるように、あまりにマニアックにならないように、選曲に気を使ったそうで、それだけに、この日は、懐かしい曲からおなじみの曲、あまりライブで聴かない珍しい曲まで、様々なバリエーションが楽しめた曲になっていました。

で、次に披露したのは、「アルハンブラの思い出」。もともと、ギター独奏の曲なのですが、この日はわざわざメンバー5名で弾く、というコンセプト。おそらく、曲名は知らなくても、曲自体はよく知られているのではないかと。↓この曲です。

同一の音を小刻みに演奏する、いわゆるギターのトレモロ奏法で有名な曲。ただ、演奏自体は至って普通の演奏で、「いい曲だなぁ~」で聴きいるだけで、この段階では終わり。でも、これが後ほどの伏線に・・・・・・(^^;;

その後はギターの話に。彼のアコギは、マーチン製らしいのですが・・・

「マーチンって書いてあるのですが、その後、『CO』って続いているのに、なぜか誰も省略して読まないんですよ。だから、私は省略しないで、ちゃんと読むようにしているんです、マーチンコって」(ちなみにMartin&Coですね、書かれているのは(^^;;)
「このギター、スタレビの根本要さんからもらったギターなのですが、要さんはあげたわけじゃないと言っているんですが。だから、みなさん、ブログやツイッターに、『要さんにもらった』と書いておいてください。たくさんの人が書けば、要さんも、恥ずかしくて貸しただけと言えなくなるはず。『要さんにもらったマーチンコ見たよ』略して『要さんのチンコみたよ』って、書いておいてください」

・・・・・・だそうです(笑)。

その後は、「小羊」や、これもおなじみ「まゆみ」などと続きます。そして、「男子&女子」こと観客席とのコール&レスポンズ。この日は、ファミリーという掛け声で、家族連れにも手をあげさせていました。で、さらには、なぜか「瀬戸から来た人!」という呼びかけには、岡山から来た人が手をあげていました(KANちゃんは、ちょっと混乱していたけど、要するに、瀬戸内海ってことですよね)。ちなみに、なぜか瀬戸をあげたのは、以前、瀬戸でライブをやった時に、すごくかわいい子がいたかららしいです(笑)。

その後は「よければ一緒に」や、ここで最新曲「Listen To The Music」。さらに個人的にうれしかったのは、かなり懐かしい「丸いお尻が許せない」!軽快でユーモラスなナンバーで会場は盛り上がります。ここらから一気に「Sunshine of my heart」、そして「Oxanne~愛しのオクサーヌ~」で最高潮に達します。そしてラストはしんみり「紅のうた」で聴かせて締めくくり。今度こそ、本当に本編終了です。

もちろん盛大なアンコールと共にメンバーが再登場・・・で、メンバー5人のバイオリンによる五重奏で、The Beatlesの「Eleanor Rigby」。グタグタの演奏の、いわばネタですね。かなりひょろひょろとした演奏で、会場に笑いがおきました。

で、この演奏だけでメンバーは再び去り、再度アンコールへ。再度登場すると、「適齢期 LOVE STORY」へ。80年代のバンドサウンド全開のナンバーに、一気に盛り上がります。そして、待ってました!おなじみこの日のライブのダイジェスト!!この日のライブで演奏した曲を、ワンフレーズだけつないで再度演奏する企画。毎度、演っていない曲などを挟んだり、曲同士をおかしくつなぎあわせて、笑える企画なのですが、まず爆笑が起きたのが、途中、「アルハンブラの思い出」のトレモロ奏法を、

「レロレロレロレロレロレロ・・・・・・・・」

とヨッパライのようにフラフラしながら、口で再現したところ。あの演奏は、この前振りだったのか!さらには、途中、AKB48の「会いたかった」がなぜかはさまり、「丸いお尻が許せない」とごっちゃになって「会いたかった~会いたかった~会いかった~Yes!お尻~~」となり、最後は、平井堅の物まねで、「おしり~」(「瞳をとじて」の「それだけでいい」の最後の歌い方みたいな感じで)と締めくくり、また大爆笑となりました。

そして、最後は、バンドメンバーが全員、舞台から去り、KAN一人だけがステージ上に残り、ピアノ1本で弾き語り「今度君に会ったら」。毎回、聴かせる演奏で、爆笑続きだったライブを、ピシッと締めくくってくれるのですが、この日も、最後は直前までの空気と一変。実力派のミュージシャンとしての本領を発揮した、素晴らしい弾き語りを披露してくれました。

全編、3時間。相変わらずネタ満載のコントのようなステージで、とても楽しかったです!選曲も、KANちゃんの意図したとおり、マニアックなナンバーからおなじみのナンバーまでバランスよく、また、懐かしい曲を何曲も聴けて、とてもうれしい選曲でした。ネタは、ある意味、「お決まり」感はあるのですが、安定感があって、安心して楽しめる感じ。3時間という長丁場でしたが、その長さを全く感じさせない最高のエンターテイメントショーでした。

で、客出しアナウンスで流れる最後のツアータイトルは、「ある意味・逆に・レロレロレロレロレロレロ・・・・」って、「アルハンブラの思い出」が、このネタの前振りだったんですね、納得。

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2012年2月10日 (金)

まじかよ・・・。

今回の更新をアップする直前に飛び込んできてしまいました。

GO!GO!7188、ユウ脱退に伴いバンド解散

まじよか・・・・・・・・。大好きなバンドだったのに、すっごく残念です・・・。

GO!GO!7188をはじめて知ったのは忘れもしない2000年の5月4日(って、もう12年も前になるのか)。場所は日比谷野音。「MUSIC DAY 2000 "緊急首脳会談in野音"」というライブイベントのオープニングアクト。入場する観客の、入場行進曲のように演奏される彼女たちの曲を聴いて一気にはまり、ファンになりました(ちなみに、私がはじめてBUMP OF CHICKENを見たライブだったりもします)。

