クレバーさを感じる楽曲
Title:メンタルヘルズ
Musician:アーバンギャルド
これがメジャーデビューとなる5人組テクノポップバンド、アーバンギャルドのニューアルバム。
いわゆる「トラウマテクノポップバンド」だそうで、今回のアルバムでは、特に、「堕落論」というタイトルそのままに、ダメな自分をそのまま歌ったような歌が目立つ一方、前作と同様、少女性を前に出した、どこかエロティシズムな歌詞も目立ちました。
ピコピコテクノポップサウンドは、雑多な感じがする一方、前作同様、どこかクレバーな感じがするのも彼女たちの音楽の大きな特徴。「堕天使ポップ」のサビは、ジュディマリの「そばかす」だよなぁ、とか、「子どもの恋愛」は、サビからはじまる展開といい、どこかビーイングっぽいよなぁ、とか、前述の「堕落論」は、歌詞の雰囲気も含めて、筋少だよなぁ、とか、どこか既聴感のあるメロやサウンドを上手く取り込んでいるため、全体的に聴きやすく感じました。
特にメジャーデビュー作ということで、前作以上にポピュラリティーが増した感のある本作。「ときめきに死す(Hell's mix)」なんかも、完全に80年代のアイドル歌謡曲ですし。深読みできそうな単語を並べた歌詞といい、どこか既聴感のあるメロを並べる手法といい、それらを含めて、クレバーさを感じさせる楽曲に、どこか醒めた視点といい、現代のバンドだよなぁ、というのが(前作に引き続き)本作でも感じた感想です。
そういう手法には、ある種の薄っぺらさもあるため、癖のある歌詞と共に、好き嫌いがわかれそうなバンドのようにも感じます。個人的にも、正直、どこか計算高さを感じさせる部分で、おおはまりするようなバンドではありません。ただ、そういう部分も含めて、今後の展開に興味を抱いたバンドでした。
今度、この路線がどのように展開されるのか、また、さらなるブレイクはあるのか、いろいろな意味で要注目のバンド。これからが楽しみです。
評価:★★★★
アーバンギャルド 過去の作品
少女の証明
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