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2011年11月

2011年11月30日 (水)

紅白出演者決定

年末の紅白歌合戦の出場者が発表されたみたいですね。

個人的には、やはり注目は椎名林檎と、猪苗代湖ズなんですが・・・なんというか、ワクワク感はないよなぁ。とはいえ、多分、年末は紅白を見ているんでしょうね。単純に音楽が好きというのもあるのですが、BGM感覚で、あまり力を入れずに、お目当ての歌手じゃなければ、風呂に入ったり、本を読んだりしながら、気楽に見られるという意味で、お気軽にチャンネルをあわせておけるので。

ただ、何のヒットもないのに、平原綾香やら、夏川りみやら、秋川雅史やらが出場を決めているのがビックリ。ポップス歌手なのに(秋川雅史は違うか)、演歌と同じ枠に入りつつあるみたいですね。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

新譜ラッシュとなった今週のチャート。今週はなんと全曲初登場。先週、苛烈な1位争いに終始した2曲が、いずれもベスト10から消える・・・という状況になっています。

最初のメール タイプA初回盤 【初回生産限定】

まず1位獲得は、またもやAKB48の派生ユニットフレンチ・キッス「最初のメール」が獲得。下手すれば80年代的な風味も感じられる、王道のアイドルチューン。初動売上13万3千枚は、前作「カッコ悪いI love you」の11万2千枚からアップです。

2位はEXILE「あなたへ」。これから寒い冬へ向けてのバラードナンバー。先々週の着うたチャートでは1位でしたが、シングルでは初動売上11万9千枚で2位どまり。前作「Rising Sun」の初動20万1千枚から大きくダウンしたのは、1月1日発売予定のアルバム「EXILE JAPAN」からの先行シングルだった影響でしょう。同じくアルバムからの先行シングルだった、前々作「Each Other's Way ~旅の途中~」が初動10万1千枚だったので、アルバム先行シングルの初動売上としては、上々でしょう。

3位は、自分たちが実際には演奏していない「エアーバンド」として活動している、ヴィジュアル系バンドゴールデンボンバー「酔わせてモヒート」がランクイン。自身、初のベスト3入りで、初動売上も、前作「女々しくて」の3万8千枚から大きくアップの5万1千枚。まだまだ人気を伸ばしています。ただ、曲は、普通の歌謡ロックといった感じで、いまひとつ特徴を感じられないのですが・・・。今後、どれだけ話題性を曲に転化していけるかが、鍵になりそうな。

4位には、aiko「ずっと」がランクイン。フジテレビ系ドラマ「蜜の味~A Taste Of Honey~」主題歌。ひねりのあるメロディーが実にaikoらしい楽曲。ただ、初動売上4万6千枚は、前作「恋のスーパーボール」の7万2千枚から大きくダウン。タイアップ効果は、あまりなかった模様です。

5位初登場がLiSA「oath sign」。先週の着うたチャートで6位に入ってきましたが、シングルチャートでもランクイン。アニメ「Fate/Zero」オープニングテーマで、着うたチャートでも紹介しましたが、テレビアニメ「Angel Beats」の劇中バンドGirls Dead Monsterのボーカル役としてデビューした女性シンガーの、自身名義での初となるシングルです。

6位には、タッキー&翼「Heartful Voice」がランクイン。初動売上は4万2千枚。ジャニーズ系としてはかなり寂しい初動売上ですが、前々作「愛はタカラモノ」の6万9千枚から、3万5千枚に初動売上が大幅減となった前作「Journey Journey~ボクラノミライ~」からは持ち直しました。

7位には、アイドルグループももいろクローバーZ「労働讃歌」がランクイン。作曲が、イギリスのロックバンドThe Go!Teamのイアン・パートンが作曲を手がけたことでも話題になった楽曲で、リスナーを煽るようなサウンドが印象的。初動売上3万9千枚は、2枚同時発売だった前作のうち、初動が高かった「Z伝説~終わりなき革命~」の1万3千枚を大きく上回っています。

8位初登場は、ポルノグラフィティ「ゆきのいろ」。タイトル通り、これからの冬の季節に向けてのバラードナンバー。初動3万1千枚は、「ワンモアタイム」の3万6千枚よりダウン。前々作「EXIT」はドラマタイアップがついていたため、初動売上が上回ったのですが、その他のシングルについては、初動売上が減少傾向なのが気にかかります。

9位には、いきものがかり「歩いていこう」がランクイン。TBS系ドラマ「ランナウェイ~愛する君のために」主題歌なのですが、PVがユニーク。架空の映画予告スタイルをとっていて、PVの中に映画の出演者のセリフが入っていて、ひとつのドラマになっています。PVの中で、曲にセリフをかぶせる手法って、やはりYou Tubeなどの動画サイトにPVがアップされても、音声の部分だけ抽出されて、事実上、無料で音源をダウンロードされることを防ぐため、でしょうか?そうだとしたら上手い手法だと思うのですが・・・ただ、このPV、残念ながら、無料の動画サイトにはアップされていない模様・・・。

ドラマタイアップという好タイアップだったのですが、初動売上は3万枚。前作「笑ってたいんだ」の3万2千枚よりダウン。ここ数作、3万6千枚→3万2千枚→3万枚と減少傾向が続いているのが気になります。

最後、10位には動画サイトから人気を博したsupercell「My Dearest」がランクイン。フジテレビ系アニメ「ギルティクラウン」主題歌。楽曲は、女性ボーカルが歌い上げる、壮大な雰囲気の楽曲で、あまりアニソンっぽい雰囲気はありません。初動売上2万8千枚は、前作「うたかた花火」の2万枚から大きくアップ。ここ2作ほど、初動売上が足踏み気味だったのですが、本作では、一気に初動売上をあげてきました。

初登場が多く、全体的に売上水準も高めだった今週のシングルチャート。ドラマ主題歌も多かったのですが・・・ただ、aikoにいきものがかりに、ドラマ主題歌のタイアップ効果がほとんどあらわれていないのが気にかかるところです・・・。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2011年11月29日 (火)

マニックスの歩み

Title:NATIONAL TREASURES-THE COMPLETE SINGLES
Musician:MANIC STREET PREACHERS

ナショナル・トレジャーズ

イギリスの人気ロックバンド、MANIC STREET PREACHERSの、シングルを集めたベストアルバム。もっとも、「THE COMPLETE SINGLES」と銘打っていますが、「MOTOWN JUNK」以前のインディーズでリリースしたシングルは未収録となっているようです。

マニックスといえば、デビュー当初、「30曲入りの2枚組みアルバムを発表し、それで世界ナンバーワンを獲得して解散する」と表明したり、インタビューに対して、リッチーが、腕に「4 REAL」と刻んで大怪我をしたりと、パンキッシュな話題が多いバンドでした。ただ、彼らも既にデビューから20年近くが経ち、リッチーの失踪など、悲しいニュースもあったものの、今なお、高い人気を得ながら、コンスタントに良作を発表しています。

このアルバムでは、彼らのシングルが発売順に並んでいて、そんな彼らの歩みを、概観的に知ることが出来ます。

デビュー時の彼らの曲を今から聴くと、そのパンキッシュで荒々しいバンドサウンドに、ちょっと驚かされます。いや、今でも確かに、ハードなギターロックを聴かせてくれるのですが、当時の曲は、もっとガレージテイストが強く、デビュー直後のパンキッシュなエピソードとも合致するような楽曲と言えるでしょう。

そこに、ストリングスやピアノの音が入ってきて、もっとやわらかく、曲のスケール感も増してきたのが「MOTORCYCLE EMPTINESS」頃からでしょうか。もっとも、この曲も発表されたのは1992年と、デビュー後1年程度あと。そういう意味では、マニックスの今のスタイルは、比較的早い段階で確立されていたんだなぁ、ということがわかりました。

さらに、最近の曲になれば、さらにスケール感も増して、彼らのスタイルが、さらに確立されるわけですが、ただもっとも、反骨心のある歌詞は、デビュー当初から一貫しています。

個人的には、デビューから10年後の作品ながらも、デビュー当初のようなパンキッシュな色合いが強く出た「FOUND THAT SOUL」あたりの曲が一番好きかなぁ。中堅バンドとしての安定感と、まだなお若々しさを感じさせる、勢いあるサウンドが、たまりません。

「NATIONAL TREASURES」=「国宝」というタイトルも、彼らなりの皮肉なのかもしれません。ただ、デビュー後20年近くたっても、いまだにイギリスでは、アルバムをベスト3入りさせてくる彼らは、まさにイギリスにとって国宝級、と言ってしまっても過言ではないかも。

ハードなギターロックサウンドながらも、ポップで耳なじみあるメロディーを聴かせてくれる楽曲は、日本人にとってもなじみやすいはず。日本での順位は、デビューアルバム「Generation Terrorists」の20位が最高のようですが、いまさらながら、もっと売れてもいいバンドだと思うのですが・・・。

ちなみに、「日本」といえば、「TSUNAMI」という曲があったり(今となっては「・・・」なのですが)、「OCEAN SPRAY」では、いきなり日本語からスタートしていたりと、日本人にとっても、妙に接点のある彼ら。これからも、まだまだ名曲をたくさん聴かせてくれそう。まだ、彼らの曲を聴いたことない方、とりあえず、このベスト盤からどうでしょうか?ギターロック好きには、手放しでお勧めできる1枚です。

評価:★★★★★

MANIC STREET PREACHERS 過去の作品
Journal For Plague Lovers
POSTCARDS FROM A YOUNG MAN


ほかに聴いたアルバム

Doo-Wops&Hooligans/Bruno Mars

Doo-Wops and Hooligans (Bonus Track)

シングル「Just The Way You Are」が、大ヒットを記録し、一躍注目を集めたアメリカの男性シンガーによるデビューアルバム。1曲目「Grenade」が、最近はやりのK-POPみたい?で、ちょっと平凡かなぁ、と思ったのですが、その後は、メロディアスなメロディーラインをベースに、「Runaway Baby」のようなミクスチャーロック風の曲や、「Talking To The Moon」のような、壮大なピアノバラードや、Damian Marleyを迎えた「Liquor Store Blues」のようなレゲエナンバーなど、意外な懐の深さも。ただ、全体的には、メロウなボーカルを聴かせるナンバーは、いかにも売れ線といった感じで、安心して聴ける反面、もう一歩の刺激が欲しかったかも。

評価:★★★★

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2011年11月28日 (月)

アフロビートの今

Title:FROM AFRICA WITH FURY:RISE
Musician:SEUN ANIKULAPO KUTI&EGYPT80

怒りのアフリカより:RISE

フェラ・クティの末息子、シェウン・クティによるニューアルバム。フェラ・クティは、アフロビートの創始者と言われるナイジェリアのミュージシャンで、数多くのミュージシャンに影響を与えました。最近では、彼の生涯を描いたミュージカル「FELA!」がアメリカで話題となり、あのビヨンセの最新アルバム「4」でも、フェラ・クティの影響を強く受けたそうです。

そんなフェラ・クティを支えたバンドEGYPT80を率いてのアルバム。シェウン・クティは2009年のフジロックに来日したほか、今年の朝霧JAMにも来日し、多くのリスナーを興奮の渦に巻き込んだそうです・・・いいなぁ・・・(笑)。

シェウン・クティのアルバムを聴くのは今回がはじめて。基本的に、テンポがよい、ミニマルテイストなアフロ・ビートを刻み、そこに、ロックやらジャズやらラテンやらの要素が入るというのは、大筋、父親、フェラ・クティの進んだ道を歩んでいるように感じます。

ただ、楽曲は、フェラ・クティより、いい意味で洗練されているなぁ、というか、現代的だなぁ、という印象を受けました。今回のアルバム、ブライアン・イーノがプロデュースについているそうなのですが、そのため、妙に垢抜けているのように感じます。特にギターの音。例えば「You Can Run」「Rise」で聴こえるギターの音はとても端整で、都会的にすら感じます。

メロディーもインパクトがあるし、パワフルなボーカルも、耳に残ります。いい意味で、人なつっこい感じがして、非常に聴きやすいアルバム、彼の作り出すリズムに、すぐにでもはまれるようなポップなアルバムになっていたように思いました。もちろん、だからといって軽くなった、とか、薄くなった、とかではなく、アフリカの大地を思わせる、熱狂的なリズムやサウンドは、このアルバムでもちゃんと、身体の奥に伝わってくるものがありました。

父親の残したものをちゃんと引き継ぎつつ、自分の音に仕上げている、ある意味、理想的な作品かもしれません。ただ、そんな難しいこと抜きにして、素直に熱烈なビートにはまれるアルバムだったと思います。朝霧、気持ちよかったんだろうなぁ~。

評価:★★★★★

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2011年11月27日 (日)

自由なパフォーマンス

神聖かまってちゃん 26才の夏休みツアー

会場:Zepp Nagoya 日時:2011年11月20日(日)18:00~

一度、この目で見ておかなくてはいけない!・・・と思っていた神聖かまってちゃんのワンマンライブに出かけてきました!非常に今という時代に沿ったバンドであって、かつ、いつ終わるとも知れない危うさを持っていたバンドなだけに、油断すると、すぐ消えてしまうかも、という印象を持っているので、見るのなら、今のうち!ということで、初ワンマンライブ、出かけてきました。

で、感想なのですが・・・一言で言うと、非常に自由度の高いパフォーマンスだったなぁ、ということでしょうか?「自由なパフォーマンスで、伸び伸びと彼ららしいステージが見れた」というポジティブな評価と、「勝手気ままな、内輪的なステージ」というネガティヴな評価で、見た人の感想も分かれそうな・・・ある意味、どう評価すればいいのか、難しいライブ、だったかもしれません。

この日は6時ちょうどにまずスタッフがステージ中央へ。ライブを見る際の諸注意がアナウンスされた後、の子を除く3人が登場。の子があらわれるまで、MC(というよりもおしゃべり)で場をつなぎ、約10分後、ようやくの子がステージにあらわれました。

その後のステージも、1曲演奏するごとにMCが入り、グダグダになりながら、次の曲に進むという展開。そのMCも、の子が客に悪態をついたり、あるいは、メンバーに(というか、mono)悪態をついたりしながら進んでいきます。