その後、同じ年の7月に行われた、初のワンマンライブにも足を運びました。あの頃、唯一発売されていた、「パパパンツ」と「こいのうた」のカセットテープを何度聴いたことか。

正直、ここ最近は、以前ほどはまらなくなり、ライブは、2006年のSHIBUYA-AXでのワンマンライブが最後になってしまったのですが、その後もCDは欠かさず購入しており、また機会があればライブにも・・・と思っていた矢先。本当に残念なニュースです。ただ、ユウは確実にチリヌルヲワカでの活動の方が楽しそうに、CDを聴いていても感じただけに、ちょっと嫌な予感はしていたのですが。これから、各メンバーの活躍に期待したいところです!

今週の着うたチャート

2012年2月1日~2012年2月7日付チャート

今週は、復帰作が話題の、彼女の曲が1位獲得です。

今週1位は、先週3位で初登場した絢香「はじまりのとき」が2週目にして1位獲得。今週のアルバムチャートでもランクインしているアルバム発売の影響でしょう。着うたチャートでも人気のほどを見せ付けました。

初登場で最高位は、2位に入ってきた男性シンガーソングライター、ナオト・インティライミ「君に逢いたかった」がランクイン。2月8日に発売したシングルの先行配信で、ニッセンのCMソングとして流れています。シングルチャートでは2月7日付デイリー・チャートで9位に初登場しており、上位へのランクインも期待されます。

初登場もう1曲は、9位初登場の女性ソロロックシンガーmiwa「片想い」がランクイン。今週のシングルチャートでは7位にランクインしていますが、着うたチャートでは、シングルよりも若干低い位置でランクインです。

また、今週は8位に長渕剛「ひとつ」が、先週の11位よりランクアップでベスト10入り。1月10日付チャートで11位にランクインして以来、ベスト20圏内でうろうろしていましたが、シングル発売に伴い、着うたチャートでもランクアップし、5週目にして、初のベスト10入りとなりました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

着うたチャートに続き、アルバムチャートでも彼女!

今週1位は、2009年の紅白を最後に活動を休止していた絢香の復帰作「The Beginning」が、着うたチャートに続き1位を獲得しています。ただ、初動売上は10万8千枚。3年7ヶ月前の前作「Sing to the Sky」の31万5千枚からは大幅ダウン。さすがに、約2年の活動休止はちょっと厳しかったか?

2位は、ソロデビュー10周年を迎えるYUKIのベストアルバム「POWERS OF TEN」がランクインです。そっかあ、もうジュディマリ解散から10年以上が経っちゃうんだぁ・・・と思うのですが、YUKIは、もうすっかり、元ジュディマリの、というイメージから脱却しましたね。ただ、初動売上7万2千枚は、オリジナルとしての最新作「megaphonic」の7万6千枚からダウン。ベスト盤効果がほとんどない、ちょっと厳しい結果になっています。

3位には、スピッツ「おるたな」がランクイン。こちらは、シングルのカップリング曲や、カバー曲などのアルバム未収録曲を集めたアルバム。初動売上4万8千枚は、直近のオリジナル「とげまる」の9万5千枚から大きくダウンしていますが、ファンズアイテム的な要素も強いため、こんなところでしょうか。

以下、初登場は・・・

5位にavexのアイドルグループSUPER☆GiRLS「EveryBody JUMP!!」がランクイン。アルバムとしては、初のベスト10入りで、初動2万4千枚は、前作「超絶少女」の4千枚から大きくアップ。ただし、シングルとしての最新作「女子力←パラダイス」は、初動で4万8千枚売り上げているため、こちらに比べると、厳しい結果になっています。

そして10位には、アニメ「アイドルマスター」の劇中歌などを集めた「THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 07」がランクインしています。「MASTER06」の9位からはダウンしてしまいましたが、初動売上1万4千枚は、前作の1万3千枚より若干のアップとなっています。

初登場は以上ですが、例の由紀さおり&ピンク・マルティーニ「1969」は、今週5位から2ランクダウンの7位。ただし、売上は、先週の17,177枚から、17,201枚と24枚だけアップ。まだまだ強さを感じさせます。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年2月 9日 (木)

ボーカリストの腕が問われるカバー

Title:言葉にできない~小田和正ベストカバーズ~

小田和正、と言われて、おそらくみなさん、まずはじめに思い浮かべるのは、あの美しいボーカルではないでしょうか。

まるで女性の声のような、クリアなボーカルは、彼にとって大きな武器。確実に、曲の良さが1割増し、2割増しに聴こえます。あ、もちろん、曲自体も名曲揃いですよ。そのあたり、誤解なきよう。

小田和正の曲のカバーというのは、小田和正のボーカルという大きな武器抜きに、原曲と戦うことになります。そういう意味では、ミュージシャンそれぞれの実力が、非常に問われることになります。実際、このアルバムは、それぞれのミュージシャンの実力が、クッキリとあわれた作品になりました。

数々のミュージシャンによるカバーが収録されてますが、その中でも良かったのが、矢野顕子の「夏の終り」。もう、完全に矢野顕子の曲に仕上がっていました。彼女自身も特徴のあるボーカルを持っているとはいえ、自分のものとしてしまう実力はさすが。また、Charaの「Yes-No」も、ギターロック風にアレンジされ、全く違った魅力を感じることが出来るカバーになっていました。

