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2011年9月27日 (火)

3人のギタリストの目を通じて

先日、名古屋伏見のミリオン座で、この映画を見てきました!

映画「ゲット・ラウド」。ジミー・ペイジと、U2のジ・エッジ、さらに元ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトという3人のギタリストの対談をベースに描かれたドキュメンタリー映画で、3人の貴重なジャム・セッションの模様も収められている、ということで話題となっています。

ギタリストによるギターを主軸とした映画、ということでギター未経験の私にとっては、ちょっとわかりにくい部分もあるのかなぁ・・・なんてことを思いながら見に行ったのですが、内容的に主軸となるのは、3人のギタリストの過去を語る物語。それも必ずしもギターの部分のみに限らないため、ロックのドキュメンタリーとして楽しむことが出来た映画で、断片的とはいえ、貴重な過去の映像なども収録されており、ロックファンなら、絶対楽しめる作品だと思います。

以下、ネタバレありの感想です。

最初、この映画で、ちょっと疑問に思っていたところがありました。それは、3人のギタリスト、という時に、なぜ、この3人なのか?という点でした。ロックにおいて、代表的なギタリストを3人あげよ、と言われた時、ジミー・ペイジはともかくとして、おそらく他の2人については、多くの方が、他のギタリストをあげるのでは?

ただ、映画を見ると、この3人が選ばれた理由は納得しました。おそらく監督がこの映画で描きたかったのは、3人のギタリストの目を通じてみた、「ロックの歴史」なのではないでしょうか?そういう観点で見ると、この3人のギタリストというのは、実に対照的な立場にいることに気がつかされました。

いわばロックがまだ若く、成長段階にあった時期に活躍したギタリストのジミー・ペイジ、ロックという音楽が、成熟期を迎えたころのジ・エッジ、そして現在、ロックが既にポピュラーミュージックの主役ではなくなった今のギタリスト、ジャック・ホワイト。それぞれが語る物語も、そんな時代を反映させたもの。純粋にギターを弾け、表現できる喜びを感じたジミー・ペイジの話、ロックと社会の関わりを模索していたように感じたジ・エッジ、そして、ロックのルーツであるブルースへの憧憬を無邪気に語るジャック・ホワイト。3人がそれぞれの活動を語った今回のドキュメンタリーが、そのままロックの歩みにもなっている、そう感じました。

正直、3人の対談の部分や、ジャム・セッションの部分については、思ったよりも短くて、ちょっと肩すかし気味だったのが残念。予告編で「殴り合いになるかもね」とジャック・ホワイトが語っていましたが、殴り合いどころが、白熱した議論、といった感じでもなかったし・・・。

ただ、そういう点を除いても、実によく出来たロックのドキュメンタリーだと思いました。特に、冒頭にも書いた通り、ギターについてのドキュメンタリーかと思っていただけに、ちょっとわかりにくい部分もあるかなぁ、と思っていたのですが、ギターに興味がある方はもちろんのこと、ギターに詳しくなくても、ロックが好きなら時間があっという間に過ぎるドキュメンタリーだと思います。

まだ、各地で上演中の作品。ロックファンなら、いまのうちに映画館へ急いで~!

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