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2011年11月27日 (日)

自由なパフォーマンス

神聖かまってちゃん 26才の夏休みツアー

会場:Zepp Nagoya 日時:2011年11月20日(日)18:00~

一度、この目で見ておかなくてはいけない!・・・と思っていた神聖かまってちゃんのワンマンライブに出かけてきました!非常に今という時代に沿ったバンドであって、かつ、いつ終わるとも知れない危うさを持っていたバンドなだけに、油断すると、すぐ消えてしまうかも、という印象を持っているので、見るのなら、今のうち!ということで、初ワンマンライブ、出かけてきました。

で、感想なのですが・・・一言で言うと、非常に自由度の高いパフォーマンスだったなぁ、ということでしょうか?「自由なパフォーマンスで、伸び伸びと彼ららしいステージが見れた」というポジティブな評価と、「勝手気ままな、内輪的なステージ」というネガティヴな評価で、見た人の感想も分かれそうな・・・ある意味、どう評価すればいいのか、難しいライブ、だったかもしれません。

この日は6時ちょうどにまずスタッフがステージ中央へ。ライブを見る際の諸注意がアナウンスされた後、の子を除く3人が登場。の子があらわれるまで、MC(というよりもおしゃべり)で場をつなぎ、約10分後、ようやくの子がステージにあらわれました。

その後のステージも、1曲演奏するごとにMCが入り、グダグダになりながら、次の曲に進むという展開。そのMCも、の子が客に悪態をついたり、あるいは、メンバーに(というか、mono)悪態をついたりしながら進んでいきます。

の子は、セットリストのカンペを、堂々と持ち上げてみながら、ライブを進めていますし、monoなんか、ライブの途中でトイレに駆け出していって、帰ってきて、の子に激怒されていたり・・・。自由な雰囲気でライブを進めるミュージシャンは、別に彼らだけではないですが、でも、これほど勝手きままなステージは、はじめて見ました(^^;;

自由といえば、セットリストも勝手きわまりない、と言えるかもしれません。普通、レコ発ライブなんですから、最新アルバム「8月32日へ」の曲をメインに構成されているのですが、セットリストは全く最新アルバムとは関係なし。過去の曲から最新ナンバーまで、入り乱れての曲順にも、彼ららしさを感じました。

この日は「美ちなる方へ」からスタートし、続いては「あるてぃめっとレイザー!」へ。「あるてぃめっとレイザー!」の後には、いきなりの子がちんちんを出すという、暴走パフォーマンスを見せてくれちゃっています。

その後は「僕は頑張るよっ」や「グロい花」なんてアルバムからの曲もそれなりに披露しつつ、正直、彼らの配信などを詳しくチェックしている訳ではないので、はじめて聴く曲もたくさんありました(^^;;

後半になると、さらにグダグダになって、時間を延ばしてライブを続けようとするの子を、ちばぎんが「あと○曲!」なんてカウントダウンをはじめて、強引にライブの時間を守らせようとするシーンなんかも見受けられて、グダグダ感はさらに増していきます。

ただ、そんな中で、一番歓声があがったのが、終盤に披露してくれた「ロックンロールは鳴り止まないっ」でしょう。なんだかんだいっても、デビューアルバム「友だちを殺してまで。」の代表曲のこの曲が、一番人気なんですね。

さらに終盤では、の子がさらに暴走気味に、持っているギターをたたきつけて壊そうとするパフォーマンスも。これは、途中、スタッフが必死に止めていました。

本編は「いかれたNEET」で終了し、メンバーが去っていって、アンコール終了・・・と思ったら、の子はステージにそのまま残り、1人でギターを弾き語りながら「26才の夏休み」を歌い始めます。途中から、ようやく(あわてて?)メンバーが戻ってきて、演奏をスタートし、なんかよくわからないまま、アンコールに突入しました。

アンコールがはじまったかと思えば、今度はメンバーが一人ひとり、客席にダイブ!ただでさえ時間が押している(らしい)のに、ちっともライブが進みません(笑)。それなのに、の子は、「(もっと曲を)やれ!」コールを観客にさせて、無理やりライブを伸ばそうとしていたり。

結局、最終的に、プラス2曲演奏する許可が出たそうで、最後は「ちりとり」と「夕方のピアノ」で締めくくり、そしてなんと最後は、の子がおもむろに服を脱ぎだして全裸に!(笑)キーボードの上に仁王立ちになるのを、スタッフが必死で大切な部分を隠していて、最後は、スタッフに担がれて、強制退場となりました。なんか、最後までグタグタ(笑)。ライブは、2時間40分以上という長丁場で、その幕を閉じました。

「グダグダ」という言葉でステージを表現していましたが、グダグダだったのは、曲の間のパフォーマンスのみ。肝心の演奏に関しては、正直言って、思っていたよりもよかったです。特に「あるてぃめっとレイザー!」などは、かなりハードな演奏を聴かせてくれ、ロックバンドとしてのカッコよさもチラリ。確かに、バンド演奏だけでリスナーを圧巻させる・・・だけの演奏ではなく、決して上手い演奏ではなかったものの、それなりに聴かせるパフォーマンスを見ることが出来ました。特に、みさこのドラムが、華奢な身体からは似使わないような力強い演奏を聴かせてくれ、やはり女の子のドラムって、カッコいいなぁ、と思ってしまいました(笑)。

ただ、正直なところ、楽曲自体よりも、その間のパフォーマンスやMCが印象に残るライブでした。いや、正確にいえば、楽曲を含むライブ全体が印象に残って、個々の曲自体に関しての印象は薄かったかなぁ。

また、最初に書いた通り、彼ららしくもあり、一歩間違えれば、内輪的な雰囲気もあり、どうにも評価の難しいライブだったと思います。ただ、私個人の感想としては、何のルールにも縛られず、自由きままに自分たちを表現したステージだった、とポジティブに捉えています。

特に、の子の楽器を壊すパフォーマンスにしても、全裸になるパフォーマンスにしても、決して真新しいものではありません。むしろ、やりつくされた感すらあります。ただ、いままでのミュージシャンが、いわば権力に対する反発を、自分たちの怒りで表現した結果のパフォーマンスだったのに対して、彼らのパフォーマンスは、権力に対する反発というものは感じられません。ただただ、自分たちがやりたかったからやっただけ。何も縛られず、どんな素人でも、ありのままの姿を世界に配信できる、ネットという媒体から出てきた彼ららしいステージだったと思います。

ちなみに、この日はライブ中継がネット上で配信していたらしく、カメラをつけたパソコンが持ったスタッフがステージ上で彼らを撮影していた姿が、非常に不思議な光景でした。途中、の子はパソコンを取り上げて、動画に対するコメントに反応していましたし。

そんな訳で、決して万人に薦められるステージだとは思いません。ただ、彼らのステージを見れてよかったなぁ、ということを思いながら会場を後にしました。良くも悪くも非常に印象深いライブだったと思います。今度の彼らがどうなるのか、今の段階ではわかりません。ただ、彼らが活動を続ける限りは、これからも目が離せないのは間違いないでしょう。また、機会があれば、彼らのライブをまた見てみたいです。

 

蛇足。

この日の客の入り。ほぼ満員に近かったものの、後ろの方はそれなりにスペースが開いていて、余裕を持ってライブを見ることが出来ました。ただ、オリコンアルバムチャートでベスト10入りできるレベルのバンドが、Zepp Nagoyaをソールドアウトできないとは・・・。かまってちゃん云々以前に、ヒットチャートの水準が落ちちゃっているってことなのかなぁ・・・なんてことを思ってしまいました。

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