他にも、槇原敬之の「秋の気配」などは、普段、歌詞や曲で評価されることの多い彼ですが、ボーカリストとしても実力の持ち主と、実はあの声も非常に魅力的なんだなぁ、ということを再認識されるカバー。佐藤竹善も、ある意味小田和正以上に美しい声の持ち主ですが、彼によるカバー「生まれ来る子供たちのために」も悪いわけはありません。意外とよかったのが、JUJUの「言葉にできない」。ボーカリストとして、実力派なんだなぁ、ということを認識しました。

逆にちょっと残念だったのは、河口恭吾の「ラブ・ストーリーは突然に」は、ある意味、そのままのカラオケ状態。RAG FAIRの「僕等の時代」も、アカペラは悪くなかったのですが、予想以上の出来ではなく。中村あゆみの「君住む街へ」は、ボーカリストとしてのパワーは感じたものの、仰々しいアレンジが、曲の良さを殺してた印象も。鈴木雅之の「私の願い」も、ボーカリストとしての実力は言うまでもないものの、小田和正のイメージそのままのカバーで、あまり面白さを感じられなかったのが残念でした。

ちなみに今回のアルバムは、基本的に、このアルバムのためにカバーしたのではなく、過去に発表した曲をまとめた作品だとか。逆にそれが、それぞれのミュージシャンの変な気負いみたいなものがなく、良かったような気がします。小田和正のファンでなくても、楽しめたカバーアルバムでした。

評価:★★★★

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2012年2月 8日 (水)

低水準のチャート

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、初登場は多いものの、大物の新譜がなかったために、かなり低水準のチャートに終わりました。

まず1位は、韓国の4ピースバンドCNBLUE「Where you are」が獲得しました。ビートロックテイストも強いものの、それなりに本格的なバンドサウンドといった感じ。ただ、相変わらずアイドルテイストが強く、やはりそちらの支持層からの人気といった感じなのでしょうか。ただし、初動売上6万枚は、前作「In My Head」の7万1千枚からダウン。1位はチャートの谷間の影響といった感じでしょうか?ちなみに、海外バンドのシングルでの1位獲得は、1971年のマッシュマッカーンの「霧の中の二人」以来、41年ぶりだとか。というか、そのマッシュマッカーンというバンドを全く知らない・・・。

2位は、女子中学生によるアイドルユニットClariS「ナイショの話」がランクイン。アニメ「偽物語」エンディングテーマ。比較的フツーのギターロックといった感じ。初動3万4千枚は、前作「nexus」の1万9千枚からアップです。

3位は、先週1位のSKE48「片思いFinally」が2ランクダウンながらもベスト3をキープしています。

4位以下の初登場ですが・・・

まず4位に、長渕剛「ひとつ」が入ってきました。ご存知昨年末の紅白歌合戦で彼が熱唱した曲が、ようやくシングル化されました。初動売上2万6千枚は、前作「TRY AGAIN for JAPAN」の1万枚からアップ。ただし、この曲はアルバム収録曲のリマスターシングルだったそうで、純然たる新曲としては、前々作「絆-KIZUNA-」の1万2千枚よりも大きくアップしています。ただ、この数字、紅白効果というには、ちょっと寂しいような気もします。

5位には、AKB48のメンバー岩佐美咲のソロデビュー曲「無人駅」がランクイン。この曲は、演歌で、アイドルのメンバーが演歌デビューということで話題となりました・・・が、このパターンって、おニャン子クラブから城之内早苗が演歌デビューしたのと全く同じパターンだよね。意外性が全くないなぁ。

6位は、ハロプロ系のアイドルスマイレージ「チョトマテクダサイ!」が入ってきています。初動売上1万9千枚は、前作「プリーズ ミニスカ ポストウーマン!」の3万4千枚から大きくダウン。前々作「タチアガール」の2万2千枚も下回る結果になってしまいました。

続く7位は女性ソロロックシンガーmiwa「片想い」。ただ、この曲は、ストリングスなども入れた、ロック色の薄いバラードナンバーになっています。初動売上1万5千枚は、前作「FRiDAY-MA-MAGiC」の1万4千枚から若干アップ。概ね、1万5千枚前後で、ファン層が固まってきた模様。

8位には、ヴィジュアル系バンドSuG「不完全Beautyfool Days」がランクイン。ヴィジュアル系としては癖の少ない、ストレートなポップスロック路線で、売れそうな感じとは毎回思っているのですが、なかなかブレイクといった感じにはならないですね。初動1万4千枚は、前作「Toy Soldier」の1万2千枚よりはアップ。ただ、前々作「☆ギミギミ☆」は1万8千枚を記録しているので、そこまでには及びませんでした。

最後、10位には、ドラムスの高橋久美子が脱退し、2人組となった女性ロックバンドチャットモンチー「満月に吠えろ」がランクインです。テレビ朝日系ドラマ「妄想捜査~桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」主題歌。なんと、シングルとしては約3年ぶりとなります。初動売上は8千枚で、前作「Last Love Letter」の1万7千枚から大きくダウンしてしまいました。ドラマ主題歌ですが、深夜ドラマなだけに、タイアップ効果はほとんどなかった模様・・・。ちなみに、2月15日にはベスト盤の発売も予定されていますが、この曲は収録されていません。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2012年2月 7日 (火)

