これもくるりの最新作
Title:奇跡 オリジナルサウンドトラック
Musician:くるり
映画のサントラ盤というのは、ここでも何度か紹介しているのですが、正直言って、アルバムとして傑作!という作品に、ほとんど出会ったことはありません。
それは、あくまでも映画でつかわれることを前提につくられた曲であるため、BGM的になっていたり、曲の断片であったり。映画の中では効果的であるかもしれないのですが、ひとつの曲としては、いまひとつ、というケースが多いからだと思います。
ただ、この是枝監督作品「奇跡」のサントラは、いままで何枚か聴いてきた映画のサントラの中では、一番楽しめたアルバムでした。
ともすれば、映画の主題歌以外は、すべて1分程度のBGM的な曲、という構成が多いサントラ盤の中で、「鹿児島おはら節」「奇跡」「最終列車」と3曲も歌付の曲があった、ということも大きかったかもしれません。
ただ、それ以外にも、くるりの歌心があふれる曲が並んでいて、しっかりくるりのアルバムとしての魅力を感じることが出来たのが大きかったように思います。
全般的に、アコースティックでカントリー風な作品が目立つのですが、それらの曲も、しんみりとしたメロディーに、くるり岸田のメロディーセンスを感じることが出来ます。また、インストながらも「それぞれの日々」ように、アコーディオンでメロディーを奏でる、5分を超える曲もあり、ちゃんとくるりの作品として楽しむことが出来ます。
他にも「ぞわぞわ」のように、三味線の音色がブルージーで、それにバンドサウンドが加わるという、非常にユニークな作品や、「軍資金のテーマ」のようにバンドサウンドを前に押し出したような曲など、なにげにサントラ盤といってもくるりファンならチェックしておきたい作品も多数。
確かに、決してポップな曲が多いわけでもないし、映画の中ではないと楽しめないような曲も少なくないため、ファン以外にはお勧めしにくいのですが、ファンにとっては、サントラ盤といってスルー不可な1枚だと思います。間違いなく、この作品もくるりの作品。要チェックな1枚です。
評価:★★★★
くるり 過去の作品
Philharmonic or die
魂のゆくえ
僕の住んでいた街
言葉にならない、笑顔を見せてくれよ
ベスト オブ くるり TOWER OF MUSIC LOVER 2
ほかに聴いたアルバム
Second line&Acoustic collection/ACIDMAN
シングルのカップリングとして収録したセルフカバー、second lineシリーズに、あらたにセルフカバー作品を加えたアルバム。全体的にアコースティックで、ジャジーなカバーに仕上がっていて、ACIDMANのロック以外での音楽的嗜好を感じさせます。ジャズベースのおしゃれな雰囲気は、いつものACIDMANの曲の中にも垣間見れるので、意外性はあまりないような気はするのですが、それでもいつものACIDMANとは違う雰囲気で楽しめるアルバム。ただ、全体的に似たようなタイプの曲になっているのが残念なような・・・。
評価:★★★
ACIDMAN 過去の作品
LIFE
A beautiful greed
ALMA
LAST TRAIN TO EXITOWN/THE BEATNIKS
鈴木慶一と高橋幸宏によるユニットの、10年ぶり(!)となる新作。しっとりした大人のポップスといった感じで、鈴木慶一っぽいなぁ、という部分と、高橋幸宏っぽいなぁ、という部分が、それぞれ決してお互いに衝突することなく、上手く融合しているのが、実力のあるベテラン同士のユニットといった感じ。ただ、もちろんクオリティーの高いアルバムなのは間違いないのですが、聴き終わった後の印象が、ちと弱いような・・・。
評価:★★★★
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