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2012年1月29日 (日)

暖かい雰囲気のコンサート

文化小劇場芸術三昧シリーズ-西区-栗コーダーカルテットコンサート

会場:西文化小劇場 日時:2012年1月22日(日) 15:00~

Kuri_live01

このライブの前日に、偶然、ヒダカトオルのライブを見たので、これが新年2発目になりましたが、当初は今年のライブ始まりの予定だった栗コーダーカルテットのライブ。会場は、名古屋市西区の西図書館に併設されている西文化小劇場。私事で恐縮ですが、この西図書館、私が高校3年生の頃、まだ完成して間もない新築の図書館で、非常に綺麗だったため、大学受験の自習場所として、何度か使わせてもらったことがあります。そういう意味では、ちょっと懐かしい会場でした。

会場には5分遅れで到着。普通、この手のライブはスタートが10分程度遅れるので、まだスタートしていないだろう、と高を括っていたら・・・既にスタートしていました(^^;;そのため、1曲目は残念ながら聴けず。ちょうど2曲目「マヨネーズ第二番」がスタートしたところでした。

ちょっとビックリしたのは会場の客層。もちろん、普通のサブカル音楽好きそうな若者も少なくなかったのですが、会場の大半を占めたのが、親子連れや、普通のおじさん、おばさんたち(つーか、自分も十分「おじさん」ですが)。市の施設でのコンサートということで、多少予想はしていたのですが、いかにも「ファミリーコンサート」といった感じで、ちょっとビックリしました。

そして3曲目にいきなり「ペジエ」を演奏したのはちょっとビックリ。その後、「ボンネットバス」や、最新アルバムから「羊どろぼう」「リージェントパークの片隅で」と続きます。コンサートでは、1曲1曲合間合間にMCを入れたり、あるいは、これから演奏する楽器を紹介したり。続く「オリオンビール」の前では、ウクレレの紹介があって、浜辺風のインストのお遊び曲を軽く演奏したり、いい意味でゆるい感じでライブは続きます。

今回のコンサートで、一番楽しかったのは、栗コーダーカルテットは、様々なユニークな楽器を演奏しているのですが、その楽器を演奏する姿を見れた、ということ。特に、今回のステージでは、要所要所で演奏する楽器を紹介してくれ、はじめて見る楽器も知ることができました。

この「オリオンビール」で登場したのが、ピアニカなんだけども、鍵盤の部分がグランドピアノみたいな形になっている不思議な楽器。なんでも「アンデス」という、日本の鈴木楽器製作所という会社がつくっているオリジナルの楽器だそうで、ピアニカなんだけど、出る音はリコーダーという不思議な楽器。リコーダーと違って和音が出せるのが特徴だそうです。

この楽器、昔一時期制作され、販売中止になったのですが、栗コーダーが、ある曲で使ったことで話題となり、問い合わせが殺到し、このたび、復活したそうです。で、ネット上で大きな話題となった、その曲、そう「やる気のないダース・ベーダー」などと言われて話題となったスターウォーズのダース・ベーダーのテーマ曲「帝国のテーマ」。この日は、触りの部分をちょっとだけ演奏してくれました。

その後は、洋楽のカバー。エルヴィス・プレスリーの「冷たくしないで」、そしてビートルズの「夢の人」を続けて披露。さらに「アパオの海外出張」で、前半戦は締めくくり。ここで15分の休憩に入りました。

休憩後、最初の曲はまた最新アルバムから「コカゲ鉄道」。ここでもちょっとユニークな楽器が登場。最初、傘の柄の部分を吹いているのかと思った(笑)楽器は、クルムホルンという、中世に一瞬だけはやった楽器だそうです。濁った感じの音が非常にユニークな楽器でした。

ここでクラシックのカバーコーナーに突入。ただし、どれも栗コーダーらしいカバーで、最初のモーツアルト「アイネクライネナハトムジーク」は、途中で唐突に終了(「きれいな和音で丸く収まった、ということにしてください」だそうです)。「くるみ割り人形よりこんぺい糖の踊り」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、さらにショパンのエチュード「蝶々」と続きました。が、どれも栗コーダーらしい、ちょっと脱力系のアレンジのカバー。どこかで聴いたことあるメロディーだけど、全く雰囲気の異なる曲に仕上がっていました。

続いていては、アカデミー賞を受賞して話題となった、加藤久仁生監督のアニメ短編映画「つみきのいえ」に使われた「つみきのいえ」と「光ノトキ」。加藤久仁生の展覧会が今、各地で行われていて、栗コーダーも、展覧会の企画として、コンサートを行っているとか。5月に刈谷に来るかもしれないし、来ないかもしれないくて、その時コンサートも、やるかもしれないし、やらないかもしれない(正式発表がまだ出来ないみたいなので(^^;;)と言っていました(笑)。

Kuri_live02

→当日、配られたパンフレット。曲の説明などが書かれていました。

で、ここでお待ちかね「ピタゴラスイッチ」!この日はベスト盤に収録されている「ピタゴラスイッチ」で使われた曲をまとめた「小組曲『ピタゴラスイッチ』」を演奏してくれました。一瞬で終わる曲とかもあって、会場からは軽く笑いも。和気藹々とした雰囲気で演奏は続きます。

そして最後は、「川口くんのおすすめトラッド」で締めくくり。もちろん、会場からはアンコールが起きます。アンコールは「うれしい知らせ」、そして最後は「おじいさんの11ヶ月」で締めくくりです。最後の「おじいさんの11ヶ月」では、ギターの近藤研二が、立ち上がって軽快にアコースティックギターを奏で、それに伴い、会場も手拍子が起き、最後の最後で一番の盛り上がりを見せ、ライブは終了しました。

3時にはじまってライブの終了は4時50分。途中、15分の休憩があったので、事実上、1時間半強のステージでした。いわゆる「ファミリーコンサート」だったのですが、セットリストは、変に「子ども向けの曲のカバー」みたいな選曲はせずに、あくまでも栗コーダーの曲。おそらく、ファミリーコンサートではないステージでもそんなに大きな差はないんでしょうね。合間のMCはちょっと変わるかもしれないですが。代表曲も一通り聴くことができ、「帝国のテーマ」も聴けて、大変満足です。

なによりもとても暖かい雰囲気だったのが印象的。家族連れが多かったのももちろんながら、MCもほんわかとした雰囲気のトークで、なによりアコースティックな楽曲にとても暖かさを感じられます。いい空気が終始会場を流れていました。

ユニークな楽器もたくさん知ることが出来、CDで聴くだけとは、全く違う、栗コーダーの魅力を知ることが出来ました。インスト曲ばかりなのですが、メロディーがとてもポップで、アレンジもシンプルながらもユニークなだけに、最後まで全く飽きが来ません。栗コーダーは、以前、イベントライブでチラッと見て、その時もとても楽しかった記憶があるのですが、はじめて足を運んだワンマンライブ、予想以上に楽しいステージでした。これは、また是非とも足を運びたいですね!子どもからお年寄りまで楽しめるコンサート・・・でも、決してイージーリスニングみたいなお気軽な音楽ではなく、味のあるサウンドや楽曲が楽しめる点もとてもいいですね!新年早々、とても素晴らしいステージでした。

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