多彩なミュージシャンの曲たち
Title:ASA-CHANG&蒐集
Musician:ASA-CHANG
東京スカパラダイスオーケストラの元リーダーで、現在はASA-CHANG&巡礼などの活動の他、数々のミュージシャンにドラムまたはパーカッションなどで参加し、作曲、プロデュースなども手がけるASA-CHANG。その彼の作曲、プロデューサーなどで参加した楽曲をまとめたアルバムがリリースされました。
まず、参加しているミュージシャンの多彩さが印象的。広瀬香美に小泉今日子を手がけているかと思えば、暴力温泉芸者に、ムーンライダーズに。ベテランからアイドル、サブカル系のミュージシャンまで、様々なミュージシャンの曲が収録されています。
全体的に、アバンギャルドな雰囲気の曲が多い中、やはり耳に行くのがドラムスやパーカッション。特にパーカッションの音色は、まるで歌うような音色が印象的。例えばムーンライダーズの「恋人が眠ったあとに唄う歌」などは、まるでパーカッションが一緒に歌っているよう。パーカッションやドラムはあくまでも脇役ながらも、楽曲の中で強烈な個性を放っている曲が多いように想われます。
他には、小島麻由美の「ロックステディガール」や畠山美由紀withASA-CHANG&ブルーハッツの「小さな木の実」みたいに、迫力がありながら、どこか乾いた感じのするドラムスも印象的。ノイズミュージシャン、暴力温泉芸者の「黒の舟唄」も、ある種のインパクトを強く残す作品でした。
ただ、インパクトという意味では、最後を締める、広瀬香美の「ここに幸あり」もインパクトが大きかったですね。広瀬香美の、ある種「普通」のボーカルの後ろで、ドリルンベース風のリズムに、ノイズ、パーカッションの音が自由自在になっていて、どちらかというと、そちらが完全に主役。広瀬香美のボーカルが脇役になってしまっている異色のカバー。インパクトがあり、ついついじっくりと聴き入ってしまう作品でした。
そんないろいろなタイプの曲が多い中も、アルバムを通じては、しっかりとASA-CHANGとしての個性を感じられるから不思議。ドラマー/パーカッショニストとしても、プロデューサーとしても実力をいかんなく発揮し続けるASA-CHANG。これからも数々の名曲を世に送り出してくれそうです。
評価:★★★★★
ASA-CHANG 過去の作品
影の無い人(ASA-CHANG&巡礼)
ほかに聴いたアルバム
世界が見たい/踊ってばかりの国
期待の新人バンドの新譜。ちょっと怖い内容だったり、皮肉めいた内容だったりの歌詞も特徴的だし、ちょっと歌謡曲調のメロディーもそれなりに印象に残るのですが、全体的には、ちょっとメロにしても歌詞にしても、突き抜けるものがないのが残念。もう一皮むければ、かなり個性的でおもしろいバンドになると思うのですが・・・。
評価:★★★★
踊ってばかりの国 過去の作品
グッバイ、ガールフレンド
荒野より/中島みゆき
「夜会」で使用される曲も多く収録した中島みゆきの最新作。タイトル曲でもある「荒野より」は、キムタク主演のドラマ「南極大陸」主題歌だったのですが、ドラマと同じく、おもったほどヒットしませんでしたね・・・。ただ、アルバムの内容は、いい意味で安定しています。今回は、タイトルからイメージされるような、力強さを感じる曲が多かったような印象が。
評価:★★★★
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