ボーダーライン

ケツメイシが、4枚組みからなるベスト盤をリリースしました。

Title:ケツの嵐~春BEST~
Musician:ケツメイシ

Title:ケツの嵐~夏BEST~
Musician:ケツメイシ

Title:ケツの嵐~秋BEST
Musician:ケツメイシ

Title:ケツの嵐~冬BEST
Musician:ケツメイシ

シングル30曲に、アルバムなどからの人気曲22曲を加えた、全55曲という、ケツメイシの代表曲を網羅するボリューム満点のベストとなっています。

さて、最近の売れ線のJ-POPを聴くと、よくありがちなパターンというのが耳につきます。

典型的なのが・・・

「抽象的な前向きの応援歌」

「抽象的な言葉を並べただけのラブソング」

「仲間を大切にしよう、的な歌」

「ラップを入れているけど、なぜかサビは普通のメロディー」

あたりでしょうか?こう並べると、具体的なミュージシャンや曲も思い浮かびそうな。ここらへんのパターンの歌詞は、特に売れ線のJ-POPを批判的に見る人からは、嘲笑と共に語られることの多いパターンだったりします。

で、よくよく考えると、ケツメイシって、このパターンの歌詞をしっかりと歌っちゃっているんですよね。「ラップを入れているけど、サビはポップなメロディー」というのは、下手したら彼らからはじまったような感じもありますし、「仲間」あたりは、文字通り、典型的なパターンですね。正直、ラブソングあたりも、「こだま」「聖なる夜に」みたいな、万人受け狙いの平凡な歌詞もチラホラ・・・。その上、大ヒットした彼らの代表曲「さくら」は、まさに売れ線狙いJ-POPの典型例みたいなタイトルですし。

そんな感じで、正直、ケツメイシは、典型的な売れ線狙いのJ-POPシンガーと見る向きもあるかもしれません。ただ、一方では、非常に魅力的でユニークな歌詞や曲を多く書いているところもまた、事実。そこらへんが、また、とてもおもしろかったりします。

例えば「三十路ボンバイエ」は、30代の哀愁をユニークに描いていますし、「東京」は、同じく上京してきた人にとっては、心に響きそうな内容ですし、「S/S」は、かなりどぎついエロ歌詞がユニークです。

曲にしても、特に初期の作品は、レゲエのリズムをポップに仕上げているバランス感覚は見事ですし、「海」は、ちょっとファンキーな雰囲気のシティーポップを聴かせてくれたり、四つ打ちのリズムが軽快な「お二人Summer」など、ライブで盛り上がりそうな、ダンサナブルな作品もたくさん。「花鳥風月」のような和風のバラードからもしっとりと聴かせてくれます。なにより、このベスト盤のように、春夏秋冬、どの時期にもピッタリ合うような曲を様々書いているという意味で、楽曲のバリエーションの多さも耳を惹き付けます。

そういう意味では、彼らは、「良くありがちな売れ線」と取るか、「様々なおもしろい曲を書ける実力派」と取るか、そのちょうどボーダーラインあたりにいるミュージシャンのように感じます。ただ、往々にして、そういうミュージシャンが、いろいろなリスナーを惹き付けることにより、シーンを活性化し、様々なヒット曲を世に送り出してくれるもの。そして、ケツメイシの全盛期の活躍を見ると、まさにその通りだったといっていいかと思います。

ただ・・・正直、ここ最近は、ちょっとパターン化された、平凡な曲が多くなっているような気がするのが、気にかかるところなのですが・・・。

4枚のベスト盤の中では、「春BEST」は、勢いのあるヒット曲や代表曲が多く、「夏BEST」は、曲的にも歌詞的にもユニークな曲が多かったように思います。一方、「秋」と「冬」は、名曲もあったものの、ありがちな平凡な曲も多く、玉石混合と言った感じだったかも・・・。

あと、もう1点。

どう考えても、4枚同時発売という企画は失敗だよなぁ。

ケツメイシのファン層からすれば、やはり学生や若者がメインでしょうし、かつターゲットとなるのは、ケツメイシの曲は好きだけど、普段アルバムを買うほどではない、という人たち。4枚あわせると、1万円オーバーとなると、ちょっと躊躇してしまう人も多いのでは?実際、ベスト盤としては、売れゆきがいまひとつな感じでしたし・・・。代表曲を、さらに選曲した、1枚のみのベスト盤の販売、求む!

評価:
春BEST ★★★★★
夏BEST ★★★★★
秋BEST ★★★★
冬BEST ★★★★

ケツメイシ 過去の作品
ケツノポリス5
ケツノポリス6
ケツノポリス7

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2012年2月 6日 (月)

日本風ロックを目指して

Title:よっちゃばれ
Musician:THE BOOM

THE BOOM約2年ぶりとなるニューアルバム。THE BOOMといえば、初期はスカのリズムを取り入れ、その後は「風になりたい」のようにラテン風の曲だったり、さらには、大ヒットした「島唄」のように沖縄音楽だったり、いままで、ワールドミュージックの様々なエッセンスを、その音楽に取り入れてきました。

そんな彼らのニューアルバムのテーマは「新しい日本の歌」。このアルバム、1曲目「赤春~せきしゅん~」こそ彼ららしいラテンのナンバーですが、続く「流れ流されて」はいきなり尺八が流れてきますし、続く「情ションガイネ」は、盆踊りで流れそうな、民謡風なナンバーになっています。さらに「暁月夜~あかつきづくよ~」は、なんと石川さゆりとデゥエットの、演歌風のナンバーに仕上がっていました。

ここらへん、まさに「日本のロック」を目指したという、彼らの意図は非常に強く感じられる作品だったと思います。ただ、正直言って、いかにも和風な民謡調のメロディーとロックの融合という観点からすると、こなれていないなぁ、という感想を抱きました。

