ラッパーとしての実力
Title:GO
Musician:KREVA
着うたチャート評を書く時、着うたチャートにランキングしている曲はもちろん一通り聴いているのですが、そこでランクインしてくる、いわゆる着うたヒット狙いのラッパーたちの曲を聴いた後、KREVAのこのアルバムを聴くと・・・・・・申し訳ないけど、ラップを、普遍性あるポップにまとめあげているという点で共通するのに、そのラッパーとしての実力の差を顕著に感じてしまいます。
今回のアルバムに関して、特にそういう感想を強く抱いたのは、フルアルバムとしての前作「心臓」や、ミニアルバム「OASYS」に比べて、ポップなメロディーよりもラップを前面に押し出してきた作品になっていたからでしょう。
力強いラップが非常にリズミカルに展開していくのは、いまさらながら、しっかりとライムを踏んでいるから。まあ、当たり前のことですが・・・さらっと聴くと、ポップで聴きやすい内容にまとまっているのに、言葉がしっかりとリズムに載っているということを、このアルバムではより強く感じました。
今回は、シンセを多用したサウンドを用いていて、いままでよりエレクトロ路線が強く感じられるのも特徴的。一方では、1曲目「基準」では、ロッキンなビートを押し出してきて、リスナーの耳をまず惹きつけ、中盤では、三浦大知をフィーチャーした「蜃気楼」や、阿部真央をフィーチャーした「微炭酸シンドローム」では、それぞれメロウなボーカルを聴かせて、アルバムの中でひとつのインパクトになっていたり。
全体的に、真新しいことに挑戦、といった感じではないのですが、それでも、様々なパターンの曲が並んでいて、最後まで飽きさせません。奇をてらわず、KREVAの魅力をしっかりと伝えるアルバムになっていたように感じました。
評価:★★★★★
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