の子は、セットリストのカンペを、堂々と持ち上げてみながら、ライブを進めていますし、monoなんか、ライブの途中でトイレに駆け出していって、帰ってきて、の子に激怒されていたり・・・。自由な雰囲気でライブを進めるミュージシャンは、別に彼らだけではないですが、でも、これほど勝手きままなステージは、はじめて見ました(^^;;

自由といえば、セットリストも勝手きわまりない、と言えるかもしれません。普通、レコ発ライブなんですから、最新アルバム「8月32日へ」の曲をメインに構成されているのですが、セットリストは全く最新アルバムとは関係なし。過去の曲から最新ナンバーまで、入り乱れての曲順にも、彼ららしさを感じました。

この日は「美ちなる方へ」からスタートし、続いては「あるてぃめっとレイザー!」へ。「あるてぃめっとレイザー!」の後には、いきなりの子がちんちんを出すという、暴走パフォーマンスを見せてくれちゃっています。

その後は「僕は頑張るよっ」や「グロい花」なんてアルバムからの曲もそれなりに披露しつつ、正直、彼らの配信などを詳しくチェックしている訳ではないので、はじめて聴く曲もたくさんありました(^^;;

後半になると、さらにグダグダになって、時間を延ばしてライブを続けようとするの子を、ちばぎんが「あと○曲!」なんてカウントダウンをはじめて、強引にライブの時間を守らせようとするシーンなんかも見受けられて、グダグダ感はさらに増していきます。

ただ、そんな中で、一番歓声があがったのが、終盤に披露してくれた「ロックンロールは鳴り止まないっ」でしょう。なんだかんだいっても、デビューアルバム「友だちを殺してまで。」の代表曲のこの曲が、一番人気なんですね。

さらに終盤では、の子がさらに暴走気味に、持っているギターをたたきつけて壊そうとするパフォーマンスも。これは、途中、スタッフが必死に止めていました。

本編は「いかれたNEET」で終了し、メンバーが去っていって、アンコール終了・・・と思ったら、の子はステージにそのまま残り、1人でギターを弾き語りながら「26才の夏休み」を歌い始めます。途中から、ようやく(あわてて?)メンバーが戻ってきて、演奏をスタートし、なんかよくわからないまま、アンコールに突入しました。

アンコールがはじまったかと思えば、今度はメンバーが一人ひとり、客席にダイブ!ただでさえ時間が押している(らしい)のに、ちっともライブが進みません(笑)。それなのに、の子は、「(もっと曲を)やれ!」コールを観客にさせて、無理やりライブを伸ばそうとしていたり。

結局、最終的に、プラス2曲演奏する許可が出たそうで、最後は「ちりとり」と「夕方のピアノ」で締めくくり、そしてなんと最後は、の子がおもむろに服を脱ぎだして全裸に!(笑)キーボードの上に仁王立ちになるのを、スタッフが必死で大切な部分を隠していて、最後は、スタッフに担がれて、強制退場となりました。なんか、最後までグタグタ(笑)。ライブは、2時間40分以上という長丁場で、その幕を閉じました。

「グダグダ」という言葉でステージを表現していましたが、グダグダだったのは、曲の間のパフォーマンスのみ。肝心の演奏に関しては、正直言って、思っていたよりもよかったです。特に「あるてぃめっとレイザー!」などは、かなりハードな演奏を聴かせてくれ、ロックバンドとしてのカッコよさもチラリ。確かに、バンド演奏だけでリスナーを圧巻させる・・・だけの演奏ではなく、決して上手い演奏ではなかったものの、それなりに聴かせるパフォーマンスを見ることが出来ました。特に、みさこのドラムが、華奢な身体からは似使わないような力強い演奏を聴かせてくれ、やはり女の子のドラムって、カッコいいなぁ、と思ってしまいました(笑)。

ただ、正直なところ、楽曲自体よりも、その間のパフォーマンスやMCが印象に残るライブでした。いや、正確にいえば、楽曲を含むライブ全体が印象に残って、個々の曲自体に関しての印象は薄かったかなぁ。

また、最初に書いた通り、彼ららしくもあり、一歩間違えれば、内輪的な雰囲気もあり、どうにも評価の難しいライブだったと思います。ただ、私個人の感想としては、何のルールにも縛られず、自由きままに自分たちを表現したステージだった、とポジティブに捉えています。

特に、の子の楽器を壊すパフォーマンスにしても、全裸になるパフォーマンスにしても、決して真新しいものではありません。むしろ、やりつくされた感すらあります。ただ、いままでのミュージシャンが、いわば権力に対する反発を、自分たちの怒りで表現した結果のパフォーマンスだったのに対して、彼らのパフォーマンスは、権力に対する反発というものは感じられません。ただただ、自分たちがやりたかったからやっただけ。何も縛られず、どんな素人でも、ありのままの姿を世界に配信できる、ネットという媒体から出てきた彼ららしいステージだったと思います。

ちなみに、この日はライブ中継がネット上で配信していたらしく、カメラをつけたパソコンが持ったスタッフがステージ上で彼らを撮影していた姿が、非常に不思議な光景でした。途中、の子はパソコンを取り上げて、動画に対するコメントに反応していましたし。

そんな訳で、決して万人に薦められるステージだとは思いません。ただ、彼らのステージを見れてよかったなぁ、ということを思いながら会場を後にしました。良くも悪くも非常に印象深いライブだったと思います。今度の彼らがどうなるのか、今の段階ではわかりません。ただ、彼らが活動を続ける限りは、これからも目が離せないのは間違いないでしょう。また、機会があれば、彼らのライブをまた見てみたいです。

 

蛇足。

この日の客の入り。ほぼ満員に近かったものの、後ろの方はそれなりにスペースが開いていて、余裕を持ってライブを見ることが出来ました。ただ、オリコンアルバムチャートでベスト10入りできるレベルのバンドが、Zepp Nagoyaをソールドアウトできないとは・・・。かまってちゃん云々以前に、ヒットチャートの水準が落ちちゃっているってことなのかなぁ・・・なんてことを思ってしまいました。

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2011年11月26日 (土)

統一感のあるアルバム

Title:8EIGHT8
Musician:木村カエラ

8EIGHT8 【通常盤】

結婚・出産を経て、2年4ヶ月ぶりにリリースされた、木村カエラのニューアルバム。

いままで、木村カエラのアルバムといえば、豪華なミュージシャンたちが多数参加し、話題になる、ということがいつものパターンだったのですが、今回のアルバムは、ASPARAGUSの渡邊忍が全曲を作曲・プロデュースしたアルバムになっています。

そのため、いままでのアルバムに比べると、アルバム全体のバランスは、非常によくなっていたものとなっています。

同一人物が作曲を手がけたとはいえ、それなりにバリエーションのある展開になっていて、序盤の「Make my day!」から「8EIGHT8」は、ギターロック。先行シングルにもなっている「Ring a Ding Dong」「A winter fairy is melting a snowman」はかわいらしいポップソングに仕上がっていますし、「ホシノタネ」ではシンセを導入したポップソングを聴かせてくれ、最後の「チョコレート」は、アコースティックなポップチューンで締めくくっています。

統一感を持ちながらも、バリエーションのある展開で飽きさせない点、渡邊忍の実力を感じます。ただ、一方で、サブカル系ミュージシャンたちが彼女をつかって伸び伸びと楽曲を提供できる、いわばサブカル系ミュージシャンたちの「おもちゃ」的な位置付けがなくなり、意外なミュージシャンによるポップソングを聴けるという、意外性は薄れました。

そして、そういう「おもちゃ」的な位置付けがなくなっただけに、もっと木村カエラ本人のボーカリストとしての実力が試された作品だったと思います。そんな中でも、彼女はいい意味でも悪い意味でもいつも通り。明るくかわいらしいボーカルを聴かせてくれています。

それはまた、彼女の良さでもあると思う一方、例えば結婚・出産を経ても、そんな体験が楽曲にはほとんど反映されていませんでしたし、木村カエラならではの個性がちょっと薄かったようにも感じました。

アルバム全体としては良くできたポップスアルバムだと思います。ただ、アルバム全体を1人のミュージシャンに任せ、次の一歩に進もうとしているのですが、ボーカリスト木村カエラが、その一歩をいまひとつ踏み出せていないかなぁ・・・とも感じてしまったアルバムでした。

評価:★★★★

木村カエラ 過去の作品
+1
HOCUS POCUS
5years


ほかに聴いたアルバム

TOXIC/the GazettE

TOXIC

今年のサマソニではじめてステージを見た、the GazettEの新作。以前に比べて、打ち込みを導入したり、より音楽的な幅を増やしてきているような印象を受けます。「RED」あたりは、いかにもヴィジュアル系っぽいメロなのですが、ポップでインパクトもあり、その一方、そのウラではきちんとハードなバンドサウンドを鳴らしています。さらなる成長を感じさせる作品。ちょっと耽美的な、いわばヴィジュアル系っぽい雰囲気は好き嫌いが残りますが、次回作も楽しみになってきます。

評価:★★★★

the GazettE 過去の作品
TRACES BEST OF 2005-2009
DIM

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2011年11月25日 (金)

アルバムもジャニーズ系

今週の着うたチャート

2011年11月16日~2011年11月22日付チャート

シングルチャートでは、ギリギリでベスト10入りだったのですが・・・

LOVE SONG

着うたチャート今週の1位は、FUNKY MONKY BABYS「LOVE SONG」が、先週の5位から4ランクアップで1位獲得です。着うたチャートでは上位の常連だったのですが、前作「ラブレター」は9位に、その前の「それでも信じてる」は10位に終わっただけに、久しぶりのヒットになっています。例のごとく、顔写真アップのジャケットで、今回は優香を起用しています。

2位には、いきものがかり「歩いていこう」が先週の3位からワンランクアップしています。そして3位は初登場、アニソンを中心に歌っている男性シンガーきただにひろし「ウィーゴー!」。フジテレビ系アニメ「ONE PIECE」オープニングテーマで、アゲアゲの、王道アニソンといった感じの元気がでる曲にしあがっています。シングルチャートでは13位止まりだったのですが、着うたチャートでは見事ベスト3入りです。

今週は、他にもアニソンが。6位にアニメ「Fate/Zero」オープニングテーマのLiSA「oath sign」がランクイン。LiSAは、テレビアニメ「Angel Beats」の劇中バンドGirls Dead Monsterのボーカル役としてデビューした女性シンガー。これが、LiSA名義では初となるシングル。マイナーコードベースのテンポのいいハードロックナンバーは、こちらもアニソンの王道路線といった感じ。

他の初登場曲は・・・9位に女性R&BシンガーAI「ハピネス」がランクインしています。12月14日リリース予定のシングルからの先行配信。EMIジャパン第1弾シングルだそうで、コカコーラのCMソングに起用されています。好タイアップなので、ヒットとなるか?

そして10位には、EXILE「Beautiful Life」がランクイン。テレビ朝日系ドラマ「俺の空 刑事編」主題歌で、1月1日にリリースが予定されているEXILEのニューアルバム「EXILE JAPAN/Solo」への収録が予定されています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

シングルチャートでは、ジャニーズ系のSexy Zoneと、AKB48がらみのNot yetが、激しい1位争いを繰り広げ、Sexy Zoneが1位獲得となりましたが、アルバムチャートでもジャニーズ系が1位を獲得しています。

今週の1位は、関ジャニ∞「FIGHT」が1位獲得。初動売上25万3千枚は、前作「8UPPERS」の23万1千枚より若干アップしています。

2位には、T.M.Revolutionのミニアルバム「宴-UTAGE-」がランクイン。T.M.R.15周年と、カプコンのゲーム「戦国BASARA」5周年を記念したコンピレーションアルバムだそうで、「戦国BASARA」シリーズに提供してきた楽曲を収録したアルバムになっています。初動売上は3万7千枚。オリジナルとしての前作「CLOUD NINE」の4万8千枚は下回っていますが、企画モノなので、まあまあ好セールスといった感じでしょうか。

3位は、吉井和哉のミニアルバム「After The Apple」が入ってきました。今年4月にリリースされたアルバムは「The Apple」でしたが、タイトル通り、それに続く形でリリースされたミニアルバム。初動売上2万5千枚は、その「The Apple」の3万7千枚からダウンしていますが、ミニアルバムなので、この程度のダウンは仕方ないところか?

4位には、中島みゆき「荒野より」がランクインです。タイトル曲「荒野より」は、木村拓哉主演のTBS系ドラマ「南極大陸」の主題歌で、10月にシングルでリリースされています。

中島みゆきといえば、1977年の「わかれうた」から、2003年の「地上の星」まで、70年代80年代90年代2000年代と、4つの10年代にわたってシングルで1位を獲得してきました。「荒野より」も、キムタク主演のドラマ主題歌で、当然1位獲得・・・も期待されましたが、残念ながら1位どころかベスト10入りも出来ず。ドラマもキムタク主演としては苦戦しているみたいで、「地上の星」のようなロングヒットも厳しそう。もっとも、2010年代はまだはじまったばかりなので、まだまだ1位獲得の機会はあると思うのですが。

ちなみに初動売上は2万3千枚。前作「真夜中の動物園」は2万枚だったので、こちらも、さほどドラマタイアップ効果はなかった模様です。

8位には、カナダ出身の4人組ロックバンドNickelback「Here And Now」がランクインです。ニッケルバックといえば、クリードと並んで、世界的には絶大な人気を誇っているのに、日本ではさっぱり、というバンドの代表格というイメージがあったのですが、本作では、見事初のベスト10入りを果たしました。もっとも、初動売上は9千枚で、最高位17位に終わった前作「Dark Horse」は、国内盤が発売された2週目で1万2千枚を売っているので、アルバムチャート全体の水準低下の影響が強いようですが。

9位には、韓国の女性アイドルグループSecretの、日本でのアルバムデビューとなるミニアルバム「Shy Boy」がランクインしています。

さて、今週は、他にベスト10圏外からの初登場が1枚。7位に由紀さおり&ピンク・マルティーニ「1969」がベスト10入りです。ピンク・マルティーニは、90年代にアメリカで結成されたジャズグループで、40年代から60年代までのスタンダードナンバーや映画音楽などを、ラウンジ・ジャズ風に演奏するグループだとか。彼らの3枚目のアルバム「Hey Eugene!」で由紀さおりの「タ・ヤ・タン」をカヴァーしたこともあるそうで、来日時には由紀さおりもゲスト出演するなどの縁もあり、今回のコラボになったそうです。