ストレートに言ってしまうと、彼らが取り入れた日本の歌のイメージは、ある種非常に様式的。「情ションガイネ」なんかは、いかにも夏の町内の盆踊り会場で流れていそうな曲ですし、「暁月夜~あかつきづくよ~」も、ありふれた演歌調。正直なところ、おもしろみは感じませんでした。

例えば、日本の歌をロックと融合させた、といえば、ご存知ソウルフラワーユニオンというバンドがいるわけです。先日発売されたミニアルバム「キセキの渚」でも、岐阜県の郡上踊りで有名な「郡上節」をカバーしていますが、このカバーは非常にダイナミック。民衆が本来持っているパワーを存分に感じられ、日本の民衆が、昔から持っていた底力を感じられます。

残念ながら、彼らのこのアルバムからは、いかにも和風なメロディーは流れていますが、そういう日本のうたが本来持っている躍動感みたいなものは感じられませんでした。ただ、それは彼らが実力の面で劣るから、という訳ではないと思います。実際、彼らの王道ともいえる沖縄音楽を取り入れた「忘んなよ島ぬくとぅ」や、ラテン風の「赤春~せきしゅん~」などは、曲の良さが存分に出ているナンバーになっていました。だからこそ、上にも書いた通り、まだ、彼らは日本の民謡を、ロック風にアレンジすることに、こなれていない、そういう印象を強く受けました。

ただ、もっとも方向性としてはおもしろいわけで、今後、この方向にチャレンジし続ければ、徐々に傑作も産まれてくるかも・・・。結成から25年が経てなお、新たなチャレンジを続ける彼らには、とてもたくましいものも感じます。それだけに、次回作は期待したいところです!

評価:★★★★

THE BOOM 過去の作品
89-09 THE BOOM COLLECTION 1989-2009
四重奏

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2012年2月 5日 (日)

2011年ベストアルバム(邦楽編) その2

昨日に続いて、2011年ベストアルバム(邦楽編)第2弾。今日はベスト5の紹介です。

5位 幻とのつきあい方/坂本慎太郎

聴いた当時の感想はこちら

元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎の、ソロデビュー作、と言われれば、傑作でないはずがないのですが、その期待を上回る傑作を届けてくれました!基本的には、ゆらゆら帝国のラストアルバム「空洞です」の延長に感じられる、シンプルな音の間を聴かせるような作品。ただ、バンドサウンドが皆無となったため、また、新しい音の世界を聴かせてくれています。それでいて、とてもポップな作風が、なんとも不思議な作品に仕上がっていました。

4位 homely/OGRE YOU ASSHOLE

聴いた当時の感想はこちら

OGRE YOU ASSHOLEといえば、以前からアルバムは名盤続きだったのですが、そんな中でも、さらなる成長を感じた傑作アルバム。シンプルな音づくりが、いかにもUSインディーロックからの影響を感じさせてくれるのですが、そこにどこかブラックミュージックからの影響を感じさせるファンキーさがあったりして、とてもユニーク。かつ、妙に人なつっこいメロディーラインが大きな魅力になっています。

3位 11のとても悲しい歌/PIZZICATO ONE

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小西康陽のソロアルバムは、かのPIZZICATO FIVEの延長線上のような、PIZZICATO ONE名義。全曲、ゲストボーカルによるカバーアルバムであるにも関わらず、その選曲やアレンジにより、完全に小西康陽のアルバムになっているのがユニーク。タイトル通りの、ちょっと切ないポップソングが胸に響く作品。ただ、PIZZICATO FIVEと同じく、ある種の非日常性が、ポップソングの楽しさを同時に伝えてくれる傑作です。

2位 キセキの渚/ソウルフラワーユニオン

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2011年で最も大きなニュース、それは間違いなく、3月11日に発生した、東日本大震災でしょう。ソウルフラワーユニオンの最新作であるこのミニアルバムは、そんな被災地での支援活動の中で産まれた作品。決しておしつけがましい「がんばろう」的なことも言っていないし、「絆」みたいな安直な言葉を使ってもいません。あくまでも被災者の視点で、音楽で楽しませようとする楽曲の数々。でも、それは私たちにとっても、とても元気づけられる曲ばかりでした。

そして・・・

1位 街道筋の着地しないブルース/中川敬

聴いた当時の感想はこちら

今年の1位2位は、ともにソウルフラワーユニオン関係のアルバムになりました。ソウルフラワーユニオン中川敬のソロアルバムは、東日本大震災直後に発売されました。このアルバム自体は震災とは関係なく企画されたアルバムですし、曲によっては震災前の曲もあるそうです。しかし、どの曲も、中川敬の力強くも優しい歌声が響く作品。震災後の音楽の中で、もっとも心に響いた傑作でした。

以上、ベスト10をまとめると・・・

1位 街道筋の着地しないブルース/中川敬
2位 キセキの渚/ソウルフラワーユニオン
3位 11のとても悲しい歌/PIZZICATO ONE
4位 homely/OGRE YOU ASSHOLE
5位 幻とのつきあい方/坂本慎太郎
6位 MUSICMAN/桑田佳祐
7位 僕たちの未来/柴田淳
8位 THE END/毛皮のマリーズ
9位 PLANET MAGIC/N'夙川BOYS
10位 liminal/砂原良徳

不作に感じた上期に比べて、下期は多くの傑作がリリースされ、全体的には、豊作な1年だったのではないでしょうか?そんな中で、やはりソウルフラワーユニオン関係が1位2位。3月11日の東日本大震災の影響を受けた曲も様々とリリースされましたが、やはりその中で一番心に響いたのは、ソウルフラワーユニオンの曲でした。

