さらに大きく成長!
Title:homely
Musician:OGRE YOU ASSHOLE
OGRE YOU ASSHOLEの新作が、すごいことになっています!
いままでのOGRE YOU ASSHOLEは、独特の個性が前面に押し出されていて、ワン・アンド・オンリー的なインディーギターロックバンドとして注目をしていたのですが、今回の新作では、それがさらに一歩深化したような印象を強く受けました。
音数を絞ったシンプルな音づくり、という意味では、前作「浮かれている人」の延長線とも取れるかもしれません。例えば「フェンスのある家」では、どこかパーカッションがアフロビートの匂いがしたり、「ライフワーク」でも、ギターが妙にファンキーだったりと、微妙に感じるブラック・ミュージックテイストも前作から引き続き。このリズム感が、癖になったりします。
そんな中で、ひとつ大きな特徴に感じたのは、今回のアルバムで、ホーンセッションを取り入れたこと。ある意味、ギターバンドとしてタイトなサウンドを作ってきたバンドが、ホーンセッションを取り入れるというのは大きな冒険だったかもしれません。ただ、それによって、グッと音の世界が広がったように思いました。
ホーンセッションを入れることによって、サウンドがトゥー・マッチになってしまうケースは少なくないのですが、、このアルバムの中で鳴り響く音はシンプルながらも実に効果的。「フェンスのある家」では、フリージャズな雰囲気を曲に与えていますし、「ふたつの段階」のフリーキーなサックスも、シンプルながらも、はっきりとした主張が感じられます。
一方で、どこか人なつっこさも感じられるポップなメロも相変わらず。確かに、明確なフックがあったりする訳ではないものの、シンプルなメロは、おそらく多くの人が、素直に「ポップだ」と感じられるものではないでしょうか?特に最後の「羊と人」は、フュージョンテイストのサックスも聴きやすく、爽やかなポップに仕上がっています。
あえて言えば、寓話的な歌詞は相変わらずだったものの、一度聴いて「え?」と惹き付けられるような、インパクトのある歌詞の一節がなかったのはちょっと残念だったかな?ただ、そこらへんを差し引いても、間違いなく彼らが階段を大きく一歩昇った、最高傑作だったと思います。なんか、最近続いてるのですが、こちらも本年度の年間ベスト級の傑作!OGRE YOU ASSHOLE、ますますおもしろくなっていくバンドです。
評価:★★★★★
OGRE YOU ASSHOLE 過去の作品
しらないあいずしらせる子
フォグランプ
浮かれている人
ほかに聴いたアルバム
YOKOHAMA LAUGHTER/サイプレス上野とロベルト吉野
前作「WONDER WHEEL」と同様、「これは!」といった感じの衝撃みたいなものはないものの、いい意味での安定感があって、バラエティー豊かなラップチューンを聴かせてくれるのは相変わらず。「BUMP」や「しゅばばばJAPAN」はいい意味でのヒットポテンシャルも感じあれるポップなナンバー。クレイジーケンバンドの「空っぽの街角」のREMIXも、アルバムの中のちょうどよいインパクトに。わずか8曲入りという、事実上のミニアルバムなのが、ちょっと物足りないというか、本領発揮する前に終わってしまっている印象も。評価:★★★★
サイプレス上野とロベルト吉野 過去の作品
WONDER WHEEL
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