このアルバムに関しては、ビルボードのジャズチャートで5位に入ったほか、iTunesのアメリカでのジャズチャートで1位になり、他の国のiTunesチャートや各種チャートでも上位に入ってくるなど話題になっています。

・・・ただ、ビルボードって、いろいろなチャートの種類があって、総合チャートで上位ならともかく、ジャズチャートで5位って、果たしてそんなにすごい記録なのでしょうか?iTunesチャートにしても、総合チャートならともかく、各種チャートでは母数も一気に減ってしまいますし、「世界で売れた」「認められた」的な報道は正直かなり疑問。この手の報道って、かなり日本での知名度に応じた恣意的な報道をなされることが多いので、そのまま受け取るのは、注意が必要かと。

今回は、この報道を受けてのランクアップということでしょう。彼女のベスト10入りは、1971年のシングル「生きがい」以来41年ぶりだそうです。もっとも、売れたかどうか、とアルバムの内容は別の話。アルバム自体の評価はもちろん高いみたいで、アイドルやら韓流やらが多い最近のチャートの中で、こういうアルバムが売れたというのは、うれしい話。今後はロングヒットが期待できそうです。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2011年11月24日 (木)

ライブを見て、期待していたのですが。

Title:DocumentaLy
Musician:サカナクション

DocumentaLy(通常盤)CD

もう、1年以上も前の話になってしまうのですが・・・昨年のサマーソニック。大阪の会場で、はじめて彼らのステージを見ました。サカナクションというバンドは、もちろん以前からアルバムも一通り聴いていたのですが、「ファン」というほどではなかったので、そんなに大きな期待はせず、椅子席で座ってみていたのですが、ライブが進むにつれ、そのテンションの高いステージに惹き込まれ、いつの間にか、ステージ前方に駆け出して、思いっきり踊っていました。

それだけに、サカナクションというバンドの見方が大きく変わり、このニューアルバムも期待を持って聴いてみたのですが・・・

正直言ってしまうと、サマーソニックで感じたような、のめりこんでしまうような魅力は、アルバムからは感じられませんでした。

・・・というと、このアルバムが駄作にように捉えられるかもしれないですね。この新作に関しては、よく出来たアルバムだと思います。サカナクションのファンの方なら文句なく納得のいく内容だったのではないでしょうか?

基本的に、打ち込みをベースとしたダンスサウンドに、ロックのバンドサウンドを融合させたようなアレンジが魅力的。このテンポがよく、かつ、ダイナミックさもあわせもったサウンドは、非常に魅力的だったりします。

メロディーも魅力的。歌謡曲チックな雰囲気を感じられるマイナーコード主体の哀愁あるメロディーが耳に残ります。サビの部分もしっかりと盛り上げていて、インパクトも十分。最近、シングルもベスト10にコンスタントにランクインさせていますが、その理由もわかります。

ただ、それでもちょっと物足りなさを感じてしまったのは、似たような雰囲気の曲が多いところ、シングル曲「アイデンティティ」「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」を超える局がなかった点あたりでしょうか?特に先行シングルの出来がよかっただけに、アルバムの期待も否応なく高まったのですが、その期待と比べてしまうと・・・という面も大きかったかも。

もっとも、前々作「シンシロ」では、90年代のギターバンドの雰囲気をそのまま引き継いでいて、サカナクションとしての個性が薄い、と感じたのですが、今回のアルバムでは、完全にサカナクションの音を作り出しています。既に、影響を受けたと思われる、90年代のギターバンドの影はほとんどありません。(まあ、ちょっとくるりっぽい曲がないわけではないのですが)

そんな訳で、期待ほどではなかったとはいえ、サカナクションというバンドの実力を感じることは出来るアルバムだったと思います。彼らも、どちらかというとライブバンドなのかなぁ?また、彼らのライブには、足を運んでみたいです。

評価:★★★★

サカナクション 過去の作品
シンシロ
kikUUiki

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2011年11月23日 (水)

1位獲得競争が話題に

日本シリーズ、福岡ソフトバンクホークス、日本一おめでとうございます。

ドラゴンズは、かなり惜しいところまで行ったのですが、あと一歩、残念でした・・・。落合監督の花道を飾れなかったのは本当に残念です。ただ、あの最強ホークス相手に、(あの貧打線で)互角に戦えたというのは、素晴らしかったと思います。

落合監督退任のニュースは、残念なのですが、その中で、この日刊スポーツの記事には泣けました。

落合監督は涙「悔いはない」

 「8年間、ありがとうな。今、この場に立っているのはみんなのおかげだ。9月で終わっていたかもしれないんだから。この場に立っていることに感謝している。ただ、ここからも下手な野球はやるなよな。でなきゃ、今までやってきた意味がないだろ」

 退任発表以後、沈黙していた指揮官が初めて選手たちに別れを告げた。その目には涙があふれていた。みんなが号泣した。おえつが部屋中に響き渡った。

アンチ落合のマスコミは、以前から散々、「落合は選手に嫌われている」という根拠もない内容を吹聴しまくっていたけど、私の周りの野球ファンは、他球団のファンを含めて、「落合監督は、きっと選手に好かれている」ということを言う人ばかりだったのですが、それを裏付ける内容に、読んでいて思わず胸が熱くなりました。

ちなみに、「迷いや不安が出た時は、どうやって連絡したらいいんですか?」と連絡先を聞いていた若手選手がいたみたいなんですが、こんなことを堂々と聞いちゃいそうなのは、きっと平田りんだと思う・・・。

以上、相変わらずの音楽に関係ない野球ネタですいません(^^;;

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、1位獲得競争が大きな話題となりました。

ジャニーズ系の新ユニットSexy Zoneと、AKB48の派生ユニットNot yetが同日発売となった今週のチャート。Not yetの前作「波乗りかき氷」は初動15万6千枚。ジャニーズ系の新ユニットとしてのデビュー作は、最近では、Hey!Say!JUMPが24万枚、Kit-My-Ft2が31万枚を初動で売り上げており、中山優馬 w/B.I.Shadowも17万枚と、当然、余裕の1位・・・

かと思いきや、デイリーチャートの初日は、Not yetが上を行くという非常事態になり、急遽、握手会を開催し、露骨なファンの複数枚買いを誘導するなど、「ついにジャニーズ系もAKB48商法に手を染めたか」と話題になっています。

ついにジャニーズも「AKB商法」導入 Sexy Zone、オリコン1位の舞台裏

結果、Sexy Zoneの「Sexy Zone」は初動売上17万2千枚、Not yetの「ペラペラペラオ」は17万1千枚。Not yetの側も、Sexy Zoneに対抗して、イベントを急遽立ち上げるなど攻勢をかけ、前作から初動売上を伸ばしたものの、その差、わずか1千枚という僅差でSexy Zoneが1位獲得となりました。

ただ、Sexy Zoneの楽曲の方は、エレクトロ風な分厚いアレンジが目立つものの、メロディー自体はジャニーズ系の曲ではおなじみの馬飼野康二の手によるジャニーズ系の王道路線。Not yetは、こちらも分厚いギターが印象的な、90年代J-POP風のナンバー。作曲板垣祐介は、直近のHey!Say!JUMPのシングルの作曲をしているというのは、ちょっと皮肉ですね。

続く3位は、ヴィジュアル系バンドJanne Da Arcのボーカル、yasuによるソロユニット、Acid Black Cherry「蝶」がランクイン。ちょっとジャジーで、妖艶な雰囲気の曲が印象に残ります。5ヶ月連続リリースの第3弾。初動売上は、第1弾「ピストル」、第2弾「シャングリラ」から、4万9千枚の横バイが続いて、本作も5万枚。完全に固定ファンのみに買われているといった感じ。カップリングは、昔のJ-POPをカバーして話題ですが、本作は久宝留理子の「男」をカバーしています。

4位初登場は、ハロー!プロジェクト モベキマス「ブスにならない哲学」がランクイン。(モ)モーニング娘。・(ベ)Berryz工房・(キ)℃-ute・(マ)真野恵里菜・(ス)スマイレージによるハロプロ勢せいぞろいのユニットだそうで、完全にAKB48を意識しているような・・・。初動売上4万9千枚は、モーニング娘。の直近作「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」とほぼ同水準。Berryz工房と℃-uteのコラボの時のような、上積み効果はなかった模様です。

5位には、avexの男女混合グループAAA「Charge&Go!」がランクインです。本作は、2作ぶりに小室哲哉先生作曲による曲。その影響か、初動売上は、前作「CALL」の3万5千枚からアップの4万8千枚。前々作「No cry No more」の水準に戻しました。ただ、楽曲は、パッと聴いた感じ、あまり小室っぽさは感じなかったのですが。

6位初登場は、GLAY「My Private "Jelousy"」。初登場で5位から落ちたのは、1995年の「生きてく強さ」以来だそうで、初動4万8千枚は、前作「Precious」の6万3千枚より多きくダウンと厳しい結果になりました。ちなみにカップリングでは、エヴァンゲリオンのテーマ曲としておなじみの「残酷な天使のテーゼ」をカバーしており、こちらも話題になっています。

7位には、まだ出たといった感じの(苦笑)韓流系男性アイドルグループINFINITEのデビューシングル「BTD」がランクイン。土曜日発売で集計期間が3日少なかったのですが、ベスト10入りしてきました。来週には、まだ順位をあげそう。楽曲は、ジャニーズ系風のポップソング。

9位10位は、似たようなタイプのグループが並びました。9位はGReeeeN「恋文~ラブレター~」、10位はFUNKY MONKEY BABYS「LOVE SONG」。GReeeeNは映画「アントキノイノキ」主題歌.。どちらもバラードのラブソングで、抽象的な「きれい事」でまとめられているという点も共通しています。GReeeeNは、初動1万7千枚。前作「ソラシド」の1万2千枚からアップし、ようやく下げ止まった感が。FUNKY MONKEY BABYSは初動1万6千枚。こちらは、前作「それでも信じてる」の2万枚からダウンです。

今週は、結局10曲中9曲が初登場の混戦模様のチャートに。相変わらずアイドル系のグループが目立ったのが特徴的でした。その中では、Janne Da ArcのyasuのユニットAcid Black Cherryが、かつて圧倒的な人気を誇ったGLAYを上回ったという点も、印象的です。

シングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に!

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2011年11月22日 (火)

ちょっとトゥーマッチ

Title:MYLO XYLOTO
Musician:COLDPLAY

Mylo Xyloto

COLDPLAYといえば、前作「Viva La Vida」が彼らのキャリアを大きく前進させた傑作でした。

スケール感の大きなサウンドは、満員の観衆のスタジアムで演奏している彼らを彷彿とさせます。名実共に、イギリスを代表するバンドのアルバム、としてふさわしいアルバムだったと思います。

で、今回の作品も、基本的に「Viva La Vida」を踏襲したアルバムでした。

特に、音数も増えて、全体的にきらびやかさが増した感じのするアルバム。「CHARLIE BROWN」なんかは、まさにそんなスケール感を体現した、今のCOLDPLAYを象徴するような作品のように感じました。

その一方で、ロックバンド然とした「MAJOR MINUS」、アコースティックなサウンドを聴かせる「U.F.O.」、Rihannaをフューチャーした「PRINCESS OF CHINA」など、いままでよりも意欲的に様々なジャンルに挑戦しようとする姿勢も感じられました。

ただ、その結果、少々トゥーマッチな内容になってしまったかなぁ、ということも感じました。

分厚い音になり、スケール感の増した作品は、ちょっとまとまりのなさも感じましたし、全体的にやりたい方向性が多すぎて、アルバムとしてのまとまりも、前作に比べると少々不安定な感は否めません。

そう考えると、傑作だった「Viva La Vida」は、本当に奇跡的なバランス感覚で支えられたアルバムだったんだなぁ、ということをあらためて実感するわけですが・・・

もちろん、「UP WITH THE BIRDS」をはじめとして、美メロを聴かせる曲は本作も健在なわけで、COLDPLAYの魅力は本作も健在。そういう意味で、いいアルバムだとは思うのですが、「Viva La Vida」に続くアルバムとしては、ちょっと物足りなさも感じてしまいます。ちょっと突っ走りすぎちゃっているかなぁ?

評価:★★★★

COLDPLAY過去の作品
Viva La Vida or Death And All His Friends(美しき生命)
Prospekt's March
LeftRightLeftRightLeft


ほかに聴いたアルバム

Wreckorder/Fran Healy

Wreckorder

しんみりと美しいメロディーを聴かせるバンドとして一世を風靡したTRAVIS。以前は、COLDPLAYとよく並んで紹介されていたように思うのですが、いつの間にか、差がついてしまったような・・・。そんなTRAVISのボーカリストによるソロアルバムです。

哀愁たっぷりの美しいメロディーラインは、やはり本作でも健在。アコースティック主体の作風は、スケール感たっぷりのCOLDPLAYの作品と対比すると、あまりにシンプル。ある意味、TRAVISの延長線上ともいえるのですが、それだけに安心して聴ける作品になっているかも。TRAVISのファンなら素直に気に入りそうな作品です。

評価:★★★★

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2011年11月21日 (月)

久しぶりに聴いたアルバムでしたが・・・。

Title:荒野/On the Wild Side
Musician:アナログフィッシュ

荒野/On the Wild Side

正直に白状してしまうと・・・アナログフィッシュというバンド、ちょっと忘れかけていました(^^;;

個人的に、「ひねくれ系のギターロックバンド」という括りでアナログフィッシュのことを、フジファブリックやMONOBRIGHTと同じ箱に入れていたのですが、フジファブリックはブレイクし、MONOBRIGHTはヒダカトオル加入で大きな話題となり、そんな中、アルバム「KISS」のあたりで注目していた、アナログフィッシュというバンドのことを、すっかり忘れていました・・・。

そんな訳で、「ROCK IS HARMONY」以来、久しぶりに聴いたアナログフィッシュの新作。忘れていてごめんなさい!期待のバンドと言われていた彼らの、実力を再認識した傑作を、彼らはしっかりと作り上げていました。

「ひねくれポップ」という意味では、「No Way」あたりが該当するでしょうか?勢いのあるロックナンバーでもない、かといって、美しいメロディーを聴かせるようなタイプではない、でも、妙に耳に残るメロディーラインはこのアルバムでも健在です。

また、そんなメロディー以上にインパクトがあったのが歌詞の世界。現実社会を、ちょっと皮肉めいた視点からみつめるような歌詞が特徴的。

「失う用意はある?
それともほっておく勇気はあるのかい」

(「PHASE」より 作詞 下岡晃)

「正義という名の暴力 エコにまぎれた広告
泣きながら笑うような
狂気と正気のハイブリッド」

(「HYBRID」より 作詞 下岡晃)

など、ある種、現実社会が抱える、物事の両面性を、時には皮肉めいて、時にはユーモラスに描く歌詞が強いインパクトを受けます。

また、ファンキーな「ロックンロール」、フォーキーな「戦争がおきた」、ダンサナブルなリズムが特徴的な「SAVANNA」など、バラエティー豊かな作風も魅力的。そのユーモラスなメロディー、独特の切り口の歌詞と合わせて、最後まで飽きさせない展開が楽しめます。

以前に聴いた「ROCK IS HARMONY」と比べて、バンドとしての成長を強く感じます。しばらくノーチェックだったのですが、惜しいことしたなぁ・・・。そろそろ中堅のバンドですが、まだまだこれからのブレイクも期待できる、そんなことを感じた新作でした。

評価:★★★★★


Concert at SUNTORY HALL/山崎まさよし

Concert at Suntory Hall

今年4月、デビュー15周年を記念して、服部隆之の率いるRush Orchestraを迎えてサントリーホールで行われたライブの模様を収録したライブ盤。ただ、オーケストラを迎えたライブによくありがちな、これでもかというほどの管弦楽の音を導入するような感じ・・・ではなく、あくまでもアコギがメインになっていて、原曲のイメージを大きくは変えていません。ちょうどバランスよく、弦楽器が音の世界をちょっと広げているような感じ。個人的には、あまりにも仰々しいオーケストラアレンジは好きではないので、このくらいの方が、原曲の良さが生きているような印象を受けました。

評価:★★★★

山崎まさよし 過去の作品
COVER ALL-YO!
COVER ALL-HO!