洋楽と同様、ギターロックバンドにいまひとつ元気のなさを感じたこの1年。PIZZICATO ONEや毛皮のマリーズなど、ポップ路線のアルバムも多かったのは、私の嗜好もあるのですが、純粋にロックバンドに元気がなかったから??また、気になったのは、昨年、あれだけ元気がよかった新人バンドが、今年は、あまり続かなかったという点。昨年は、神聖かまってちゃんをはじめ、THE BAWDIESやOKAMOTO'Sなど、続々と粋のいい新人があらわれたのに、今年は、そういうミュージシャンがほとんどあらわれなかったのが、非常に気になりました。

さて、今年はどんな名盤に出会えるのでしょうか。CD不況と言われて久しく、音楽シーンは厳しい話題が続いているみたいなのですが、今年もたくさん、素晴らしい傑作が産まれてくれることを願います。

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期

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2012年2月 4日 (土)

2011年ベストアルバム(邦楽編) その1

そんな訳で、おとといに引き続き、2011年の私的ベスト盤。今回は邦楽編です。

10位 liminal/砂原良徳

聴いた当時の感想はこちら

約10年ぶりのオリジナルアルバムとなった新作。硬派なエレクトロニカサウンドが魅力的。不条理的な音の羅列と思いきや、その中にしっかりとメロディーを感じられる作風で、とっつきはあまり良くないかもしれないけれども、聴けば聴くほど、その奥深い音の世界にはまりこんでしまう作品でした。

9位 PLANET MAGIC/N'夙川BOYS

聴いた当時の感想はこちら

タイトル曲の「PLANET MAGIC」は、間違いなく今年を代表する名曲!!ロックとか、ポップスとか音楽が、本来持っているワクワク感を体現したバンド。男女ボーカルのバランスもピッタリ。80年代あたりの、世の中の音楽が無条件で明るかった頃を思い出すような最高のポップスです。

8位 THE END/毛皮のマリーズ

聴いた当時の感想はこちら

このアルバムを最後に解散した毛皮のマリーズの、文字通りラストアルバム。前作「ティン・パン・アレイ」と同じく、バンド色の薄い作品で、内容はロックというよりもポップス。ボーカル志磨遼平の趣味がもろに反映された作品は、ファンにとっては賛否両論のようですが、個人的には、古きよき時代のポップスへの純粋な憧憬がそのままあらわれた、キュートなポップソングにはまってしまいました。

7位 僕たちの未来/柴田淳

聴いた当時の感想はこちら

シバジュンといえば、女性の本音をそのまま読み込んだ歌詞が、男性にとっても「イタタタ」と感じるリアリティーを持っている点が大きな魅力なのですが、今回の作品は、そのリアリティーがなお突き刺さる作品。いつも1曲入っているお遊び曲もなく、いつになく本気モードになっているこの曲は、女性ならずも男性の心にも突き刺さるような作品の連続です。

6位 MUSICMAN/桑田佳祐

聴いた当時の感想はこちら

2010年に、初期の食道がんが発覚し、活動休止となった桑田佳祐の復帰作。病み上がりでの作品ということで、心配もしました・・・・・・が、その心配は全く杞憂だったみたいですね。彼らしい、聴かせるバラードから、あいかわらずのエロ歌詞から、社会風刺の曲から、その勢いは全く衰えていません。桑田佳祐健在をアピールするには十分すぎる傑作でした。

とりあえず6位から10位は以上。ベスト5は、明日!

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2012年2月 3日 (金)

寂しいニュースが続いています。

ここ最近、バンドの解散、活動休止のニュースが続いているような気がします。

レミオロメン 活動休止

ボーカルの藤巻亮太がソロデビューとかいうニュースがあったので、嫌な予感はしていたんですけどね・・・。ただ、ここらへんで一度リセットした方がいいような気がしないではないこともないかも。

DOPING PANDAが4月で解散

インディーズデビューからもう12年も経つんですね。ある意味、やりつくしたって感じなのかな??

School Food Punishmentが無期限活動休止

一時期、ソニーがかなり売りにきていた印象が。それがプラスになったのか、マイナスになったのか?

他にも東京事変が解散を決めたし、ちょっとこの手のニュースが続いているような。「CD不況の影響で・・・・・・」ということは、ない、と願いたいのですが、断言はできないのが辛いところ。

今週の着うたチャート

2012年1月25日~2012年1月31日付チャート

シングルではベスト10を惜しくも逃しましたが、着うたでは強い!

今週1位は、JUJU「sign」が獲得しました。今週のシングルチャートでは、10位とわずか250枚という僅差で11位という結果になりましたが、着うたでは見事1位を獲得。着うたでは、昨年6月7日付チャートで「また明日・・・」で1位を獲得して以来。映画「麒麟の翼」の主題歌に抜擢されたバラードナンバーです。

2位は先週1位だったソナーポケット「世界で一番ステキな君へ。」がワンランクダウン。ちなみに、ソナーポケットは「好きだよ。~100回の後悔~」が先週の16位から9位にランクアップし、ベスト10返り咲き。昨年11月1日付チャート以来、12週ぶりのベスト10入りとなりました。おそらく、今週のアルバムチャートでも上位にランクインしているニューアルバム発売の影響でしょう。

3位には、昨年活動を再開した、女性シンガーソングライター絢香「はじまりのとき」がランクイン。2月1日に発売されたアルバム「The Beginning」収録のナンバーで、復帰後、初のテレビ出演となった、昨年のミュージックステーションで披露したナンバー。タイトル通り、新たな一歩を意味する曲といった感じでしょうか。

