ちょっとトゥーマッチ
Title:MYLO XYLOTO
Musician:COLDPLAY
COLDPLAYといえば、前作「Viva La Vida」が彼らのキャリアを大きく前進させた傑作でした。
スケール感の大きなサウンドは、満員の観衆のスタジアムで演奏している彼らを彷彿とさせます。名実共に、イギリスを代表するバンドのアルバム、としてふさわしいアルバムだったと思います。
で、今回の作品も、基本的に「Viva La Vida」を踏襲したアルバムでした。
特に、音数も増えて、全体的にきらびやかさが増した感じのするアルバム。「CHARLIE BROWN」なんかは、まさにそんなスケール感を体現した、今のCOLDPLAYを象徴するような作品のように感じました。
その一方で、ロックバンド然とした「MAJOR MINUS」、アコースティックなサウンドを聴かせる「U.F.O.」、Rihannaをフューチャーした「PRINCESS OF CHINA」など、いままでよりも意欲的に様々なジャンルに挑戦しようとする姿勢も感じられました。
ただ、その結果、少々トゥーマッチな内容になってしまったかなぁ、ということも感じました。
分厚い音になり、スケール感の増した作品は、ちょっとまとまりのなさも感じましたし、全体的にやりたい方向性が多すぎて、アルバムとしてのまとまりも、前作に比べると少々不安定な感は否めません。
そう考えると、傑作だった「Viva La Vida」は、本当に奇跡的なバランス感覚で支えられたアルバムだったんだなぁ、ということをあらためて実感するわけですが・・・
もちろん、「UP WITH THE BIRDS」をはじめとして、美メロを聴かせる曲は本作も健在なわけで、COLDPLAYの魅力は本作も健在。そういう意味で、いいアルバムだとは思うのですが、「Viva La Vida」に続くアルバムとしては、ちょっと物足りなさも感じてしまいます。ちょっと突っ走りすぎちゃっているかなぁ?
評価:★★★★
COLDPLAY過去の作品
Viva La Vida or Death And All His Friends(美しき生命)
Prospekt's March
LeftRightLeftRightLeft
ほかに聴いたアルバム
Wreckorder/Fran Healy
しんみりと美しいメロディーを聴かせるバンドとして一世を風靡したTRAVIS。以前は、COLDPLAYとよく並んで紹介されていたように思うのですが、いつの間にか、差がついてしまったような・・・。そんなTRAVISのボーカリストによるソロアルバムです。哀愁たっぷりの美しいメロディーラインは、やはり本作でも健在。アコースティック主体の作風は、スケール感たっぷりのCOLDPLAYの作品と対比すると、あまりにシンプル。ある意味、TRAVISの延長線上ともいえるのですが、それだけに安心して聴ける作品になっているかも。TRAVISのファンなら素直に気に入りそうな作品です。
評価:★★★★
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