ビルボードにもランクイン!
Title:DUM SPIRO SPERO
Musician:DIR EN GREY
前作「UROBOROS」から2年9ヶ月ぶりとなるニューアルバム。ビルボードチャートでベスト200入りを記録した前作に引き続き、今回のアルバムも、前作よりは下回るものの、最高位135位を記録しています・・・まあ、135位といわれれば、ちょっと順位的には微妙な感じもするのですが(^^;;こうやって本国のビルボードチャートでDIR EN GREYの名前が出てくると、やはり多かれ少なかれ、アメリカでも受け入れられているんだなぁ、という実感がわきます。
基本的な路線は前作「UROBOROS」と同じ。メタルやヘヴィーロックな、鋭利のあるギターサウンドと、激しいドラムス、デスボイスなども飛び出るボーカルは、リスナーを選びそうですし、いわゆるヴィジュアル系の特徴を引き継いだような、耽美的なボーカルや、いい意味でも微妙な意味でも中2病的な雰囲気の歌詞(まあ、ロックバンドなんて、中2病的な部分を持っていた方が魅力的なのですが)も、リスナーを選びそうな感じもします。
ただ、そんなハードコアなサウンドと、その中でふっと力を抜いたようなメロディーの対比もやはり魅力的。特に「LOTUS」のように、メロディーには歌謡曲的な部分も感じられ、ここらへん、日本のバンドらしい、と言えるのかもしれません。
今回のアルバム、個人的には特に後半。「DECAYED CROW」の狂ったようなサウンドから、スケール感のある「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」へ、そこから「VANITAS」の、アコースティックテイストな出だしから、徐々に盛り上がってくる展開に、特に惹かれるものを感じました。
どうしても、似たタイプの曲が多くなってしまい、最初から聴いていて、ちょっとダレてきたかな?というあたりで、終盤に一気に引き締め、再びリスナーの耳をひきつける展開は、さすがといった感じ。その実力を感じさせてくれました。
何度も書いているように、ある種リスナーを選びそうなバンドではあるとは思うのですが、気に入れば、どんどんはまりこんでいってしまう魅力のあるバンドだと思います。アメリカでも、次はベスト100くらいに入れるくらい、もうちょっとがんばってほしいなぁ・・・厳しいかなぁ?
評価:★★★★★
DIR EN GREY 過去の作品
UROBOROS
ほかに聴いたアルバム
LOVE+LIFE+LOCAL/キマグレン
キマグレンのニューアルバム。いつもながら、夏の海辺にピッタリの、爽やかで軽快なナンバーが続いており、全編、心地よいポップソングなのですが・・・。なんか、全体的にマンネリというか、悪い意味で軽い曲ばかりで、メロディーがいまひとつ単調。最初に聴いた「LIFE」「ZUCHI」では、もっとおもしろい曲を書いていたユニットだと思ったのですが。
評価:★★★
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