4位以下、初登場は2曲がランクインしていました。

まず4位は、今週のシングルチャートで1位を獲得した、SKE48「片想いFinally」。シングルでは圧倒的人気でしたが、着うたでは、とりあえずこの位置にランクイン。

そして5位には、コブクロ「蜜蜂」がランクイン。現在、活動休止中の彼らなだけに、ファンにとってはうれしい新曲。NTT西日本のCMソングになっています。ちなみに、CDでのリリースの予定はないとか。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

先週に続き、アルバムチャートも新譜ラッシュが続いています。

まず1位は、倖田來未「JAPONESQUE」が獲得。約1年ぶりのアルバムですが、初動売上9万3千枚は、前作「Dejavu」の13万8千枚から大きくダウン。前々作「TRICK」は初動25万3千枚だったので、この凋落傾向が止まりません。

2位は、着うたチャートでおなじみのラップユニット、ソナーポケット「ソナポケイズム3~君との365日~」。初動4万8千枚は、前作「ソナポケイズム2~あなたのうた~」の1万枚から大きくアップし、初のベスト3入り。ビックリするくらいチープな歌詞のラブソングなのですが、こういう薄味が受けちゃうんでしょうか?

そして3位は、いまだに根強いEXILE「EXILE JAPAN」が先週と同順位をキープです。

4位以下の初登場では、7位に女性レゲエシンガーlecca「Step One」がランクイン。これで3作連続のベスト10ヒットとなりましたが、初動売上は、前作「パワーバタフライ」の4万1千枚から大きくダウンの1万3千枚に留まりました。

8位には男性R&BデゥオCHEMISTRY「Trinity」が入ってきています。オリジナルアルバムとしては「regenaration」以来約2年ぶり。初動売上1万2千枚は、その前作の1万7千枚からはダウンです。

9位は、テレビ東京系アニメ「イナズマイレブンGO」のサントラアルバム「イナズマイレブンGO キャラクターソング オリジナルアルバム」がランクインしています。これ、明らかに対象は子ども向けのアニメなんだけど、購買層は、やはり小学生なんだ・・・よね??

初登場最後は、10位に北海道出身の5人組バンドGalileo Galilei「PORTAL」が入ってきています。前作「パレード」に続くベスト10ヒットになりましたが、初動売上は1万3千枚から1万1千枚に若干ダウン。シングルでは初のベスト10ヒットとなった「青い栞」も入っていたのですが・・・ただ、このシングル、アニメタイアップの影響でのベスト10ヒットという要素も大きかっただけに、アルバムを買うようなファンを増やすまでには至らなかったということでしょうか。

そして、今週、見事返り咲きです。5位に由紀さおり&ピンク・マルティーニ「1969」が、先週の14位からランクアップ。2週ぶりのベスト10入りです。売上も8千枚から1万7千枚と倍増以上。一気に5位と順位を上げています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年2月 2日 (木)

2011年ベストアルバム(洋楽編)

恒例の私的年間ベスト2011年。まずは洋楽のベスト5から。

5位 TAKE CARE/DRAKE

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前作「Thank Me Later」も傑作でしたが、続く最新アルバムも、前作に負けずと劣らない傑作に仕上がっていました。特に特徴的なのは、そのサウンド。丸みのある暖かさもあるエレクトロサウンドは、昨年急逝した、レイハラカミの世界にも通じるような、歌心のあるトラック。普段のHIP HOPを聴かない方でも楽しめるような、そんなアルバムだったと思います。

4位 GOBLIN/TYLER,THE CREATOR

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今年初来日も果たし、大きな話題となったHIP HOP集団OFWGKTAのリーダーによるアルバム。奇抜なPVも話題となりましたが、内向きで、暗い、若者の日常を淡々と綴った歌詞も強い印象に。特に前半は、そのエッジの効いたトラックとあわせて、思わずゾクゾクとしてしまった傑作でした。ある意味、アメリカの今を象徴している・・・・・・のかなぁ??

3位 Bon Iver/Bon Iver

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2011年のグラミー賞にもノミネート。年末の各種雑誌の「ベストアルバム」にも軒並みランクインしているだけに、いまさら感もあるかもしれませんが・・・。間違いなく、2011年において、万人が納得する傑作アルバム。清涼感があるポップなアルバムでありながらも、凝ったサウンドが、何度聴いても飽きさせない奥深さも感じさせます。

2位 JAMES BLAKE/JAMES BLAKE

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こちらも、ベタな選択ですいません(^^;;でも、やはり2011年を代表する傑作なのは間違いありません。ダブステップのサウンドを用いながら、なにより魅力的なのは、しんみりと聴かせるメロディーライン。哀愁ある悲しげなメロディーは、日本人の琴線にも触れそう。シンプルがゆえに奥行きを感じるサウンドとあわせて、聴きほれてしまう1枚でした。

そして、2011年洋楽1位は・・・

1位 JONNY/JONNY

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上半期で1位だったアルバムが、年間ベストでも1位となりました。TEENAGE FANCLUBのフロントマン、ノーマン・ブレイクと、Gorky's Zygotic Mynciのフロントマン、ユーロス・チャイルズのユニット。その魅力は、美メロの一言。絶妙に展開される先の読めないメロディーラインは、何度聴いても飽きません。特に目新しさはないのかもしれないですが、シンプルだからゆえに、今年、最も愛聴したアルバムでした。

以上です。

他によかったのは・・・

TASSILI/TINARIWEN
THE WHOLE LOVE/WILCO
NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS/NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

あたりでしょうか?結果として、全体的にベタな結果ですいません(^^;;ベスト3に関しては上半期と同じになってしまいました。ただ、5枚選ぶのが大変だった昨年に比べると、今年は、5枚に絞るのが大変で、比較的、傑作は多かった1年ではなかったでしょうか?