IN MY HOUSE
HOBO'S MUSIC

PHOENIX RISING/ROVO×SYSTEM 7

Phoenix Rising

日本の人力トランスバンドROVOと、イギリスのテクノユニットSYSTEM7が、お互いの代表曲をカバーしあった企画盤。SYSTEM7が、手塚治虫の「火の鳥」にインスパイヤされて完成させた「Hinotori」をROVOが、ROVOの「Eclipse」をSYSTEM7が、それぞれカバー。プラス、それぞれのオリジナルバージョンも収録されています。

同じトランスながらも、生音でトランシーな世界を作り上げるROVOと、電子音でトランシーな世界をつくるSYSTEM7の音の対比がとてもおもしろく感じます。どちらも基本的にはシンプルにその音の世界を楽しませてくれるだけに、ライブはすごく気持ちよさそう・・・。そんな中でも、やはり特に個人的にはROVOの音に耳を惹かれます。人力らしい、どこか暖かみがありながらも、テンポよくおおいかぶさるリズムと、様々な音が、非常に中毒性が強く、ライブではなくCD音源でもついつい聴き入ってしまいます。

同じ曲どうしの聴きくらべもとても楽しいかも。わずか4曲ながらも、とても魅力的なアルバムでした。

評価:★★★★★

ROVO 過去の作品
NUOU
ROVO Selected 2001-2004
RAVO

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2011年11月20日 (日)

ある種の学生ノリ

Title:欲望
Musician:OKAMOTO'S

欲望

OKAMOTO'Sって、デビューアルバム「10'S」を聴いた時は、ルーツ・オリエンテッドな、ガレージロックバンド、というイメージを持っていました。

ただ、2作目「オカモトズに夢中」で、そのイメージは大きく崩れ、この新作を聴くと、ルーツ・オリエンテッドというよりも、広く、ロックという音楽を愛しているバンドなんだ、ということを強く感じます。

そう思ったのは、本作で多く収録しているカバー曲たち。それは、決してルーツ志向な選択でも、洋楽志向な選択でもありません。レッチリの「Give It Away」に、コステロの「Pump It Up」、さらには、なんと沢田研二の「カサブランカ・ダンディ」をカバー。他にもカバーではないし、曲調も全然違いますが、「あの娘ぼくが使ったらどんな音するんだろう」は、あきらかに岡村靖幸の「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」から取っていますしね。

確かに、「欲望を叫べ!!!!」「アイのテーマ」など、ガレージロックがメインの構成にはなっているものの、昔ながらのロックンロールから、ミクスチャーロックや、歌謡ロックまで、幅広く取り入れている彼らのスタイルに、純粋なロック好きな青年たちという姿を見ることが出来ます。

ただその幅広さが、一方では、彼らのバンドとしての方向性をぼやけさせているようにも感じました。

そのカバーにしても、OKAMOTO'Sとしての色をしっかりと出せていたか、といわれると微妙なところ。「Give It Away」はレッチリそのまんまといった感じですし、「Pump It Up」にしても、コステロのイメージがどうしても重なります。

「ハマ・オカモトの自由時間」で魅せてくれる、タイトル通りのハマ・オカモトの演奏といい、バンドとしての実力は折り紙つきなのですが、OKAMOTO'Sらしい音というのが、まあいまひとつ確立されていないように感じます。結果、とてもレベルの高い学生バンドが、自分たちの好きな音楽を、自分たちの好きなように演っている・・・そんなイメージを受けてしまいました。

ある意味、この無邪気さは無邪気さで、彼らの大きな魅力だな、と思う反面、バンドとしての方向性がぼやけている点、物足りなさを感じてしまう大きな理由のようにも思います。ロックに対する純粋な愛情を感じさせてくれたまま、バンドとしての方向性を確立させたアルバムを作れば、バンドとしての実力は文句なしなだけに、とんでもない傑作を聴かせてくれる予感のするバンドではあるのですが・・・次回作以降に期待です。

評価:★★★★

OKAMOTO'S 過去の作品
10'S
オカモトズに夢中


ほかに聴いたアルバム

WOMAN/DOUBLE

WOMAN

韓国の男性グループ2PMのJunsuが参加した「Count 3」をはじめ、K-POPからの影響を受けた新作。そのため、全体的に、今風のエレクトロチューンが多く収録されています。ただ、DOUBLEって、大人の魅力というのか、もっとパンチ力のある曲が多かったと思うのですが・・・。今風のエレクトロチューンも悪くはなく、「Tattoo」みたいに、いままでにない哀愁たっぷりの楽曲も魅力的だったりするのですが、「大人の女性が歌うR&B」としては、ちょっと薄味に感じてしまいました。無機質なエレクトロナンバーだと、DOUBLEの魅力を十分に出し切れないのでは?

評価:★★★

DOUBLE 過去の作品
10 Years Best WE R&B
THE BEST COLLABORATION
Ballad Collection Mellow

SMG/SEX MACHINEGUNS

SMG

ある意味、完全に大いなるマンネリという感じのSEX MACHINEGUNSの新作。聴いていて、安心できますし、ファンにとっては期待通りの作品といった感じではないでしょうか?個人的に、今回特に印象に残ったのが、やはり埼玉への愛を訥々と歌った(?)「東京よりさいたま」でしょう。歌詞の馬鹿馬鹿しさと、それと反比例するかのような、ヘヴィーなメタルサウンドの対比は相変わらず。彼らのスタンスは、まったくゆるぎません。

評価:★★★★

SEX MACHINEGUNS 過去の作品
キャメロン

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2011年11月19日 (土)

安定感ある新作

Title:musium
Musician:スキマスイッチ

musium

活動休止を経てリリースされた前作「ナユタとフカシギ」は、彼らがグッと成長し、ミュージシャンとして一回りも二回りも大きくなって帰ってきた、そう感じさせる傑作でした。

そして、そこから2年を経てリリースした最新アルバム。一言で言えば、安心感のあるアルバムでした。

新たなスキマスイッチ、というよりも、いつものスキマスイッチとなった今回のアルバム。ストリングスを取り入れた「時間の止め方」こそ、スケール感のある楽曲でスタートするのですが、その後は、いつもの等身大の彼ら。ふるさとを歌った「センチメンタルホームタウン」は、彼ららしい爽やかなナンバーですし、「晴れときどき曇」なども、まさに彼らの王道といった感じのナンバー。

途中、ファンキーな「スモーキンレイニーブルー」あたり、彼らのロックな側面を感じさせますし、「ソングライアー」もアルバムの中でちょうどよいインパクトに。ちょっとミスチルっぽいのはご愛嬌ですが(^^;;

個人的に壺なのが「アイスクロームシンドローム」。意味は、「告白したいけど出来ずにいつもアイスクリームを溶かしてしまう『アイスクリーム溶かし症候群』」だそうで、おそらく彼らの造語だと思います(^^;;要するに、何でも話せるような女友だちを好きになったけど、告白できないでいるという状況で、ネタ的には完全にKANの「言えずのI LOVE YOU」や、平井堅の「even if...」と同じ。まあ、個人的に、壺なんですよ、この手の歌詞は(笑)。アップテンポなメロディーが、逆に切なさをひきたてています。

そんな訳で、いつも通りといった感じの曲が並んでいるのですが、悪い意味でもいつも通り。安定感があって安心して聴けるのですが、予想通りすぎる内容になってしまっています。

彼らもメジャーデビューから8年を経て、中堅どころになってきたのですが、それだけに、リスナーの壺をしっかり押さえる曲が出来てきているのでしょう。それだけに、曲の出来は安定している反面、意外な展開に驚いたり、突き抜けた傑作が少なくなってきているのが残念。このまま「大いなるマンネリ」路線も悪くはないと思うし、ファンとしては安心できるのでしょうが、個人的には、もう一花、傑作を聴かせてほしいところ。次回作、あらたな一歩に期待したいところです。

評価:★★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"


ほかに聴いたアルバム

New Season/Spangle Call Lilli Line

New Season

前半は新曲4曲、後半は、相対性理論の永井聖一、やけのはら、石橋英子によるリミックス3曲が収録。前半の新曲は、シューゲイザー風のノイジーなギターが心地よい、爽快なギターロック。昔のスーパーカーあたりを彷彿とさせる音はちょっと懐かしさを感じさせます。そういえば、最近、この手の音を出すバンドって、いなくなったなぁ・・・。目新しさはないものの、個人的には壺な音。後半は、石橋英子のポストロック風リミックスが、Spangle Call Lilli Lineというバンドの広がりを感じさせて、なかなかおもしろかったです。ただ、全体的に、目新しさが薄いのは残念。

評価:★★★★

Spangle Call Lilli Line 過去の作品
VIEW
forest at the head of a river

残響リファレンス/ONE OK ROCK

残響リファレンス

個人的には、今度のロックシーンを、ヒットチャートの中心から切り開いていってくれそうな、ロックバンドということで期待しているONE OK ROCKの新作。本格的なオルタナ系のヘヴィーロックを奏でながらも、J-POPに通じるようなポップなメロディーセンスは相変わらず。しっかりと外を向いて音楽を奏でているだけに、ポピュラリティーもしっかりと備え付けられています。ジャニーズ系の・・・というよりも、完全に元ジャニーズがボーカルなだけに、アイドル性も十分。アイドル系に席巻されてしまったヒットシーンを覆してくれるんじゃないか!とすら期待してしまいバンドです。

・・・・・・ただ、前作から感じる、シングル単位では文句ないのですが、アルバム全体では飽きてしまうというパターンは相変わらず。やはり楽曲のバリエーションが少々乏しくて、その乏しいバリエーションを補えるだけの演奏能力は残念ながら不足している、ということなのかなぁ。そこを乗り越えれば、ミスチルクラスの大物になってくれそうな予感もあるのですが。

評価:★★★

ONE OK ROCK 過去の作品
Nicheシンドローム

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2011年11月18日 (金)

冬が近づいてきました。

今週の着うたチャート

2011年11月9日~2011年11月15日付チャート

最近、急激に冷え込んできましたが、今週の1位は、そんな冬にむけてのバラードナンバー。

あなたへ / Ooo Baby

今週の1位は、EXILE「あなたへ…」が初登場で獲得しました。11月23日発売予定シングルからの先行配信。しっとり聴かせるウインター・バラードで、今年も冬の歌が流れ始めました。

2位は、先週1位だった西野カナ「たとえ どんなに・・・」がワンランクダウン。3位には、いきものがかりのニューシングル「歩いていこう」が初登場で入ってきています。こちらも11月23日発売予定のシングル。TBS系ドラマ「ランナウェイ~愛する君のために」主題歌の、こちらもバラードナンバーになっています。

4位以下の初登場は今週は1曲だけ。5位にFUNKY MONKEY BABYS「LOVE SONG」が入ってきています。こちらも11月16日にリリースされたシングルからの先行配信のバラードナンバー。冬になると、バラードが増えてきますね・・・。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週も、アルバムチャートは新譜が多め。

そんな中で、1位を獲得したのがKinki Kidsの新作「K Album」。初動売上は15万枚。前作「J Album」の17万枚からダウン。ここ最近、19万枚→17万枚→15万枚と、アルバム毎に、2万人ずつ、ファンが減っていっている模様・・・。

2位は、先週1位のYUI「HOW CRAZY YOUR LOVE」が、わずかワンランクダウンで、2位をキープしています。

3位には、ミュージシャンとしての評価も高い人気声優坂本真綾「Driving in the Silence」が入ってきています。初動売上1万7千枚は、前作「You can't catch me」の2万6千枚よりダウン。こちらも、ここ最近、3万6千枚→2万6千枚→1万7千枚と、アルバムをリリースする毎に、ファンが1万人ずつ減っており、気になるところです。さすがに、次回作が初動7千枚ということはないと思いますが・・・。

続いて、4位以下の初登場では・・・

5位に、4人組ギターロックバンドBase Ball Bear「新呼吸」がランクインです。初動売上は1万2千枚。3.5枚目として2枚同時にリリースされた「CYPRESS GIRLS」「DETECTIVE BOYS」の1万枚は上回りましたが、3rdアルバム「(WHAT IS THE)LOVE & POP?」の1万6千枚からは下回ってしまいました。

6位には、また出てきた、韓国の男性アイドルグループ2AM「Saint o'clock~JAPAN SPECIAL EDITION~」がランクイン。2010年に韓国で発売されたアルバムの日本仕様盤だそうです。

7位には、美風藍(蒼井翔太)、四ノ宮那月(谷山紀章)、来栖翔(下野紘)「うたの☆プリンスさまっ♪Debut ユニットドラマCD 藍&那月&翔」がランクイン。PSPの女性向け恋愛シミュレーションゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」のキャラクターによるドラマCDだそうです。

9位は、男性ソロボーカリストTEEのミニアルバム「Baby I Love You」がランクイン。フルアルバムの前作「Kido I Raku」が初動5千枚23位初登場だったので、9位は大きくランクアップ。ただ、初動売上は7千枚。全体の売上水準が低かったため、順位を大きく伸ばした模様です。

最後、10位には初音ミク物。「初音ミク -Project DIVA- extend Complete Collection」がランクイン。PSP用ソフト「初音ミク -Project DIVA- 2nd」の公式サウンドトラックだそうです。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2011年11月17日 (木)

美しき、ラストアルバム

Title:THE END
Musician:毛皮のマリーズ

THE END【通常盤】

衝撃の解散を発表した、ロックバンド毛皮のマリーズの、文字通りのラストアルバム。

つーか、前作「ティン・パン・アレイ」も、バンドの要素を排除した、志磨遼平の事実上のソロアルバムだったわけで、セオリーで行けば、バンド解散というのは、予想していた通り、と言えるのかもしれません。

今回のアルバムも、音的には「ティン・パン・アレイ」の延長。バンドサウンドこそ入っていますが、おそらく、志磨遼平にとっては、既に自分のやりたい音楽に、毛皮のマリーズというバンドが不要になってしまった、ということでしょう。

そして志磨のやりたい音楽はおそらくロックではなく、ポップス。もともと、以前から、様々なポップスの要素をアルバムに入れていましたし、メロディーラインもいたってメロディアス。その以前からやりたかったことを、「ティン・パン・アレイ」で、そしてこのアルバムで、ようやく演ることが出来たのではないでしょうか?

