気合の入ったプロジェクト
Title:biophilia
Musician:bjork
bjorkの最新作は、はっきりいって、気合がはいりまくっています。
自然と音楽の融合をテーマとした作品のようで、「曲ごとに音楽理論の要素をひとつ取り上げて、それに呼応する自然界の事象を、詞とサウンドのモチーフとしてセレクト」(ライナーツノートより)したそうで、「Moon」は、反復進行と月周期、「Thunderbolt」ではアルペジオと雷をモチーフとしているそうです。
また、単純にアルバムだけでこの作品を表現するのではなく、iPadでこの音楽の世界を体感できるアプリをリリースしたほか、ライブイベント、さらにはドキュメンタリーを作成し、それら一連のプロジェクトで「biophilia」の世界を表現したそうです。
今回、アルバムを聴いたほか、アプリをダウンロードして、遊んでみました。ただ、残念なことにiPadは持っていないので、代わりにiPhoneで。正直、iPadを前提としているアプリなので、少々遊びにくかったのですが、「biophilia」で表現しようとする世界観を感じることは出来ました。
ただ、アルバムを聴いて、アプリで遊んで、思ったのは、
ちょっとBjork、力入れすぎじゃない??
ということ。
このプロジェクトのため、新しい楽器までつくったという音は、ちょっと無機質な感じがして、アルバムで聴いた時には、少々抵抗感を覚えました。ただ、アプリで遊ぶと、音と世界観がマッチしていて、緻密な美しいフレーズを奏でていることに気がつくのですが・・・。
アルバムを聴いて、アプリで音の世界をより感じて、はじめてこのアルバムの楽曲の良さに触れたような気がします。こういうマルチメディア的な作り方も悪くはないと思うのですが・・・もうちょっとわかりやすさがあってもいいのでは?特にメロディーラインが少々インパクト薄な点が、この作品をちょっと難解にしてしまったような気がします。
あと、ちょっと残念なのは、iPadのアプリが、アプリ自体は無料なのですが、音楽を楽しむためには、楽曲のアドインを有料でダウンロードする必要がある点。まあ、有料なのは仕方ないのですが、アルバム購入者も、アドインを購入しなくてはいけないのがちょっと・・・。アルバムとリンクして、アルバム購入者はアドインをダウンロードしなくても曲を楽しめるなどの工夫が欲しかったなぁ。
そんな訳で、アルバムだけ聴いた人で、iPad/iPhoneを持っている方は、是非、アプリのダウンロードを。アプリには、楽曲の詳しい解説もあったのですが、そちらはまだ英語ということもあって(笑)読んでいません。この解説を読めば、もっとアルバムの意図が理解できるのかな?
ある意味、アルバムの世界を楽しむんだ、と意気込んで聴かないと、物足りなさを感じてしまうかも。そういうアルバムも「アリ」かもしれないのですが、やはりポップスは、気軽に聴いても最低限楽しめるような作りにしてほしいかなぁ。
評価:★★★★
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