ロックンロールで世界一周?
Title:ロックンロール世界旅行
Musician:ザ50回転ズ
ガレージロックバンドザ50回転ズのニューアルバムのコンセプトはとてもユニーク。タイトルの通り、疑似世界旅行を銘打って、世界の様々な音楽をロックと融合させています。
しかし、それはしっかりと元のジャンルの曲を聴きこんで、自らの音楽として取り込んだ・・・という、堅苦しいスタイルではありません。完全に「なんちゃって」。あくまでも世界各国の音楽をイメージで取り込んだとか。なんとも彼ららしい話です。
実際、間奏がハワイアン風な「ハワイはいいわ」やら、ロシア風・・・というよりもムード歌謡調な「ベラルーシより愛をこめて」やら、ラテン風に爽やかに聴かせる「カリブ野郎に気をつけろ!」やら・・・ハワイアンやらラテンやらスカやら、世界各国の音楽を取り込んでいるのですが、あくまでも「何々風」に過ぎません。それが、アルバム全体に妙なユーモラスとバリエーションを作り出して、最後まで一気に聴ける作品に仕上がっています。
思えば、ロックという音楽は、いままで、様々な音楽と融合してきました。もともと、ロック自体、R&Bとカントリーの融合と言われていますし、その後もインド音楽やら、ジャズやら、ラテンやら、様々な音楽をどんどんと取り込んでいき、最近では、HIP HOPもエレクトロニカも飲み込んでいます。
そういう意味では、実にロックらしいアルバム・・・と言えるかもしれません。ただ、あくまでもイメージ論で「何々風」に仕上げたこのアルバムは、ロックというよりも、ブルースやらラテンやら様々な音楽をイメージだけで取り込んだ、歌謡曲に近いかもしれません。このなんともいえない猥雑さといかがわしさが、強烈な魅力を放っているアルバム。ま、この怪しさもまた、ロックであり、かつ歌謡曲につながりそうなのですが。
評価:★★★★
ザ50回転ズ 過去の作品
50回転ズのビックリ!!
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