ライブを見て、期待していたのですが。
Title:DocumentaLy
Musician:サカナクション
もう、1年以上も前の話になってしまうのですが・・・昨年のサマーソニック。大阪の会場で、はじめて彼らのステージを見ました。サカナクションというバンドは、もちろん以前からアルバムも一通り聴いていたのですが、「ファン」というほどではなかったので、そんなに大きな期待はせず、椅子席で座ってみていたのですが、ライブが進むにつれ、そのテンションの高いステージに惹き込まれ、いつの間にか、ステージ前方に駆け出して、思いっきり踊っていました。
それだけに、サカナクションというバンドの見方が大きく変わり、このニューアルバムも期待を持って聴いてみたのですが・・・
正直言ってしまうと、サマーソニックで感じたような、のめりこんでしまうような魅力は、アルバムからは感じられませんでした。
・・・というと、このアルバムが駄作にように捉えられるかもしれないですね。この新作に関しては、よく出来たアルバムだと思います。サカナクションのファンの方なら文句なく納得のいく内容だったのではないでしょうか?
基本的に、打ち込みをベースとしたダンスサウンドに、ロックのバンドサウンドを融合させたようなアレンジが魅力的。このテンポがよく、かつ、ダイナミックさもあわせもったサウンドは、非常に魅力的だったりします。
メロディーも魅力的。歌謡曲チックな雰囲気を感じられるマイナーコード主体の哀愁あるメロディーが耳に残ります。サビの部分もしっかりと盛り上げていて、インパクトも十分。最近、シングルもベスト10にコンスタントにランクインさせていますが、その理由もわかります。
ただ、それでもちょっと物足りなさを感じてしまったのは、似たような雰囲気の曲が多いところ、シングル曲「アイデンティティ」や「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」を超える局がなかった点あたりでしょうか?特に先行シングルの出来がよかっただけに、アルバムの期待も否応なく高まったのですが、その期待と比べてしまうと・・・という面も大きかったかも。
もっとも、前々作「シンシロ」では、90年代のギターバンドの雰囲気をそのまま引き継いでいて、サカナクションとしての個性が薄い、と感じたのですが、今回のアルバムでは、完全にサカナクションの音を作り出しています。既に、影響を受けたと思われる、90年代のギターバンドの影はほとんどありません。(まあ、ちょっとくるりっぽい曲がないわけではないのですが)
そんな訳で、期待ほどではなかったとはいえ、サカナクションというバンドの実力を感じることは出来るアルバムだったと思います。彼らも、どちらかというとライブバンドなのかなぁ?また、彼らのライブには、足を運んでみたいです。
評価:★★★★
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