以前からのファンにとっては、ポップ路線に振り切ったこのアルバムに関しては、かなり否定的な意見も少なくないみたいです。また、ポップスに求められるのは、ロックのような先駆性よりも、普遍性。そういう意味で、このアルバムには新しさは感じられませんし、そういう観点からも、否定的な見方も少なくないようです。

ただ、それ以上にこのアルバムで感じられたのは、好きなポップスを、好きに奏でられるという志磨遼平の、音楽に対する純粋な愛情でした。そのため、どの曲も、とてもメロディアスでキュート。なによりもまず第一に、純粋にポップな音楽を楽しめたアルバムで、個人的には、このアルバム、傑作だと思っています。

解散を意識してか、全体的に悲しい内容の歌詞が並んでいて、「陽」の「ティン・パン・アレイ」に対して「陰」のアルバム、と位置づけられることもあります。ただ、聴いていて、身につまされる悲しさ、というのは感じられません。ある種、劇場で演じられる悲劇のように、一歩下がって客観的に、「毛皮のマリーズの解散劇」というのを見ているような、そんな感触のあるアルバムだったような気がします。

それもまた、このアルバムがロックではなく、ポップスのアルバムだから。甘いキュートなサウンドが、コーティングのように、アルバムの悲劇性を包み込んで、ポップなアルバムに仕上げていています。激しいバンドサウンドで感情をむき出しにするロックはノンフィクションの世界だとすると、甘いサウンドとメロディーで覆い隠すポップの世界は、いわばフィクションの世界ということでしょう。

そういう意味で、ラストの「THE END」がガレージロックの作品になっている、というのは、原点回帰的な意味もある一方、感情的なバンドサウンドを前に押し出すことによって、毛皮のマリーズの本音を、最後に覗かせたエンディングと言えるのかもしれません。

解散への流れも納得な上に、非常によく出来たラストアルバムだと思います。いろいろな意見があるみたいですが、バンドの締めくくりとしては、最高のエンディングだったのではないでしょうか?美しく最後を締めくくった、傑作アルバムです。

評価:★★★★★

毛皮のマリーズ 過去の作品
毛皮のマリーズ
ティン・パン・アレイ


ほかに聴いたアルバム

WHITE/アンジェラ・アキ

WHITE

正直なところ、アルバムの中に妙にカバー曲が多いんですよね。それが、アルバム全体の流れをぶっちぎっているというか・・・。ユニクロのCMで歌った「津軽海峡・冬景色」が、まさかアルバムの3曲目に入ってくるとは思いませんでした。アルバムの中で浮きまくっています(^^;;全体的には、ピアノをメインに押し出して、彼女の歌を前に出してくるスタイルで、楽曲の良さは安定しています。特に、車をテーマに人生を歌った、「目撃車」は、ビリー・ジョエルばりのピアノが心地よい傑作。ただ、アルバムを通して聴くと、少々チグハグな印象を持ってしまう構成が惜しいところです。

評価:★★★★

アンジェラ・アキ 過去の作品
ANSWER
LIFE

LIFE WORKS JOURNEY/FLYING KIDS

LIFE WORKS JOURNEY

再結成後、2作目となるFLYING KIDSの新作。ファンキーなリズムと、メロウでポップなメロディーラインは相変わらず健在。再結成後、きちんと2作目をつくってくるあたり、今後の恒常的な活動も期待できます。ただ、楽曲全体は、悪い意味でこなれた感が否めず、FLYING KIDSらしさは出ている反面、少々マンネリ気味では?と思ってしまうあたりも。もうちょっとインパクトのある曲が欲しかったかも。

評価:★★★

FLYING KIDS 過去の作品
EVOLUTION

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2011年11月16日 (水)

いまどきのチャート

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のチャートは、AKB48がらみやジャニーズ系、着うたの女王などが入り混じり、「いまどきのチャート」といった印象を受けるシングルチャートになっています。

オキドキ【生写真無盤A】(DVD付)

1位は、AKB48の姉妹ユニット、SKE48「オキドキ」がランクイン。アイドルソングらしい、軽快で無邪気に明るいポップソング。初動売上38万2千枚は、前作「パレオはエメラルド」の初動37万9千枚から若干のアップです。

2位には、こちらはEXILEの弟分ユニット、三代目J Soul Brothers「リフレイン」がランクイン。こちらは哀愁たっぷりの歌謡曲風バラードナンバー。初動売上5万4千枚は、前作「FIGHTERS」の8万3千枚から大幅ダウンしてしまいました。

今週は、偶然にも人気ユニットの派生的なユニットが1位2位に入っています。ちなみにどちらも作詞は秋元康。秋元康の作詞曲が1位2位を占めるのは24年ぶりだそうです。ただ、80年代に一世を風靡した作詞家が、20年以上たったいまだに第一線というのが、後に続く存在がいないという意味で、音楽業界の元気のなさを、如実にあらわしているような気がします。

3位は嵐「迷宮ラブソング」が、2ランクダウンで、2週連続ベスト3をキープです。

4位には、遊助こと俳優上地雄輔の「一笑懸命」がランクイン。今回は、お祭り囃子を取り入れた曲が、妙なインパクトがあります。以前、「ミツバチ」では、ソカのビートを取り入れたり、音楽的に凝った方向性をめざしているのは、感心はするのですが、取り入れ方が中途半端というか、素人の手習い的なレベルに終わってしまっているのが、嘲笑される原因なのでしょうが・・・もっとも、それが変にインパクトになっていておもしろいともいえるのですが(笑)。

本作は、初動売上4万6千枚で、なんと前作「雄叫び」の3万9千枚からアップ。前々作「全部好き。」の4万4千枚も上回っており、急な人気回復はなぜ?

で、5位には着うたの女王、西野カナ「たとえ どんなに…」が入ってきています。さすがにあれだけ言われたからか、歌詞に「会いたい」というフレーズは入っていないものの、別れた恋人に会いたがっている歌になっています(笑)。初動売上は、前作「Esperanza」の2万8千枚から横バイ。固定ファンがついてきたかな?

6位には765PRO ALLSTARS「CHANGE!!!!」がランクイン。TBS系アニメ「アイドルマスター」オープニングテーマで、アニメの登場キャラクターによって結成されたユニットで、いわばキャラクターソング。思いっきり分厚いアレンジに、底抜けに明るいアイドルソング。アイドルをテーマとしたアニメなだけに、「いかにもなアイドルソング」は、狙った結果かもしれませんが。初動売上2万3千枚。前作「READY!!」の2万6千枚からは若干のダウンです。

8位には、ハロプロ系アイドル同士が組んだユニット、Berryz工房×℃-ute「甘酸っぱい春にサクラサク」が入ってきました。タイトルから内容が想像するのが容易な、かわいらしいポップソングなのですが、まだ秋口の今に、このタイトルはちょっと無理がないか?初動売上は2万枚。通常、この手のコラボシングルの売上は、各々のシングルの売上よりも落ちてしまうのが常なのですが、今回の場合は、Berryz工房の前作「ああ、夜が明ける」の1万6千枚、℃-uteの前作「世界一HAPPYな女の子」の1万7千枚よりもアップ。ここらへんは、さすがどんなアイテムでも買いそうな、熱心なファンが多いアイドル系ならではといったところか?テコ入れは、とりあえず大成功といったところでしょう。

最後、9位には、ヴィジュアル系ロックバンドViViD「Fake」がランクイン。バンドサウンドは、ハードコアテイストでカッコいいのですが、メロディーは、90年代からの歌謡ロック風で、いまひとつ平凡なのが残念というか、ヒットポテンシャルがありそうというか・・・。初動売上1万6千枚は、アニメタイアップがついた前作「BLUE」の初動1万8千枚を下回ってしまいましたが、前々作「『夢』~ムゲンノカナタ~」の1万2千枚からはアップしており、固定ファンは徐々に増えている感じか?

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2011年11月15日 (火)

名古屋代表のHIP HOPミュージシャン

Title:AKATSUKI
Musician:HOME MADE 家族

AKATSUKI

うん。やはりHOME MADE家族のアルバムは、純粋に楽しめるね~♪

個人的に、ポップで、ノリがよくて、純粋に楽しめるHIP HOPミュージシャンとして、間違いなくHOME MADE家族は、指折りのミュージシャンだと思っています。

フルアルバムとしての前作「CIRCLE」は傑作だと思いますし、フルアルバムは純粋に楽しめるアルバムが続いているのですが、ちょっと気になったのがミニアルバムとしての前作「seven emotions」。あきらかにここ最近の着うたヒット狙いの曲が並んでいて、「なんだかなぁ~」というのが正直なところでした。

それだけに、今回のアルバムも、ちょっと心配していたのですが・・・その心配は、杞憂だったみたいですね。ここ最近のフルアルバム同様、安定感のある、そしてポップで楽しめるアルバムに仕上がっていました。

ロック調のテンポのよい「FREEDOM」からはじまり、ラテン調の「So So Hot!!!」や、今風なエレクトロ風「情熱のスイッチ」など、テンポのよいアゲアゲなナンバーは、実に爽快。「僕はここにいる」とか「ぬくもり」とか、聴かせるナンバーについては、あまりにもひねりのない、抽象的な歌詞といい、着うた狙い?とも思ってしまうのですが、アルバムの中では、まあご愛嬌といった感じ。最後を締めるダンスチューン「Rolling Stone」まで、本当に気持ちよく聴けるアルバムでした。

個人的には、傑作だった「CIRCLE」や、一番脂ののっていた「ROCK THE WORLD」「musication」の頃には及ばないものの、安定的な楽しさを感じさせる、彼ららしい良作だったと思います。変に着うたのヒットに欲目を出さず、このまま、これからもがんばって欲しいなぁ~。

評価:★★★★★

HOME MADE 家族 過去の作品
HOME
Heartful Best Song "Thank You!"

CIRCLE
FAMILY TREE~Side Works Collection Vol.1~
seven emotions


ほかに聴いたアルバム

Back Home-BONNIE PINK Remakes-/BONNIE PINK

Back Room -BONNIE PINK Remakes- (通常盤)

BONNIE PINKの過去の代表曲を、あらためてリメイクしたアルバム。打ち込みをつかっても、アコースティックに聴こえるような、暖かい彼女のボーカルが魅力的。リメイクなんだから、もうちょっと初期の作品を積極的に取り上げて、再解釈して欲しかったなぁ・・・とは思うのですが、その初期の作品「Heven's Kitchen」は、14年前のオリジナルと聴き比べるのもおもしろいかも。ベスト盤的感覚で楽しめる1枚です。

評価:★★★★★

BONNIE PINK 過去の作品
CHAIN
ONE
Dear Diary

So many tears/So many tears

So many tears

スカパラ、FISHMANSで活躍する茂木欣一、おなじくスカパラやLOSALIOSの加藤隆志、さらにはFISHMANS、Polarisの柏原譲によって結成された3ピースバンド。この面子を見れば、否応なしに期待してしまうのですが・・・アルバムは正直言って、少々期待はずれ。悪くはないけど「普通のギターロック」といった感じ。ちょっとダビーな「EVERYWHERE MAN」や、後半はポストロック風の展開となる「I'M INTO THE SUN」など、「普通」のギターロックバンドとは違う、という要素も随所では感じられるのですが・・・。

評価:★★★

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2011年11月14日 (月)

気合の入ったプロジェクト

Title:biophilia
Musician:bjork

バイオフィリア

bjorkの最新作は、はっきりいって、気合がはいりまくっています。

自然と音楽の融合をテーマとした作品のようで、「曲ごとに音楽理論の要素をひとつ取り上げて、それに呼応する自然界の事象を、詞とサウンドのモチーフとしてセレクト」(ライナーツノートより)したそうで、「Moon」は、反復進行と月周期、「Thunderbolt」ではアルペジオと雷をモチーフとしているそうです。

また、単純にアルバムだけでこの作品を表現するのではなく、iPadでこの音楽の世界を体感できるアプリをリリースしたほか、ライブイベント、さらにはドキュメンタリーを作成し、それら一連のプロジェクトで「biophilia」の世界を表現したそうです。

今回、アルバムを聴いたほか、アプリをダウンロードして、遊んでみました。ただ、残念なことにiPadは持っていないので、代わりにiPhoneで。正直、iPadを前提としているアプリなので、少々遊びにくかったのですが、「biophilia」で表現しようとする世界観を感じることは出来ました。

ただ、アルバムを聴いて、アプリで遊んで、思ったのは、

ちょっとBjork、力入れすぎじゃない??