ただ、最近、特にイギリスで、ギターロックバンドが奮わないということが話題になっていますが、確かに、2011年1年間聴いた感じでは、聴いていて「ゾクゾク」っと来るようなミュージシャンって、大抵HIP HOPだったり、クラブ系にカテゴライズされそうなミュージシャンだったりして、ギターロックバンドで、それだけの衝撃を感じるミュージシャンにほとんど出会わなくなっちゃいましたね・・・。2011年も、VIVA BROTHERやThe Vaccinesなど、粋のいい新人バンドはいたのですが、やはりベスト5に入ったようなミュージシャンたちと比べると、と思ってしまいます。そんな中でもJONNYみたいなギターポップバンドにはまってしまったわけですが。

あらためてベスト5をまとめると

1位 JONNY/JONNY
2位 James Blake/James Blake
3位 Bon Iver/Bon Iver
4位 GOBLIN/TYLER,THE CREATOR
5位 TAKE CARE/DRAKE

でした。土曜日から、続いては邦楽編で。

ちなみに過去の洋楽ベストアルバムは・・・

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 上半期

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2012年2月 1日 (水)

アイドル系がまた席巻

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

先週は、久々にロックバンドが1位を獲得したシングルチャートですが、今週は、再びベスト3にアイドル系が並びました。

1位は、またAKB48がらみ。AKB48の姉妹ユニットSKE48「片思いFinally」がランクイン。初動49万5千枚は、前作「オキドキ」の38万2千枚から大幅にアップ。90年代J-POPを思い出すような、ちょっと古い雰囲気の打ち込みの、王道アイドルソングになっています。

2位には、こちらは韓流アイドル。アイドルグループSS501のメンバーキム・ヒョンジュンのソロデビューシングル「KISS KISS」がランクイン。爽やかなR&B風のポップナンバーは、こちらは今時のアイドルソングといった感じ。SS501は現在活動休止中なのですが、シングルとして最新作「LUCKY DAYS」は初動2万枚なので、本作の初動10万枚は、そこから大幅にアップした結果になっています。

3位は、なんだかんだいっても、まだまだこの位置に入ってくるのはモーニング娘。「ピョコピョコ ウルトラ」。タイトル通りの打ち込みのリズムが軽快なエレポップナンバー。初動売上3万1千枚は、前作「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」の4万9千枚より大幅ダウン。前々作「Only You」の3万3千枚からもダウンという、厳しい結果になっています。

アイドル系は、他にも7位に、韓国の女性アイドルグループAFTERSCHOOL「Rambling girls」がランクイン。今風のエレクトロダンスチューン。前作「Diva」は最高位12位で終わったので、2作ぶりのベスト10ヒットですが、初動売上1万2千枚は、前作の1万7千枚よりダウンです。

アイドルグループはもう1組。9位に、9nine「少女トラベラー」がランクインしています。名前と順位は偶然の一致ですね。こちらも川島海荷などが参加しているアイドルグループ。これが初のベスト10ヒットだそうです。初動売上1万枚は、前作「チクタク☆2NITE」の8千枚よりアップ。日テレ系アニメ「べるぜバブ」エンディングテーマ。タイアップ効果はそこそこといった感じか?

その他には・・・5位にDAIGO率いるBREAKERZ「Miss Mystery」が入ってきています。タイトルそのままなのですが、日テレ系アニメ「名探偵コナン」主題歌。初動売上1万6千枚は、前作「LAST † PRAY」の1万5千枚から若干アップ。おなじく「コナン」タイアップだった前々作「月夜の悪戯の魔法」の初動1万9千枚よりも、売上を落とす結果になってしまいました。

6位にはアニメ系。アニメ「戦姫絶唱シンフォギア」の挿入歌で、登場キャラクターによるユニットツヴァイウィング「戦姫絶唱シンフォギア キャラクターソングシリーズ1(逆光のフリューゲル)」がランクイン。水樹奈々と高山みなみという、なかなか豪華なユニットなのですが、初動は1万3千枚。ちなみに、水樹奈々の前作「Synchrogazer」は初動5万1千枚なので、それに比べると、ちょっと苦戦といった感じ?

8位は、男性R&Bシンガー松下優也「キミへのラブソング~10年先も~」が入ってきました。タイトルだけで、内容の想像できちゃうラブバラード。初動売上1万枚は、前作「SUPER DRIVE」の8千枚よりアップで、2作ぶりのベスト10返り咲きとなっています。

そして最後、10位には竹内まりや「いのちの歌」がランクインです。NHK BSドラマ「開拓者たち」主題歌。2009年に茉奈 佳奈が歌い、この時は最高位18位だったのですが、竹内まりやバージョンは見事ベスト10入り。ちなみに作詞のMiyabiは彼女のことだそうで、作曲は山下達郎・・・ではなく、村松崇継が手がけています。

初動売上9千枚は、前作「ウイスキーが、お好きでしょ」の5千枚よりアップ。2008年にリリースした「幸せのものさし」以来、3作ぶりのベスト10ヒットになっています。伸びやかなボーカルで、しっかりと歌詞とメロディーを聴かせる大人のポップス。最近の曲はどうこうというのならば、まずは、こういう曲をきちんと聴かれるべきだと思います。

そんな訳で、今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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