真っ黒なジャケットにまず惹かれます。
Title:EVERY SECOND A FOOL IS BORN
Musician:LUCKY PETERSON
「BLUES&SOUL RECORDS」誌の年間ランキング3位・・・ということで聴いてみたアメリカのブルースマンによる最新作。いや、実は以前から気になっていたんですけどね。なんといっても、このジャケット写真が印象的。真っ黒なジャケットに顔のアップ・・・まさにほとばしる汗を感じられるジャケットが、妙に印象に残りました。
で、聴き始めると、まず1曲目「AIN'T GONNA BOSS ME」。ぶっといバンドサウンドに、パワフルなボーカルが炸裂するソウルフルなナンバーで、おもわずキモチいい~~!!と感じてしまいます。
その後は、続く「I CAN DO BETTER BY MYSELF」のような、コンテンポラリーなブルースナンバーをベースに、豊富なバリエーションを聴かせてくれます。「CHANGING WAYS」では、女性ボーカルを迎えたロック色の強いナンバー。「Love Me」はファンキーなリズムを取り入れた、都会的なR&Bナンバーですし、「HAVE MERCY ON US」も男女デゥオのソウルフルなナンバーに仕上がっています。
ただ、基本的にどの曲も、王道的な仕上がり。安心して楽しめる一方、目新しさみたいなものはありません。そういう意味では、ブルースという音楽のジャンルの、未来を模索する、というタイプのアルバムではないかもしれません。
それでは、このアルバム、懐古趣味的な古臭いアルバムか、と言われれば、そうではありません。「LUCKY'S BLUES」では、なんとオートチューンなどを使っていたり、それなりに「今の音」に気を配っている面もありますが、それ以上に、アルバム全体に現役感が残っているのは、オールドスタイルのソウルやブルースの中の、時代を超える普遍的な良さをきちんと伝えているから、ではないでしょうか。それは、感情が伝わってくるようなパワフルなボーカルだったり、魅力的に響くギターの音色だったり。
そういう意味では、ブルース好きやソウル好きにも安心して聴ける魅力的なアルバムだったと思います。このジャケットに「おや」と思うような方は、お勧めできる1枚です。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
Pink Friday/Nicki Minaj
このデビューアルバムが大ヒットを記録し、一躍時の人となったアメリカの女性HIP HOPミュージシャン。全体的にポップス色が強く、聴きやすい内容になっており、普段、ラップを聴かない層にもアピールできそう。また、楽曲のバリエーションも豊富なだけに、最後まで一気に聴けるアルバムに。エミネムやリアーナの客演もキラリと光ります。
評価:★★★★★
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