ということ。

このプロジェクトのため、新しい楽器までつくったという音は、ちょっと無機質な感じがして、アルバムで聴いた時には、少々抵抗感を覚えました。ただ、アプリで遊ぶと、音と世界観がマッチしていて、緻密な美しいフレーズを奏でていることに気がつくのですが・・・。

アルバムを聴いて、アプリで音の世界をより感じて、はじめてこのアルバムの楽曲の良さに触れたような気がします。こういうマルチメディア的な作り方も悪くはないと思うのですが・・・もうちょっとわかりやすさがあってもいいのでは?特にメロディーラインが少々インパクト薄な点が、この作品をちょっと難解にしてしまったような気がします。

あと、ちょっと残念なのは、iPadのアプリが、アプリ自体は無料なのですが、音楽を楽しむためには、楽曲のアドインを有料でダウンロードする必要がある点。まあ、有料なのは仕方ないのですが、アルバム購入者も、アドインを購入しなくてはいけないのがちょっと・・・。アルバムとリンクして、アルバム購入者はアドインをダウンロードしなくても曲を楽しめるなどの工夫が欲しかったなぁ。

そんな訳で、アルバムだけ聴いた人で、iPad/iPhoneを持っている方は、是非、アプリのダウンロードを。アプリには、楽曲の詳しい解説もあったのですが、そちらはまだ英語ということもあって(笑)読んでいません。この解説を読めば、もっとアルバムの意図が理解できるのかな?

ある意味、アルバムの世界を楽しむんだ、と意気込んで聴かないと、物足りなさを感じてしまうかも。そういうアルバムも「アリ」かもしれないのですが、やはりポップスは、気軽に聴いても最低限楽しめるような作りにしてほしいかなぁ。

評価:★★★★

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2011年11月13日 (日)

リアムにないもの ノエルにないもの

Title:NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS
Musician:NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

Noel Gallagher's High Flying Birds

来ました!!元oasisのギタリストにしてメインライターだった兄ちゃん、ノエル・ギャラガーの、oasis解散後、初となるオリジナルアルバムです。

解散後のoasisといえば、既にノエルを除くほかのメンバーは、リアム・ギャラガーをメインに、バンドBEADY EYEを結成し、今年2月にデビューアルバムをリリース。今年のサマソニで初来日も果たしています。

そのBEADY EYEのアルバム。確かに、oasis同様、スタジアム・バンドの様相を感じられるスケール感のあるロックナンバーは、とても魅力的な傑作でした。が、聴いていて、ちょっと気になったことがありました。それはメロディーライン。もちろん、しっかりと耳に残るインパクトのあるメロディーもありましたが、全体として、勢いを重視した曲が多く、oasisのように、メロディーライン自体をしっかりと聴かせる曲があったか、と言われると、物足りなさは否めませんでした。

oasisといえば、やはりその聴いていて胸をうつようなメロディーライン。そんな美メロを多く作り出したのがノエル・ギャラガー。そんな彼のニューアルバムを聴くと、BEADY EYEのアルバムで足りなかったパーツが、ピッタリとはまるように感じました。

勢い、という面では、確かにBEADY EYEに劣ってしまうかもしれません。ただ、何度も愛聴したくなるようなメロディーの曲が並んでいます。「AKA...What A Life!」はテンポのよいインパクトある曲で耳に残りますし、「AKA...Broken Arrow」は、心地よく突き抜けるようなサビが、どこかoasisらしさを彷彿とさせます。「(Stranded On)The Wrong Beach」も、サビへの展開には、思わずゾクゾクっとするものがあります。

派手さはないものの、しっかりと曲を聴かせようとするアルバムといった感じが好印象。メロディーメイカーとしてのノエルの実力がいかんなく発揮された傑作だと思います。

ただ一方・・・ちょっと気になったのが、ボーカリストとしてのノエル・ギャラガーのインパクトの薄さ・・・。弟リアムのように、手を後ろに組んで、マイクの前で歌っているだけで絵になるような・・・そんな姿は、残念ながら、ノエルからは想像できません・・・。正直、カリスマ性あるボーカリスト、リアム・ギャラガーと、稀代のメロディーメイカー、ノエル・ギャラガーが組んだことによって、oasisがあれだけ偉大なバンドとして絶大な人気を得ていた、と思います。

BEADY EYEで足りなかったものが、このアルバムからは感じられる一方、このアルバムで感じた物足りなさを、BEADY EYEでは感じられる・・・正直言ってしまって、やはりoasisというバンドの偉大さを再認識してしまったアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Guitar Heaven:The Greatest Guitar Classics Of All Time/Santana

Guitar Heaven: the Greatest Guitar Classics of All

サンタナの最新作は、歴代のギターロックの名曲をカバーしたカバーアルバム・・・なのですが、選曲が、はっきりいってめちゃくちゃベタ(^^;;ツェッペリンの「Whole Lotta Love」からはじまり、ビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」やらクリームの「Sunshine Of Your Love」やら、果てにはDEEP PURPLEの「Smoke On The Water」まで・・・。カバーも、それなりにサンタナらしいラテン風味を織り交ぜているのですが、基本的には、原曲のイメージを大きく崩すことがありません。ただ、これだけの有名曲をあえて取り上げるあたりに、サンタナの自信と、さらにはロック・クラシックに対する素直な敬意を感じることが出来ます。ロックリスナーでなくても聴いたことある曲が並んでいるアルバムなだけに、そういう意味でも楽しめるアルバムでした。

評価:★★★★

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2011年11月12日 (土)

振りきれてしまっています。

Title:pieces
Musician:KOKIA

KOKIA outwork collection「p i e c e s」

今回のKOKIAのニューアルバムは、アニメタイアップを集めた企画盤だそうです。

もともと、KOKIAの曲って、クラッシックミュージック風のアレンジを取り入れたりして、少々オーバーアレンジ気味かも?と思いつつも、幻想的な世界観をつくりあげる曲が少なくありませんでした。

そしてそんな世界観って、非現実的な、ファンタジックな世界を描くことが多い、アニメとの親和性も高いのでしょう。今回のアルバムに収録されてる曲は、そんなファンタジックというKOKIAの楽曲のひとつの側面を、これでもかというほど味わうことが出来ます。

1曲目の「KARMA」からして、これでもか、というほどのアレンジで塗り固められています。この曲に限らず、全体的に、ある種振り切れてしまっている感じの曲が少なくありません。以前から、このタイプの曲に関しては、少々オーバーアレンジ気味な部分が、好みからは若干はずれていたのですが、自分の好みは別として、これだけやられてしまったら、「参りました」というしかないですね(^^;;

KOKIAのひとつの側面だけ、といわれればそういう部分も否定できないのですが、それでもKOKIAの魅力のひとつを、これでもかというほど凝縮したアルバムのように思います。下手に中途半端な曲よりも、こういう曲の方が、聴いていて素直に気持ちよかったかもしれません。

評価:★★★★★

KOKIA 過去の作品
The VOICE
KOKIA∞AKIKO~balance~
Coquillage~The Best Collection II~
REAL WORLD
Musique a la Carte
moment


ほかに聴いたアルバム

GOLDEN☆BEST-complete singles collection-/永井真理子

GOLDEN☆BEST 永井真理子〜Complete Singles Collection〜

90年代に一世を風靡した、ガールズポップシンガー永井真理子の、デビュー作「Oh!ムーンライト」から、2002年リリースの「同じ時代」までを発売順に並べたシングル集。やはりあらためて聴くと、一番人気のあった「ミラクル・ガール」から「Chu-Chu」あたりまでが、勢いがあり、かつ、ボーイッシュという彼女の特徴を、上手く生かした曲が多い印象が。その後の曲に関しても、最新シングルを含め、概ね、一定以上の水準の曲を歌ってきているのですが、単純な「いい曲」に終わっていて、これなら彼女じゃなくても歌えるような・・・と思ってしまうあたり、一時期のような人気を持続できなかった要因でしょうか?2枚組のフルボリュームなので、かつてファンだった方向けかな?

評価:★★★★

永井真理子 過去の作品
My foot steps-20th anniversary memorial collection-

渋夜旅/渋さ知らズ

渋さ知らズのニューアルバムは、バンド結成20年を記念してリリースされた作品。彼ららしいダイナミックな作品もある一方、しんみりと聴かせる作品も比較的目だったような印象があります。ライブ寄りの作品が目立っていた中、彼らの音楽性の幅広さも感じられたアルバムでした。

評価:★★★★★

渋さ知らズ 過去の作品
渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)
生渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)
割れ渋栗(川口義之with渋さ知らズオーケストラ)

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2011年11月11日 (金)

俳優、KANを見てきました。

先日、三谷幸喜監督の映画「ステキな金縛り」を見てきました。

彼の映画は、毎回見ているのですが、当サイト的にやはり話題なのは、KANが出演しているという点!それも、犯人の疑いをかけられている夫の役という、結構メインな位置で!KANの雰囲気も役柄に妙にマッチしていました(笑)。映画は抱腹絶倒な内容で、すごく楽しめた映画でした。なにより深津絵里がかわいかった~(笑)。ただ・・・三谷幸喜の作品としては、お話に意外性や、伏線が巧くかみあって思わず見ていてうなってしまうような展開は少なく、その点ではちょっと物足りなさも・・・。

今週の着うたチャート

2011年11月2日~2011年11月8日付チャート

着うたの女王、1位獲得です。

たとえ どんなに・・・

今週の1位は、西野カナ「たとえ どんなに・・・」が獲得。11月9日にリリースされたシングルの先行配信です。ある意味、恒例ともいえる1位獲得。着うたの女王はまだまだ健在です。

2位はGReeeeN「恋文~ラブレター~」。こちらも泣き歌系のバラード。映画「アントキノイノチ」主題歌。映画も、いかにも「泣き」を狙ったような感じ。11月16日リリース予定のシングルの先行配信です。

3位はソナーポケット「365日のラブストーリー。」が、先週2位からワンランクダウンでこの位置につけました。

他に初登場は・・・9位に三代目 J Soul Brothers「リフレイン」がランクイン。こちらも11月9日にリリースされたシングルからの先行配信。切ない雰囲気のバラードとなっています。

他に、8位には、LA在住のR&Bシンガーシャネル「ベイビー・アイラブユー (English Ver.)」が先週の37位から一気にランクアップ。9月13日付チャート以来のベスト10返り咲きとなっています。10月30日放送NHK「MUSIC JAPAN」出演の影響でしょうか?


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは、今週は新譜ラッシュです。

HOW CRAZY YOUR LOVE

まず今週1位は、人気女性ロックシンガーYUI「HOW CRAZY YOUR LOVE」がランクイン。前作「HOLIDAYS IN THE SUN」に続き、これでオリジナル4作連続の1位となりました。ただし、初動売上13万3千枚は、前作の18万4千枚からまたもやダウン。その前が28万5千枚だったので、減少傾向が続いています。

2位には、90年代に一世を風靡したビジュアル系ロックバンド黒夢の、再結成後初となるオリジナルアルバム「Headache and Dub Reel Inch」がランクインです。オリジナルとしては「CORKSCREW」から、なんと13年半ぶりとなるチャート。オリジナルでは3作連続2位という、ちょっとかわいそうな記録に。初動売上1万7千枚で、「CORKSCREW」の26万枚から大きくダウン・・・まあ、時代が全く違うので、これは仕方ないですね。13年という長いブランクがありながらも、2位ランクインというのは、根強い人気を感じます。

3位は、韓流女性アイドルグループ少女時代の韓国版アルバム「The Boys」が、先週から引き続き3位をキープです。

以下、初登場は・・・

4位には、こちらも韓国のアイドルグループ、SS501のメンバーで、「リーダー」と呼ばれているキム・ヒョンジュンの韓国版アルバム「Lucky」がランクイン。輸入盤先行の関係で、ベスト10圏外からのランクアップとなります。

5位には、童子-Tとのコラボ曲「もう一度… feat.BENI」のヒットなので知られる沖縄出身の女性シンガーBENI「Fortune」が入ってきました。前作「Jewel」は最高位11位だったので、「Lovebox」以来2作ぶりのベスト10入り。ただ、初動1万2千枚は、「Jewel」の初動1万4千枚よりダウンしています。

7位は、アメリカで、絶大なアイドル的人気を誇る男性シンガーJustin Bieber「Under the Mistletoe」がランクイン。最近は、隠し子騒動があったり、You Tubeの動画の再生回数が20億回を突破したりと、話題に事欠かない彼。アメリカのビルボードチャートでももちろん1位を獲得。日本でも、前作「My Worlds」はベスト3入りするヒットとなったのですが、本作は、それには及びませんでした。

8位には、今年で芸能活動休止を宣言した、元モーニング娘。の後藤真希のラストアルバム「愛言葉(VOICE)」が入ってきました。ベスト10入りは、昨年7月のミニアルバム「ONE」以来。ただ、初動売上7千枚は、ミニアルバムとしての前作「Gloria」から横バイ。完全に固定ファンだけで、「ラストアルバムだから」という理由で売上が伸びなかったのは、悲しいところ・・・。

そしてあと2枚は、いずれも「ニコニコ動画」から人気を得たミュージシャンによるアルバム。9位には蝶々P feat.初音ミク「Glorious World」、10位には、ろん「EXIT TUNES PRESENTS ろんBEST-ひっしに歌ってみた編-」がそれぞれランクインしています。

蝶々Pは、「ニコニコ動画」で人気の音楽プロデューサーで、タイトル通り、初音ミクを使用したアルバム。これがメジャーデビュー作となります。ろんは、こちらも「ニコニコ動画」にボーカル音源をアップし、人気を博した女性シンガー。こちらもこれがデビュー作となります。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2011年11月10日 (木)

中毒性の高い親指ピアノのリズム

Title:オイ!リンバ
Musician:サカキマンゴー&リンバ・トレイン・サウンド・システム

オイ!リンバ Oi!limba

サカキマンゴーは、日本では珍しい、親指ピアノの奏者。親指ピアノとは、アフリカの民族楽器で、板などの上に並んだ鉄や竹の棒を、指ではじいて音を出すシンプルな楽器。このアルバムタイトルである「リンバ」とは、その親指ピアノのことだそうです。

「ミュージックマガジン」誌でかなりプッシュされており、アフリカ音楽に興味があったため、彼の音楽も気になり聴いてみました。サカキマンゴーは列記とした日本人なのですが、アルバムのジャンルは「ワールドミュージック」としてCD屋では並んでいました。

