「いい曲」がつまってます、間違いなく。
Title:エレベスト
Musician:風味堂
「ナキムシのうた」や「愛してる」がスマッシュヒットを記録した、3人組ポップスバンド、風味堂の初となるベスト盤です。
風味堂というバンド、一言で言えば、「安心して聴けるポップスバンド」といった感じでしょうか?ビックバンドあたりのジャズをベースとした、軽快なジャズに、暖かい雰囲気の歌詞。ポップなメロディーラインはインパクトもあって、おそらく誰が聴いても「いい曲だね」という普遍性を持っています。
一方では、楽曲のバリエーションも、「カラダとカラダ」はちょっとラテンのテイストの入った歌謡曲風ですし、「"おかえりなさい"が待っている」はカントリーテイスト。「未確認飛行物体な少女」はPerfumeの影響すら感じられる?エレポップな作品になっています。
ただ、これは以前のアルバムでも感じたのですが、ベスト盤でも同様。聴き終わった後、いまひとつ印象が薄いように感じてしまいます。
ひとつ大きな理由は、突き抜けた個性というのがちょっと薄い点かもしれません。ボーカルもメロディーもサウンドも、良く出来ているのですが、よくも悪くも優等生的。また、ひとつ突き抜けたよな部分もありません。そのため、おそらく、彼らの音楽を嫌う人は少なそう。ただ、そんな個性の薄さが、大きな問題のような印象を受けます。
もっとも、1曲1曲を取れば、間違いなく「いい曲」が並んでいるんですよね・・・それだけに、素直に薦められるアルバムといえばアルバムなんですが・・・。もうちょっと遊んだり、彼ららしさを大きく崩した曲があったりしたらおもしろいのかも・・・。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
QLASSIX/FPM
FPMの新作は、クラッシックをクラブ風にカバーしたナンバー。もともとは、あのユニクロの企画「UNIQLO CALENDAR」に使用された曲を集めた曲だそうです。クラッシックのカバーというのは、いろいろなタイプのミュージシャンが手がけていますが、メロディーに馴染みがありすぎるだけに、ベタになる危険性も多いのですが、今回の作品はクラシックのもともともメロディーの良さや雰囲気を生かしつつ、今風のリズムやサウンドを取り入れる絶妙なバランス。「UNIQLO CALENDAR」という、ともすれば広告宣伝企画のBMGながらも、FPMとしての個性をしっかりと入れてきています。お見事、といった感じのカバー。
評価:★★★★★
FPM 過去の作品
FPM
LOVE SONG BEST/Crystal Kay
Crystal Kayのラブソングを集めたベスト盤。2年前にベスト盤をリリースしたばかりなので、企画としてはちょっと中途半端な気もします。タイトルといい、楽曲の順番といい、なんとなくやっつけ感は否めないし。と思ったら、彼女、レコード会社を移籍していて、前のレコード会社によるいわばお小遣い稼ぎのアルバムなんですね、納得。
もちろん、楽曲自体に文句はありません。ラブソングとはいえ、今風のエレクトロナンバーからバラード、ロック風の作品やラップを入れた作品など、バラエティー豊富。彼女の魅力を存分に味わえます。ただ、企画のやっつけさに、★ひとつマイナス。
評価:★★★★
Crystal Kay 過去の作品
Shining
Color Change!
BEST of CRYSTAL KAY
THE BEST REMIXES of CK
FLASH
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