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2012年1月31日 (火)

中2病的なバンド

Title:千年幸福論
Musician:amazarashi

最近話題のロックバンド、amazarashi。ボーカルとギターを担当し、全曲の作詞作曲を担当する秋田ひろむと、キーボードの豊川真奈美による2人組のバンドらしいです。基本的に、メディアに一切素顔は露出せず、情報量も最低限。「謎のバンド」というスタイルをとっています。ただ、この手の戦略は、最近、多いので、あまり特異な感じはしないのですが・・・。

基本的に楽曲は、オルタナ系のギターロック。ただ、打ち込みを入れていたり、ピアノの音を入れていたり、もともとが2人組なようなので、いわゆるバンド色は薄めになっています。

おそらく、彼らが一番の売りとしているのは、その歌詞でしょう。公式サイトでも、わざわざ歌詞を公表しており、ここらへんも力の入れ具合がわかります。

その歌詞の世界なのですが、一言でいってしまうと、中2病的といった感じでしょうか(^^;;世の中をどこから少々悲観的に斜から見ていて、かつ、そんな自分を、いかにも「私は人と違って、真実をわかっている」的に語ってしまうような歌詞。具体的な言葉を選んでいる歌詞は、ある意味、非常にわかりやすいものになっています。

でも、こう書いてしまうと、彼らを否定してしまっているようなニュアンスですね。すいません、そういう意図はないんです。確かに、この歌詞の世界に、30を過ぎた私は、ちょっとはまれなかったのは事実です。ただ、学生時代だったら、絶対はまっていただろうなぁ、という感じはします。

こういう、ちょっと言ってしまえば、世の中を悲観的に、斜から見るような姿勢って、おそらく誰でも若い時分に一度は抱くような感覚ですし、そこで感じる焦燥感を歌に乗せることこそが、若者の音楽のあるべき姿。そして、そんな中から、偉大なバンドや、名曲があらわれてくると思います。

作詞を担当している秋田ひろむは、影響を受けた作家に、太宰治をあげていますが、まさに、彼の書く歌詞のイメージは、太宰治に重なる部分を感じました。ただ、世の中を徹底的に悲観している太宰治と比べると、最後の「未来づくり」では、明日の希望を歌っていて、そういう意味では、彼らの方が、一歩前へ進もうとする力を感じました。

そういう意味では、10代から20代前半の学生には、是非とも薦めたいバンドだし、そういう時期に出会うべきバンドだと思います。逆に、30代や40代になると、ちょっとはまれないタイプのバンドかもしれませんが、それが彼らの価値を下げることにはならないかと思います。これからが楽しみな、とてもおもしろいバンドだと思います。

評価:★★★★★

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