アルバムでまず耳に入るのが、やはりアルバム全編に流れる親指ピアノの音色。透き通った丸みのある音色が独特。柔らかな暖かみのある音なのですが、同じフレーズを繰り返すミニマルなフレーズが多いので、聴いていると、ちょっとサイケちっくな、幻想的な感触を覚えてきます。

この親指ピアノの奏でるリズムが、最初は何気なく聴いているのですが、その独特なリズムに、聴いているうちに徐々にはまってきてしまいます。

というか、このリズム、かなり中毒性があります(笑)。

正直言って、このアルバムの曲は、聴いていて思わず身体が動き出すような、血が騒ぐようなものではありません。かといって、しんみりと聴かせるものではありません。そういう意味では、最初はちょっと地味に感じました。

しかし、このシンプルな親指ピアノのリズムは、アルバムを聴きすすめれば聴きすすめるほど耳から離れなくなってしまい、最後にはすっかりはまってしまいました。

また、彼の音楽は、「アフリカ音楽」「ワールドミュージック」のジャンルにカテゴライズされていますが、このアルバムを聴く限りだと、親指ピアノの音色とリズムは確かにアフリカ音楽なのですが、そのメロディーはむしろ日本人がすんなりとなじむような邦楽的な要素を強く感じました。

実際、「茶わんむしのクンビア」は、鹿児島県民なら誰もがしっている「茶わんむしのうた」をアレンジした曲だそうですし、そういう意味では、アフリカの音楽とはまた違う、独特の音楽性を感じますし、その独自性は、私たちにとっては、アフリカ音楽以上に馴染みやすいものを感じます。

そんな訳で、パッと聴きはちょっと地味にも感じるかもしれませんが、聴けば聴くほど、徐々にはまっていってしまう中毒性の高いアルバムでした。「ワールドミュージック」というと、ちょっと敷居が高く感じられるかもしれませんが、いい意味で、ポップスの延長で楽しめる作品だと思います。お勧めです。

評価:★★★★★

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2011年11月 9日 (水)

ロック系が目立つチャート

祝!ドラゴンズ、クライマックスリーグ突破!

落合監督になって5回目となる日本シリーズですが、セパ1位同士というのははじめて。ようやく、本当の意味での日本シリーズを見ることが出来るなぁ、と思うのと共に、クライマックスリーグなどという、無意味なイベントは一刻も早く廃止してほしいものです。

ホークスを倒して日本一というのは、ドラゴンズファンの贔屓目で見ても、かなり厳しいと思うのですが、「経験」という点のみではホークスを上回っているだけに、なんとか日本一を勝ち取って、落合監督の花道として欲しいです!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

さて、最近はAKB48がらみばかりが目立ちますが、もう一方の雄(?)「迷宮ラブソング」が今週は1位獲得です。フジテレビ系ドラマ「謎解きはディナーのあとで」主題歌。やたら分厚いアレンジが、ちょっと90年代を感じます。初動売上は53万枚。前作「Lotus」の54万1千枚より若干ダウン。自己最高記録をマークした前々作「果てしない空」の57万2千枚以降、徐々にダウンしていっているのが気にかかります。まあ、握手会の参加券や、人気投票の投票券などをつければ、一気に売上ははねあがりそうですが(苦笑)。

2位は3人組アイドルユニットPerfume「スパイス」がランクイン。こちらもTBS系ドラマ「専業主婦探偵~私はシャドウ」主題歌で、もちろん中田ヤスタカの手による作品。ちょっとアンニュイな雰囲気のエレクトロチューン。初動7万5千枚で、前作「レーザービーム」の9万3千枚から大きくダウンしてしまいました。好タイアップだったのですが、ダンスチューンじゃなかったのがマイナス要素だったのでしょうか?

3位は、AKB48「風は吹いている」が先週の1位から2ランクダウンで、この位置につけています。

以下、4位以下の初登場曲なのですが、今週は、10月スタートのドラマ主題歌が目立つ一方で、ロック系ミュージシャンが目立つチャートとなりました。

初登場では、5位に椎名林檎「カーネーション」、6位に先週の着うたチャートでもランクインした斉藤和義「やさしくなりたい」、そして8位にはロックバンド10-FEET「その向こうへ」がそれぞれランクインしています。

今回はソロ名義でのリリースとなった椎名林檎の最新作は、NHK連続テレビ小説「カーネーション」主題歌。ストリングスをふんだんに取り入れた、スケール感のあるナンバーになっています。ソロ名義では、2009年の「ありあまる富」以来2年半ぶり。ただ、初動売上1万8千枚は、「ありあまる富」の4万1千枚から大きくダウンしてしまいました。東京事変としての最新作「空が鳴っている」も、初動で4万1千枚を売り上げているので、かなり苦戦する結果になってしまっています・・・。

アルバムも好調なせっちゃんの最新作もドラマ主題歌。日テレ系ドラマ「家政婦のミタ」主題歌で、歌謡曲風メロにちょっと懐かしさも感じるギターロックナンバー。すっかり替え歌の方が有名になってしまった「ずっと好きだった」以来のシングルで、初動売上も1万4千枚から1万5千枚に若干アップ。好調が続いています。

そして、ここ最近、コンスタントにシングルをベスト10入りさせてくるようになってきた10-FEETは京都出身の3人組ハードコアバンド。メロディアスで哀愁あるメロが印象的なナンバーになっています。初動売上は、前作「hammer ska」の9千枚から大きくアップの1万4千枚。人気を確固たるものとしてきています。

他にBUMP OF CHIKEN「ゼロ」が7位にランクインおり、今週はロック系、特に「ロキノン系」といわれそうなミュージシャンが目立つチャートとなっています。ROCKIN'ON JAPANに出てくるといえば、Perfumeもなので、半数が、いわゆるロキノン系と呼ばれそうなミュージシャンということでしょうか?

で、残りはいずれも韓流男性アイドルグループ。4位に2PM「Ultra Lover」、9位にSM☆SH「STEP」がそれぞれランクインしています。

2PM「Ultra Lover」は、ちょっとジャニーズ系の入ったようなR&B風ポップ。初動売上は6万5千枚。前作「I'm your man」の6万9千枚から若干のダウンです。SM☆SHもR&B風ポップで、こちらはミディアムチューン。初動売上1万4千枚は、前作「Bounce★up」の1万1千枚からアップです。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2011年11月 8日 (火)

いまでも第一線

Title:つボイノリオ ゴールデン☆ベスト
Musician:つボイノリオ

つボイノリオ ゴールデン☆ベスト

名古屋が誇る、コミックミュージシャン、つボイノリオのベストアルバムが発売されました。

つボイノリオといえば、いわゆる「ぎなた読み」を利用した歌詞が、衝撃的(?)だった「金太の大冒険」や、名古屋愛を大いに歌い、ネット上で話題騒然となった「名古屋はええよ!やっとかめ」などが全国的には有名ですが、他にも名曲珍曲よりどりみどり!抱腹絶倒のベスト盤です!

内容的には、1976年にリリースされた、彼唯一のオリジナルアルバム「ジョーズ・ヘタ」の曲がそのまま収録されており、それに続く形で、オリジナルアルバム未収録のシングル曲や、1996年にリリースされたベスト盤「あっ超ー」収録曲が並んでいる構成になっています。

「ジョーズ・ヘタ」収録の序盤の曲に関しては、さすがに時代を感じさせる曲もあるものの、浪曲やら歌謡曲やら、当時はやりのフォークソングやらの要素をたくみに取り込んだ音楽は、しっかりと耳に残るインパクトもあり、ミュージシャンとしての実力も感じさせます。

ご存知「金太の大冒険」と同じ手法を用いた「極付けお万の方」「吉田松陰物語」は、ネタとしては馬鹿馬鹿しいのですが(笑)、よくこう同じネタで考えて、それなりに物語的に仕上げてきているなぁ、と、感心しながらも、やはり爆笑してしまいます。

2枚目には、2000年代になってからの曲も収録されているのですが、2000年代になっても、はっきりいって、全く変わっていません(笑)。インカ帝国の初代国王マンコ・カパックの物語を読み込んだ壮大な「インカ帝国の成立」や、愛・地球博にあわせ、世界の地名を歌に読み込んだ「世界の国からあそこから」など・・・ただ、ユニークなのですが、「金太の大冒険」と比べると、「聴けばすぐわかる!」というよりもユニークさにちょっと説明がいるのが残念・・・。ただ、いまだに笑いを追及する、現役感は、ヒシヒシと感じさせますし、その実力は、全く衰えていないことも感じさせます。

2枚組のベストなのですが、2枚目が、わずか6曲入りで、未収録曲をもっと収録してほしかったなぁ~。あと、新曲が全く収録されていないのも残念。この2点はマイナスポイントかも・・・。

ただ、その点を差し引いても、是非とも聴いて欲しいベストアルバム。壺にはまる人は、はまりまくる内容だと思います。「コミック・ソング」と馬鹿にするなかれ。どの曲も、よくよく考えられていて、歌詞とメロディー、アレンジもしっかりマッチしていて、曲としても一級品です。

評価:★★★★★

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2011年11月 7日 (月)

さらに大きく成長!

Title:homely
Musician:OGRE YOU ASSHOLE

homely

OGRE YOU ASSHOLEの新作が、すごいことになっています!

いままでのOGRE YOU ASSHOLEは、独特の個性が前面に押し出されていて、ワン・アンド・オンリー的なインディーギターロックバンドとして注目をしていたのですが、今回の新作では、それがさらに一歩深化したような印象を強く受けました。

音数を絞ったシンプルな音づくり、という意味では、前作「浮かれている人」の延長線とも取れるかもしれません。例えば「フェンスのある家」では、どこかパーカッションがアフロビートの匂いがしたり、「ライフワーク」でも、ギターが妙にファンキーだったりと、微妙に感じるブラック・ミュージックテイストも前作から引き続き。このリズム感が、癖になったりします。

そんな中で、ひとつ大きな特徴に感じたのは、今回のアルバムで、ホーンセッションを取り入れたこと。ある意味、ギターバンドとしてタイトなサウンドを作ってきたバンドが、ホーンセッションを取り入れるというのは大きな冒険だったかもしれません。ただ、それによって、グッと音の世界が広がったように思いました。

ホーンセッションを入れることによって、サウンドがトゥー・マッチになってしまうケースは少なくないのですが、、このアルバムの中で鳴り響く音はシンプルながらも実に効果的。「フェンスのある家」では、フリージャズな雰囲気を曲に与えていますし、「ふたつの段階」のフリーキーなサックスも、シンプルながらも、はっきりとした主張が感じられます。

一方で、どこか人なつっこさも感じられるポップなメロも相変わらず。確かに、明確なフックがあったりする訳ではないものの、シンプルなメロは、おそらく多くの人が、素直に「ポップだ」と感じられるものではないでしょうか?特に最後の「羊と人」は、フュージョンテイストのサックスも聴きやすく、爽やかなポップに仕上がっています。

あえて言えば、寓話的な歌詞は相変わらずだったものの、一度聴いて「え?」と惹き付けられるような、インパクトのある歌詞の一節がなかったのはちょっと残念だったかな?ただ、そこらへんを差し引いても、間違いなく彼らが階段を大きく一歩昇った、最高傑作だったと思います。なんか、最近続いてるのですが、こちらも本年度の年間ベスト級の傑作!OGRE YOU ASSHOLE、ますますおもしろくなっていくバンドです。

評価:★★★★★

OGRE YOU ASSHOLE 過去の作品
しらないあいずしらせる子
フォグランプ
浮かれている人


ほかに聴いたアルバム

YOKOHAMA LAUGHTER/サイプレス上野とロベルト吉野

YOKOHAMA LAUGHTER

前作「WONDER WHEEL」と同様、「これは!」といった感じの衝撃みたいなものはないものの、いい意味での安定感があって、バラエティー豊かなラップチューンを聴かせてくれるのは相変わらず。「BUMP」「しゅばばばJAPAN」はいい意味でのヒットポテンシャルも感じあれるポップなナンバー。クレイジーケンバンドの「空っぽの街角」のREMIXも、アルバムの中のちょうどよいインパクトに。わずか8曲入りという、事実上のミニアルバムなのが、ちょっと物足りないというか、本領発揮する前に終わってしまっている印象も。

評価:★★★★

サイプレス上野とロベルト吉野 過去の作品
WONDER WHEEL

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2011年11月 6日 (日)

ハナレグミの様々な顔が見れます。

Title:オアシス
Musician:ハナレグミ

オアシス(通常盤)

ハナレグミ約2年ぶりとなるニューアルバム。昨年秋に、プライベート・スタジオを立ち上げたそうで、そのプライベート・スタジオで録音した、はじめてのアルバムということになります。

気のあった仲間たちと作られた・・・というだけあって、ロック・ステディー風の「Crazy Love」に、ラテン風のリズムが軽快な、表題曲「オアシス」と、とにかく楽しげでアップテンポなナンバーが並んでいます。

・・・と思ったら、続く「Spark」からは、アコースティックに聴かせるナンバーに突入と、一気に雰囲気がかわりますし、かと思えば「ごっつあんです~今夜はジュワイ欲中毒~」「か!た!!かたち!!!」は言葉遊びがユニークな、ファンクナンバーで再び雰囲気が変わります。

しかし、さらに終盤、再びアコギで聴かせるナンバーに。特に、死を通じて、人間の内面を描いた「天国さん」の歌詞は、まじで泣けます!最後の「ちきしょー」もしんみりと締めくくり、静かにアルバムは終わります。

静かな曲で聴かせる曲をメインに据えながら、ユニークでファンキーな曲や、にぎやかな曲も要所要所をしめており、バラエティーの富んだ内容になっています。ただ、全体的には、やはり心に染みるようなポップスナンバーが多く、しんみりと聴かせるアルバムになっているなぁ、という印象を受けました。

プライベート・スタジオで気のあった仲間たちと・・・という意味で、いい意味で肩の力も抜けたアルバムというのは、いままでと一緒。一方で、それにも関わらず、悪い意味で内向きになっていないのは、ハナレグミ永積タカシ自身が持っている、ポップスセンスのバランスの良さがあってのことなのかな?いい意味で、相変わらずの安定感を持った傑作でした。

