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2012年1月14日 (土)

自由度の高いミニアルバム

Title:After The Apples
Musician:吉井和哉

前作「The Apples」から、わずか7ヶ月というインターバルでリリースされた、吉井和哉の6曲入りのミニアルバム。「After The Apples」というタイトル通り、当初は「The Apples」に収録できなかったアウトテイクを収録する予定だったそうですが、震災が発生したことにより、それ以前に収録した曲が入れずらくなり、結果、ほとんど新曲を収録したそうです。

ただ、「アウトテイク集」という企画でスタートしたアルバムだからでしょうか、いままでの吉井和哉の作品に比べて、かなり自由度の高い作品になっていました。特に「The Apples」が、「一人バンド」を意図した作品だったのに対して、バンドという形式に囚われないアルバムになっていて、実に個性的なアルバムになっていたと思います。

1曲目「無音dB」からして、オルタナ系のギターロックバンドのような勢いある作品に、吉井和哉のイメージからちょっとはずれますし、「バスツアー」では、後半で、エレクトロの要素も入れてきています。

特にインパクトがあったのが、「母いすゞ」で、タイトル通り、母について歌った歌。母に対する視点に愛情を感じながらも、ユーモアさも感じる歌詞が印象的。またトラックにもHIP HOPの要素を入れており、非常にユニークな作品になっています。

個人的に、傑作と言われる「The Apples」よりも、こちらのアルバムの方が好きかも。わずか6曲とはいえ、いろいろな要素が組み込まれた楽曲が、次々と展開していく構成は、最後まで耳がはなせませんでした。

評価:★★★★★

吉井和哉 過去の作品
Hummingbird in Forest of Space
Dragon head Miracle
VOLT
The Apples


ほかに聴いたアルバム

ゴールデン☆ベスト ULTIMATE/PINK

80年代に活躍したニューウェーヴバンドPINKの代表曲を集めたベスト盤。ラルクのプロデューサーとして知られる、岡野ハジメが在籍していたバンドでもあります。打ち込み主体のサウンドは、さすが時代がたった今では、チープに聴こえて、ちょっと厳しい曲もある一方、パンキッシュな「光の子」など、時代を超えていまでも魅力的な曲もチラホラ。

評価:★★★★

NIGHTMARE/ナイトメア

約2年半ぶりとなるヴィジュアル系バンド、ナイトメアのニューアルバム。ほどよくヘヴィーなバンドサウンドに、ポップなメロディーライン。ビジュアル系らしい鼻にかかったような歌い方ながらも、必要以上に嫌味にならず。いい意味で、バランス感覚のある楽曲は相変わらず。ただ、J-POP直系の、ヒネリのないメロディーも相変わらずで、これでもうちょっとメロディーがおもしろければ、と思ってしまうのですが。

評価:★★★

ナイトメア 過去の作品
majestical parade

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