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2011年12月22日 (木)

日常と非日常の間

Title:幻とのつきあい方
Musician:坂本慎太郎

2010年、惜しまれつつ解散したゆらゆら帝国のフロントマン、坂本慎太郎による初のソロアルバム。

傑作アルバム「空洞です」で、「バンドとしてやれることはやりつくした」というコメントを残し解散した彼ら。それだけのアルバムをリリースして、一体、次はどんな一歩を見せてくれるのだろう、と期待半分、不安半分で聴いた今回のアルバムですが、その結果は、期待を超える傑作を聴かせてくれました。

楽曲の方向性としては、「空洞です」の延長線上にある楽曲だと思います。シンプルでミニマル、隙間の開いているような音の世界は、「空洞です」と通じるところがあります。ただ、大きく異なるのが、今回のアルバム、バンドサウンドが皆無という点。パーカッションやサックスなど、様々な音を用いており、バンドではない、ギターやドラムスの音に縛られることのないソロだからこその音を作り出しています。ただ、様々な音を用いながらも、楽曲全体の雰囲気はあくまでもシンプル。いろいろな音を上手く組み合わせて、最小限の音で、最大限の世界をつくりあげているという点も、「空洞です」と通じるところがあります。

メロディーに関しては、基本的にゆらゆら帝国と変わらず。ただ、バンドサウンドがなくなったため、よりメロディーと歌詞が前に出てきているように感じました。メロディーラインは、いわゆる一般的なヒット曲のように、フックの効いたようなわかりやすいサビがあるわけではありません。でも、妙に人なつっこいメロディーが魅力的で、聴き終わった後、ついつい口ずさんでしまうあたり、間違いなく、「ポップ」なんですよね。今回は、女性のコーラスを効果的に用いることにより、その人なつっこさが、より前に押し出されているように感じます。

今回のアルバムタイトル「幻とのつきあい方」の「幻」というのは現実社会のことだそうで、歌詞で歌われている内容も、日常をベースとした歌詞がメイン。ただ、それを「幻」と表現する彼の歌は、どこか地に足をつけない浮遊感が、日常の歌でありながらも、どこか幻想的な雰囲気を与えています。この日常と非日常の間の隙間にピッタリとはまったような感覚が、また独特で、癖になります。

「空洞です」の延長線上ながらも、「空洞です」とは全く異なる世界を見せてくれた今回のソロアルバム。まさに期待を大きく上回る傑作でした。間違いなく、今年のベスト盤候補の1枚。坂本慎太郎というミュージシャンの実力を、まじまじと感じさせてくれた作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Rock Kingdom/the telephones

高音のボーカルに、ディスコチューン。後半、ポップなメロディーを聴かせるナンバーもあるのですが、メインはやはりディスコサウンド。ワンパターンといえばワンパターンですが、ライブだと、このワンパターンさが楽しそう。アルバムの長さも40分弱と短めですが、こういうタイプの曲なら、この長さが限界だな・・・。マンネリといえばマンネリなのですが、変に路線を変えるよりも、もうこの路線で行くしかないような・・・。

評価:★★★★

the telephones 過去の作品
DANCE FLOOR MONSTER
A.B.C.D.e.p.
Oh My Telephones!!! e.p.

We Love Telephones!!!
100% DISCO HITS! SUMMER PACK

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