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2011年10月16日 (日)

あるインディーレーベルの歴史

先日、ようやく名古屋でも公開された、この映画を見に行きました!

すいません、英語版の予告編なのですが・・・「UPSIDE DOWN~The Creation Records Story」です。

oasis、ジザメリ、マイブラ、TEENAGE FANCLUB、primal scream、RIDE・・・いずれも90年代を代表するイギリスのギターロックバンドですが、彼らに共通する点、そう、それは90年代を代表するイギリスのインディーレーベル、クリエイション・レコーズから出てきたミュージシャンという点。個人的にも大好きだったインディーレーベルで、今回、そのクリエイション・レコーズの歴史を追ったドキュメンタリー映画を見に行きました。

ちなみに、この映画のサントラ盤は、既に聴いていて、以前、ここでも紹介させていただきました。

映画は、基本的に、設立者のアラン・マッギーや、ノエル・ギャラガー、ボビー・ギレスビーなど、クリエイションを代表するミュージシャンや関係者のインタビューをベースに進められ、その合間合間に、その当時の映像が挿入されるというスタイルで進んでいきました。

最初は、アラン・マッギーとボビー・ギレスビーの出会いからはじまり、クリエイションを代表するミュージシャンたちが、どのようにクリエイション及びアランと出会ったか、という証言からスタート。その中で、ジザメリのデビューあり、「LOADED」や「screamadelica」の大ヒットあり、さらには衝撃的なoasisのデビューとアメリカ制覇という全盛期を経て、終焉まで、一気に描いていきました。

関係者の証言が中心だったので、序盤、ちょっと退屈してしまった部分もあったのですが、中盤、primal screamのブレイクのあたりから、徐々に面白くなり、最後はすっかりとはまってしまいました。ほぼ証言だけで、一つの物語を作り上げていて、関係者の証言を切り貼りしてドキュメンタリーにするという手法は、よく見受けられる方法なのですが、それだけで、これほどの物語を見せてしまうというのは、とても見事だと思います。

以下、ネタバレの感想

これを見て感じたのは、アラン・マッギーをはじめとして関係者やミュージシャン全員、最後までインディーズとしての精神を持ち続け、純粋に音楽を愛し続け、そしてインディー精神を持ったまま、レーベルを閉じたんだなぁ、ということでした。

ここ最近、特にCDの売り上げが落ち込んでから、「音楽の話」をする時、しばしば音楽自体ではなく、その「売り方」が話題の中心になるケースが多くなってしまっているように思います。

特に典型的なのはAKB48がらみで、彼女たちはアイドルなので、音楽自体よりも、彼女たち自体が話題の中心になるのは仕方ないにしても、もっぱらそのビジネスモデルが話題となり、プロデューサーの秋元康は、まるで売れっ子ビジネスマンのように経済誌に取り上げられる始末。音楽自体が話題の中心になることはありません。

それに比べてクリエイション・レーベルは、契約をするミュージシャンは、あくまでもアラン・マッギーが、その音を気に入ったミュージシャンばかり。そのため、話題も、音楽の話題が中心。そんなレーベルのミュージシャンたちの音楽が多いに売れてヒットチャートをにぎやかにする・・・まさに痛快な話ですし、今からすると、実にうらやましい時代だったんだなぁ、と感じます(まあ、ブリットポップは、リアルタイムでは結構叩かれていましたが)。

今の日本、CDが売れなくなってしまったのは、音楽が話題の中心から去り、ビジネスマンが作る音楽が、チャートを席巻するようになったから、なのでは?とまで思ってしまいました。

ただし、映画は全体的には説明不足。途中、アラン・マッギーが薬物中毒で生命の危機に陥るような話がありましたが、その後、どう乗り越えたか詳しい説明もありませんし、なによりクリエイション・レーベルは最後、経営破たんで閉鎖されるのですが、それについての詳しい説明もありません。

個々のミュージシャンについて詳しい説明もありませんし、そういう意味で、クリエイション・レーベルって名前をはじめて知った、という方にはちょっと厳しい映画かもしれません。ただ、逆に、ジザメリやマイブラ、あるいはoasisあたりにはまったことのある方なら、文句なしに楽しめる傑作映画だと思います。まだ映画をやっている地域の方は、是非一度見てみてください。久しぶりにクリエイションのミュージシャンのアルバムを聴きたくなりました。

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