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2011年9月22日 (木)

ベテランの実力

Title:SOUL QUEST
Musician:MISIA

SOUL QUEST

「ディーヴァ」という言葉。主にR&B系の女性シンガーの総称のように用いられてきました。正直、この言葉も半分死語になってきていますし、一時期、雨後の竹の子のように次々とデビューしていたR&B系の女性シンガーも、かなり少なくなってしまいました。

とはいえ、R&Bというジャンルはすっかり日本にも定着し、今でも多くのR&B系女性シンガーががんばっています。その元祖とも言うべきMISIAもその一人。約1年8ヶ月ぶりのアルバムでも、変わらない歌声を私たちに届けてくれています。

もっとも、売上という面では、かなり厳しいのも事実。前々作「EIGHTH WORLD」では7万枚の初動売上を記録していた売上が、前作「JUST BALLADE」では5万4千枚まで落ち、さらに本作では1万9千枚。もちろん、CD全体の売上下落の影響もあるのでしょうが、それを差し引いても、少々厳しい状況であることには変わりありません。

ところが、売上と反比例するかのように、内容的には充実した作品になっているのがおもしろいところでもあり、残念なところでもあり。どれも力の入った楽曲が並んでいて、ここ数作の内では、最高傑作といえる作品になっていました。

アレンジが今風ながらも、しっかりMISIAの曲として仕上げてきている「THIS IS ME」に、軽快で爽やかなパーティーチューン「MAWARE MAWARE」「素晴らしいもの探しに行こう」のメロウなメロ+ラップというのは、ちょっと流行りのスタイルを追い求めちゃったのかな?とも思いつつ、やはりMUROと組んだ曲なだけに、単純な着うたヒット狙いの曲とは、格の違いを見せ付けています。

一方、やはりメインとなるのはバラードナンバー。ストリングスを思いっきり入れてきて、壮大なナンバーになっている「記憶」や、ピアノをバックに、そのボーカルを聴かせる「LIFE IN HARMONY」など、こちらもしっかりと聴かせてくれます。前作「JUST BALLADE」では、似たようなタイプのバラードが多く気になったのですが、今回も正直、似たタイプの曲は何曲か。とはいえ、前作ほど聴いていて飽きが来なかったのは、その他のタイプの曲も多かったのと、やはり楽曲自体の出来の良さゆえでしょうか?

MISIAここに健在をアピールするのは十分すぎる、力の入った傑作になっていました。これで、売上が急落、というのは残念だなぁ・・・。これだけの作品をまだリリースできるということは、これから、また人気が再燃する、ことを願って・・・。

評価:★★★★★

MISIA 過去の作品
EIGHTH WORLD
JUST BALLADE

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