オルタナティヴなCHARA
Title:うたかた
Musician:CHARA
前作から、わずか約7ヶ月のインターバルでリリースされたCHARAのニューアルバムは、前作「Dark Candy」と対になるアルバムだそうです。デビュー20周年を迎えた彼女が、原点に戻った作品だそうで、「Dark Candy」は、ポップでガーリッシュな側面を強調した作品である一方、「うたかた」は、オルタナティヴな女性ミュージシャンとしての側面を強く押し出した曲だそうです。
で、今回の作品は、そんなオルタナティヴな作風なだけに、わずか7曲ながらも、アレンジが非常に凝った作品が並んでいます。アコースティックギターに、シューゲイザー風なノイズギターが重なる「Feeling Feeling」、打ち込みのリズムとギターの音色が幻想的な音を作り出す「Oshiete」などなど。
かと思えば、「Magic View」や「わからない」など、ピアノ主体で、CHARAの歌とメロディーを十二分に生かした曲も多く、わずか7曲というミニアルバムながらも、CHARAというミュージシャンの魅力を、様々な側面から切り取ったアルバムのように感じました。
確かに、CHARAというミュージシャンでイメージされるスタイルで、このアルバムに足りないのは、ガーリッシュでポップな側面。それは、前作「Dark Candy」で表現した世界であって、まさに前作とあわせて2枚でCHARAというミュージシャンを表現した、ということなのでしょうか?
個人的に、ここ数作のCHARAのアルバムの中では、一番気に入った作品。シューゲイザーちっくなギターロックや、CHARAのボーカルを存分に聴かせるピアノバラードが気に入ったという部分が大きいのですが・・・。デビューから20年、まだまだ全く衰えを感じさせない彼女。これからも、まだまだたくさんの名曲を世に送り出してくれそうです。
評価:★★★★★
CHARA 過去の作品
honey
kiss
CAROL
Very Special
Dark Candy
ほかに聴いたアルバム
HOW CRAZY YOUR LOVE/YUI
学生の気持ちを素直に歌ったような歌詞が、いかにも若者向けといった感じ。ただ、どこかステレオタイプという印象があって、彼女の心からの叫びというよりも、どこか「歌わされている」感が否めないんだよなぁ・・・。アップテンポで爽快な、ポップスロックのスタイルはいつも通り。メロディーの面で勢いが出てきたかな、と思った前作に比べると、勢いは引っ込んでしまった感も。
評価:★★★
YUI 過去の作品
I LOVED YESTERDAY
HOLIDAYS IN THE SUN
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