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2011年12月20日 (火)

キリンジの意外な側面

Title:SONGBOOK
Musician:キリンジ

今回、こういうアルバムがリリースされて、ちょっと意外に感じたのが、キリンジって、意外といろいろなシンガーに曲を提供しているんだなぁ、ということ。確かに、彼らみたいなクオリティーの高いポップスを、確実に提供できるようなミュージシャンって、なかなかいないですからね。

今回のアルバムでおもしろかったのが、1枚目に本人たちのセルフカバーが収録されており、2枚目に、彼らが楽曲提供した元曲が収録されている点。1対1対応ではないのがちょっと謎で、おそらく、カバーに合う曲を選んだんでしょうが・・・。2枚の聴き比べを楽しむことが出来ます。

そして、そんな聴き比べをしておもしろいなぁ、と感じるのは、カバー曲に関しては、実にキリンジっぽさを感じながらも、キリンジの曲としてはどこか違和感を覚える点。逆に、元曲に関しては、どこかキリンジっぽさを残しながらも、本人たちの曲としてキッチリとマッチしている点でした。

例えばセルフカバーでいえば、「ロマンチック」は、サビのメロは確かにキリンジっぽいものの、それ以外の部分や、リズムの早さには違和感が。「わたしの青い空」にしても、歌謡曲っぽさが強く、どこかいつもの彼らの曲とは違う部分を感じます。

一方、元曲の方で言えば、「somewhere in TOKYO」は、完全に古内東子の曲になっていますし、「プールの青は嘘の青」にしても、ノスタルジックな歌詞と曲調が、南波志帆の、かわいらしい声とピッタリマッチしています(だからこそ、この曲はセルフカバーが出来なかったのでしょうか?)

おそらく、彼らが楽曲を提供する場合、いつも自分たちのために作る曲と違ったスタンスで、かつ、提供するシンガーに合った曲を書いているのでしょう。そして、それが意外とマッチしているところに、彼ら、実はシンガーソングライターとしてではなく、職業作家的にも通用する実力の持ち主なんだ、ということを感じました。

ちなみに、今回のアルバムで一番意外な発見が、藤井隆の「わたしの青い空」で、ちょっといろっぽいボーカルが、曲にマッチしていて、お笑いタレントの余芸と思えない出来。最初、誰が歌っているかわからず、歌っている人の名前をみて、ビックリしました。

キリンジの、その音楽性の広さも感じられた2枚組。キリンジファンにとっても、十分オリジナル感覚で聴けるアルバムだと思いますし、元曲の方も、それぞれシンガーは個性的で、よかったですよ!

評価:★★★★★

キリンジ 過去の作品
KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration
7-seven-
BUOYANCY


ほかに聴いたアルバム

and...Life/熊木杏里

ワーナー移籍第1弾となるミニアルバム。ピアノの音が爽やかな「Hello Goodbye&Hello」からはじまる前半は聴かせる曲が並びます。特に、死んだ人のことを思う、切ない「hotline」はピアノの音が切なく、胸がしめつけられるような名曲。ただ、後半の曲に関しては、ちょっといまひとつというか、平凡なJ-POPに。なんか、彼女って、曲によって出来不出来の差が大きいような・・・。曲単位では名曲も多いのに、いまひとつブレイクできない理由がそのあたりにありそう・・・。

評価:★★★★

熊木杏里 過去の作品
ひとヒナタ
はなよりほかに
風と凪

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