いまでも第一線
Title:つボイノリオ ゴールデン☆ベスト
Musician:つボイノリオ
名古屋が誇る、コミックミュージシャン、つボイノリオのベストアルバムが発売されました。
つボイノリオといえば、いわゆる「ぎなた読み」を利用した歌詞が、衝撃的(?)だった「金太の大冒険」や、名古屋愛を大いに歌い、ネット上で話題騒然となった「名古屋はええよ!やっとかめ」などが全国的には有名ですが、他にも名曲珍曲よりどりみどり!抱腹絶倒のベスト盤です!
内容的には、1976年にリリースされた、彼唯一のオリジナルアルバム「ジョーズ・ヘタ」の曲がそのまま収録されており、それに続く形で、オリジナルアルバム未収録のシングル曲や、1996年にリリースされたベスト盤「あっ超ー」収録曲が並んでいる構成になっています。
「ジョーズ・ヘタ」収録の序盤の曲に関しては、さすがに時代を感じさせる曲もあるものの、浪曲やら歌謡曲やら、当時はやりのフォークソングやらの要素をたくみに取り込んだ音楽は、しっかりと耳に残るインパクトもあり、ミュージシャンとしての実力も感じさせます。
ご存知「金太の大冒険」と同じ手法を用いた「極付けお万の方」や「吉田松陰物語」は、ネタとしては馬鹿馬鹿しいのですが(笑)、よくこう同じネタで考えて、それなりに物語的に仕上げてきているなぁ、と、感心しながらも、やはり爆笑してしまいます。
2枚目には、2000年代になってからの曲も収録されているのですが、2000年代になっても、はっきりいって、全く変わっていません(笑)。インカ帝国の初代国王マンコ・カパックの物語を読み込んだ壮大な「インカ帝国の成立」や、愛・地球博にあわせ、世界の地名を歌に読み込んだ「世界の国からあそこから」など・・・ただ、ユニークなのですが、「金太の大冒険」と比べると、「聴けばすぐわかる!」というよりもユニークさにちょっと説明がいるのが残念・・・。ただ、いまだに笑いを追及する、現役感は、ヒシヒシと感じさせますし、その実力は、全く衰えていないことも感じさせます。
2枚組のベストなのですが、2枚目が、わずか6曲入りで、未収録曲をもっと収録してほしかったなぁ~。あと、新曲が全く収録されていないのも残念。この2点はマイナスポイントかも・・・。
ただ、その点を差し引いても、是非とも聴いて欲しいベストアルバム。壺にはまる人は、はまりまくる内容だと思います。「コミック・ソング」と馬鹿にするなかれ。どの曲も、よくよく考えられていて、歌詞とメロディー、アレンジもしっかりマッチしていて、曲としても一級品です。
評価:★★★★★
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