まさかこれだけ続くとは・・・。
Title:The Singles Collection 2001-2011
Musician:GORILLAZ
2011年で、デビューから10年を迎えた、GORILLAZによるベスト盤。
ご存知のように、GORILLAZは実在のバンドではありません。blurのデーモン・アルバーンが、漫画家のジェイミー・ヒューレットと組んで立ち上げたプロジェクト。ギネスブックでも「最も成功した架空のバンド」に認定されたそうです。
既にオリジナルアルバムを4作もリリースしており、他にも編集盤なども多くリリースしている彼ら。正直、この「バンド」がスタートした時、企画モノ的な色合いが強く、これだけ長く続くなんて誰も思わなかったのではないでしょうか?
ただ、ひょっとしたらこの「企画モノ」的な、「お気軽」ともいえる見られ方が、「バンド」の寿命を長くしたのかもしれません。このシングルコレクションを聴いてみると、その時代によって、デーモン・アルバーンの実に反映されているように感じました。
デビュー以来、初期の作品は、HIP HOP色が強め。それが「Dare」あたりからエレクトロ色が強くなり、彼の興味がエレクトロに向かったことを感じさせます。もちろん、最近の作風にもHIP HOPの要素は強いのですが、彼の興味の向くまま、自由度の高い音楽性は、あくまでも「お気軽」な「架空のバンド」であるからこそ。また、だからこそ、GORILLAZの曲には、魅力的な曲が多く収録されています。
また、それだけ自由度も高く、ともすれば「実験的」にもなりがちな作品にも関わらず、しっかりと後に残る印象的なメロがあるのも大きな特徴。確かに、ブリット・ポップ全盛期のblurのような、インパクト満載の曲はないものの、例えば「CLINT EASTWOOD」のメロディーなど、一度聴いたら、ついつい口ずさんでしまいます。
今回のシングル集では、そんな楽曲が発売順に並んでいるだけに、GORILLAZの変遷がよくわかる内容。1枚にまとめられているだけに、入門盤としても最適な作品だったと思います。企画モノ的要素が強かった「彼ら」ですが、すっかりデーモンのライフワーク的になりつつあるGORILLAZ。これからも、数々の名曲で私たちを楽しませてくれそうです。
評価:★★★★★
GORILLAZ 過去の作品
D-Sides
Plastic Beach
THE FALL
ほかに聴いたアルバム
DEATH TO FALSE METAL/WEEZER
日本でも大人気のパワーポップバンド、WEEZERのレア音源集。アルバムからはずれた曲などを収録しているのですが、WEEZERらしい、メロディアスなパワーポップの連続。最後を締める「Unbreak My Heart」のカバーもなかなかユニーク。ファンにとっては、新譜感覚で聴けるアルバムだと思います。
評価:★★★★
WEEZER 過去の作品
WEEZER(Red Album)
RADITUDE
HURLEY
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