都会の風景
Title:我時想う愛
Musician:S.L.A.C.K.
年初恒例、各種音専誌の年間ベストで取り上げられている作品で、未チェックだった作品を聴いていたりするのですが、まずは「ミュージックマガジン」誌で、日本のHIP HOP部門1位だったS.L.A.C.K.の作品です。
勉強不足ですいません・・・実は、今回、はじめてS.L.A.C.K.というミュージシャンを知りました。注目されているミュージシャンみたいなのですが、はじめてCDを手にとってちょっとビックリしたのは、歌詞カードが全くない、ということ。それどころか、CDに曲名の記載すらありません。
ただ、だからといって、「曲名なんて曲を聴く上で関係ない!」だとか、「歌詞カードなしに、リリックを聴かせてやる!」みたいな大上段の意気込みみたいなものは曲からは感じられません。なんといっても一番最初に、「キーワードは『テキトー』」と言ってしまってから楽曲がスタートしているくらいですから(笑)。
しかし、楽曲自体に適当さはありません。当たり前か(^^;;アルバムを聴いて、まず印象に残ったのは、そのメロウなトラック。ジャジーな雰囲気すら感じられるトラックは、音数を絞りながらも、とてもロマンチシズムが感じられるトラック。都心の騒音をトラックに取り入れた「東京23時」という曲があるから余計思うのかもしれませんが、大人なサウンドの中に、どこか無機質な雰囲気のあるサウンドは、イメージとしては東京の夜、といった感じでしょうか?あえていえば、都会の中の影の部分まで垣間見れるような、都会的なサウンドに感じられます。
リリックに関しては、正直、そんなに一言一言しっかりと丁寧にラップするタイプではないため、それほど頭に入ってこなかったというのが本当のところ。ただ、そんな都会の中で生きる人たちの日常といった感じでしょうか?それも、シンプルに、淡々と語られているようなリリックが印象的でした。
とにかく、独特の個性を持った、とてもおもしろいアルバムだったと思います。これが完全にはじめて聴いたアルバムだったんですけどね。でも、HIP HOPのジャンルって、まだまだ私の知らない才能のあるミュージシャンがいっぱいいるなぁ、ということを思います。そういう意味では、まだまだ非常に勢いのある分野だということが、このアルバムを聴いて再認識しました。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
ecole de romantisme/中田裕二
昨年1月、惜しまれつつ解散した椿屋四重奏のボーカリストによるソロデビューアルバム。メロディー的には、基本的に椿屋四重奏の延長線上にありそうな楽曲なのですが、一番大きく変わったのはサウンド。ギターロックな作品はあるものの、「sunday monday」や「リバースのカード」など、ジャジーだったり、ホーンセッションを入れてきたり、バンドにとらわれず自由な作風になっています。そういう意味で、ソロらしいソロアルバムといった感じ。椿屋のバンドサウンドが好きだった!という方にはちょっと拍子はずれかもしれませんが、それ以外のファンにとっては、おおむね、気に入りそうに思うのですが・・・。
評価:★★★★
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