評価:★★★★★

ハナレグミ 過去の作品
あいのわ

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2011年11月 5日 (土)

「カーターシリーズ」最新作

Title:THA CARTER IV
Musician:LIL WAYNE

カーターIV

アメリカで大人気のラッパーによる最新作。「カーターシリーズ」と名づけられたシリーズの第4弾。前作「THA CARTER III」は、高い評価を受けましたが、続く4作目も、ビルボードチャートで初動96万枚を突破するなど大ヒット。多くのファンが待ちわびていたアルバムということがわかります。

そんな「カーターシリーズ」の最新作なのですが、いい意味で非常に聴きやすい、ポップでありながら力強いHIP HOPの楽曲が並んでいます。

先行シングルとなった「6 FOOT 7 FOOT」はどこかユーモラスですし、続く「NIGHTMARES OF THE BOTTOM」は、ピアノでしんみりと聴かせる作風。「HOW TO HATE」は、T-PAINがお得意のオートチューンを使いつつ、メロウな歌声を聴かせてくれます。

また、他にもJOHN LEGENDの哀愁あふれるボーカルと、LIL WAYNEの力強いラップが対照的な「HOW TO LOVE」や、エレクトロアレンジの「TWO SHOTS」など、最後までバラエティー豊富な作風で飽きさせません。

斬新さみたいなものはあまりないものの、その分、しっかりとラッパーとしての実力で勝負したように感じられるアルバム。そういう意味で、とても安心して楽しめた作品でした。

評価:★★★★★

LIL WAYNE 過去の作品
THA CARTER III


ほかに聴いたアルバム

Mean Old Man/Jerry Lee Lewis

Mean Old Man

1950年代後半、ロックンロール黎明期に活躍した、リビング・レジェンド、ジェリー・リー・ルイスの最新作。エリック・クラプトンやミック・ジャガー、キース・リチャードといった、豪華なメンバーがゲストとして参加している点からも、彼のロックに対する影響力の大きさを感じさせます。楽曲は、カントリー色の強い軽快なロックンロールがメイン。オールドスタイルといえばオールドスタイルなのですが、いまなお現役感もあり、御歳76歳になる彼ですが、いまだに音楽に対する意欲を感じさせる新作です。

評価:★★★★

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2011年11月 4日 (金)

どちらも新譜は少なめ

今週の着うたチャート

2011年10月26日~2011年11月1日付チャート

今週も、2週連続、あのアイドルグループの新曲が1位獲得です。

【多売特典生写真付き】風は吹いている (Type-B)(通常盤)

1位は、今週のシングルチャートでも1位を獲得したAKB48「風は吹いている」が2週連続1位を獲得しています。2位はソナーポケット「365日のラブストーリー。」、3位にはLGMonkees「3090~愛のうた~」がそれぞれ先週から引き続きのランクイン。ベスト3は先週から変わらず、という結果になっています。

ソナーポケットに関しては、この曲のヒットにあわせてか、デビューシングル「好きだよ。~100回の後悔~」が先週の14位から6位にランクアップ。8月30日付チャートで8位にランクインして以来のベスト10返り咲きとなりました。

初登場最高位は5位。LGYankeesなどを擁する仙台のレーベル、NO DOUBT TRACKSの女性ボーカリストNoa「Dear Best Friend feat. LGMonkees」がランクインです。12月7日リリース予定のアルバム「N」からの先行配信になります。

10位には、韓国の女性アイドルグループ少女時代「The Boys(Korean Ver.)」がランクイン。韓国で発売された同名のアルバムのタイトルトラックで、今風な、ダンサナブルなR&Bチューンが、彼女らしいナンバー。

最後。9位には、斉藤和義「やさしくなりたい」が先週の17位からランクアップし、初登場から2週目にしてベスト10入りです。アルバム「45 Stones」も好調の彼ですが、この曲は、11月2日にリリースされたシングルで、日テレ系ドラマ「家政婦のミタ」主題歌。ドラマはなかなか好調のようなので、この曲も大ヒットを記録する、か??


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、ちょっと初登場は少なめです・・・。

ネバー・モア -「ペルソナ4」輪廻転生- 初回仕様限定版特典付き(特典付きは無くなり次第終了)

まず1位は、人気ロールプレイングゲーム「ペルソナ4」のアレンジアルバム「ネバー・モア-『ペルソナ4』輪廻転生-」が見事1位を獲得しています。このアルバムは、「ペルソナ4」の音楽を、ゲームで音楽を担当した目黒将司らの手によりアレンジして新規に録りなおした作品だそうです。「アレンジアルバム」って表現、はじめて聞いたのですが・・・リミックスアルバムと同義?

2位には、韓国の人気女性アイドルグループ少女時代の、韓国でのアルバム「The Boys」が、先週の16位から一気にランクアップしてランクイン。今週の売上2万1千枚は、日本でのデビューアルバム「GIRL'S GENERATION」の23万2千枚を大きく下回っていますが、韓国語で歌われた韓国のアルバムの輸入盤なので、かなりコアなファンしか買わなかった影響でしょう。

3位は、イギリスの人気ロックバンドCOLDPLAY「MYL OXYL OTO」が2週連続で3位にランクインしています。ちなみに10月30日付の全英アルバムチャートでは、当然のように1位にランクインしています。

実は今週、初登場はあと1枚のみ。4位に3人組ギターロックバンドback numberのメジャーデビューアルバム「スーパースター」がランクインです。正統派のギターロックバンドなのですが、切ないメロディーが話題となり、このアルバムで初のベスト10入り。インディー時代のミニアルバム「あとのまつり」は最高位55位だったので、その人気急騰ぶりがうかがえます。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。CD評は、また来週の水曜日に~。

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2011年11月 3日 (木)

イタタタタ・・・

Title:僕たちの未来
Musician:柴田淳

僕たちの未来【通常盤】(CD)

やばい!!このアルバムはやばいです!

いや、若者言葉で「すごい」ってことじゃなくて。確かに、すごいアルバムではあるのですが

切なすぎるんです、今回のアルバム・・・(T T)

1曲目「この世の果て」からして、いきなり

「空の雲はあてなく漂って
風は鳥と共に歌い
窓の外は自由に満ち溢れてて

優しかったはずのあなたが私を
今日は傷つけるなんて
信じた私が馬鹿だと泣いては
笑った」

(「この世の果て」より 作詞 柴田淳)

ですよ!なんというか、風景描写と、失恋を描く心象描写の対比が切なすぎます・・・。

インタビューによると、実の母が絶句したという「願い」も強烈。35歳になった彼女のリアリティーがそのまま描かれた歌詞は、35歳という世代に直撃するような心理なのではないでしょうか。男性と女性という大きな差はあれど、心に突き刺さります。いや、逆に男性だからこそ突き刺さる部分もあるのかも。

こんなリアルな女性心理を歌い上げる彼女の声も、切なく、痛さがヒシヒシと伝わるようなボーカル。お得意の失恋ソングが多いのですが、今回はいつになく痛さとリアリティーが増しているように感じます。

メロディーも歌謡曲風で哀愁たっぷりの曲も多く、特に典型的だったのが「ハーブティー」。これでもかという哀愁たっぷりの泣きのメロディーが胸に突き刺さります。他にも、切なくなるメロディーの曲が、歌詞の痛さを一層引き立てています。

今回はユーモアなお遊び曲もなく、彼女の本気度が増したように感じられるアルバム。柴田淳らしさが、より強く前に出ている作品は、痛々しさ満載!シバジュンのアルバムとしても最高傑作レベルですし、先日に引き続き、年間ベストレベルの傑作でした!女性陣は、心に染み入りながら、男性陣は、その突き刺さる歌詞を覚悟して聴くべし。

評価:★★★★★

柴田淳 過去の作品
親愛なる君へ
ゴーストライター

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2011年11月 2日 (水)

またも初動100万枚突破

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

うんざり気味のAKB48関連ですが、今週は本丸が登場です。

【多売特典生写真付き】風は吹いている (Type-A)(通常盤)

今週の1位は、AKB48の新作「風は吹いている」。歌詞は、東日本大震災被災者への応援歌になっているそうです。マイナーコードの曲調は、メロは耳に残るものの、とりたてて特徴のない感じ。初動売上は、本作も130万枚と、100万枚を突破。ただし、前作「フライングゲット」の135万4千枚からダウン。彼女たちにとって、はじめての初動売上減となり、彼女たちにとっては、逆風が吹いている結果に。ただ、下げ幅はわずか5万4千枚なので、これがターニングポイントになるかどうかは、次回作の売上次第でしょう・・・。

2位は、K-POP男性アイドルグループMBLAQ「Baby U!」。初動4万2千枚は、前作「your luv」の4万枚から若干のアップ。日テレ系アニメ「べるぜバブ」のオープニングテーマで、曲調は、完全なJ-POP風のアイドル歌謡曲。若干のアップはアニメタイアップ効果か?ただ、K-POPを好む層とアニメを好む層は、完全に相容れないような気もするのですが。

3位には、BUMP OF CHICKEN「ゼロ」が、先週2位よりワンランクダウンに留まり、2週目のベスト3キープ。ゲームソフト「FINAL FANTASY 零式」テーマソングというタイアップ効果がもろに出ている模様。まだまだ伸びるか?

以下、初登場曲は・・・

4位に人気子役芦田愛菜の、ソロ名義では初となるシングル「ステキな日曜日~Gyu Gyu グッデイ!~」がランクイン。モータウン風のビートで、かわいらしい声が印象的。インパクトのあるフレーズは、あきらかに「マル・マル・モリ・モリ!」の2匹目のどじょうを狙っている感も。

発売時でわずか7歳4ヶ月で、女性ソロとしては、「山口さんちのツトム君」をランクインさせた斉藤こず恵の8歳9ヶ月を大幅に上回る記録だとか。この手のジャリタレは昔からよく出てきているのですが、あまりの人気ぶりにちゃんと勉強と両立しているのか、彼女の将来を心配する声もありますが、気になるところです。

7位には、人気声優によるグループスフィア「HIGH POWERED」がランクイン。テレビ東京系アニメ「侵略!?イカ娘」オープニングテーマのエレクトロなポップチューン。前作「LET・ME・DO!!」の初動1万5千枚に対して、1万4千枚とほぼ横バイ。

9位初登場はヴィジュアル系バンドSuG「Toy Soldier」。軽快なポップスロックのナンバーは、耳障りもよくて、売れそうなタイプの曲。ただ、初動売上1万2千枚は、前作「☆ギミギミ☆」の初動1万8千枚からは大きくダウンしてしまいました。

10位には、友達つくり隊「残念系隣人部★★☆(星二つ半)」がランクイン。微妙にセンスの悪い秋元康のようなミュージシャン名ですが(いや、そもそも秋元康はセンスがいいのか?)、AKB48の派生ユニットではなく、TBS系アニメ「僕は友達が少ない」のオープニングテーマで、アニメの中の声優が組んだ企画ユニット。テンポのよいエレクトロなポップチューンは、いかにもアニソンらしい雰囲気。

今週のシングルチャートは以上!着うた&アルバムチャートは、金曜日に~。

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2011年11月 1日 (火)

ほどよいバランス

Title:THE WHOLE LOVE
Musician:WILCO

Whole Love

アメリカのレディオヘッド・・・・・・

そんな呼ばれ方もしているようですね。アメリカのオルタナティヴロックバンド、WILCOのニューアルバム。そういうイメージで、このアルバムを聴きはじめると、まず1曲目「Art Of Almost」で、そのスペーシーでサイケな、ポストロック色の強い作風に、確かにレディへっぽいかも!と思いました・・・1曲目、は。

ただ、それ以降は、RADIOHEAD的な音を求めてアルバムを聴くと、ちょっと肩透かしを食らうかもしれません。

個人的にノイジーなギターにポップなメロが壺な「I Might」やら、フォーキーなメロディーが心に染みる「Black Moon」やら(ただ、ライナーツノートによると、この曲、ヴォーカルのジェフによると「感じの悪い曲」だそうで、そういう面、彼らのひねくれた部分も感じます(笑))、基本的にはポップなメロディーを聴かせる曲がメインになっていて、いい意味で、「聴きやすい」アルバムになっています。

ま、もっともRADIOHEADにしても、メロディーを取り出せば、意外とポップで聴きやすい面が見え隠れする訳なんですが。ただ、RADIOHEADとの比較で言ってしまうと、もっと鬱で湿った感じの曲調が多いレディへに比べると、「Open Mind」なんが典型ですが、もっとカントリーで泥臭さも感じられる、ある意味アメリカらしい曲調が彼らの特徴のように感じました。

ただ、ポップで聴きやすいとはいえ、単純なギターロックとも違うのがまた、WILCOらしさなんでしょうか?曲を聴けば、ポップな楽曲の中に、ユニークな音、おもしろい構成が紛れ込んだりしているだけに、楽曲の展開がおもしろく、聴いていて、ついついはまり込んでしまいます。

アルバム自体の構成も、「Art Of Almost」という大曲ではじまって、ラストも12分にも及ぶ、しかし1曲目とは全く対極な「One Sunday Morning(Song For Jane Smiley's Boyfriend)」というのもユニークに感じます。いろいろなところに彼らのこだわりみたいなものを感じられる、非常によくできた名盤だと思います。

ポップス性にしろ、先駆性にしろ、いろいろな意味でバランスの良さを感じるなぁ。カントリーからバラード、ギターロックなど、様々な曲もバランスよく収録されているし。ある意味、バランスが良すぎる(=少々狙いすぎ?)という点が気になるといえば気になる部分かもしれませんが、そこを差し引いても、今年の年間ベストレベルの名盤だと思います。小難しいこと抜きに楽しめるし、聴き込めば聴き込むほどおもしろい、そんなアルバムでした。

評価:★★★★★

WILCO 過去の作品
Wilco(This Album)


ほかに聴いたアルバム

EPIC/R.Kelly

Epic

このアルバムは、新作ではなく、バラードナンバーを収録したコンピレーションベスト。R.Kellyといえば、「エロ」という側面と、ゴスペルやソウルの影響を強く受けたソウルシンガーという側面の両方があるのですが、このアルバムでは、これでもかというほどの心に響くバラードナンバーをソウルフルに聴かせてくれます。いろんな意味で、安心して聴ける作品。

評価:★★★★★

R.Kelly 過去の作品
Double Up
Untitled
Love Letter

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