偉大なバンド・・・その後。
ミッシェル・ガン・エレファントとブランキー・ジェット・シティー。いずれも90年代後半の日本のロックシーンを名実共に引っ張っていったバンド、といっても異論を唱える人は少ないでしょう。
ただ、解散後に関しては、正直、偉大なバンドの元メンバーというイメージから、なかなか抜け出せないように感じます。今日紹介するのは、ミッシェルとブランキー、それぞれのボーカリストが、今、活動しているバンドの最新作です。
Title:I'M JUST A DOG
Musician:The Birthday
こちらは元ミッシェル。ボーカリストのチバと、ドラマーのクハラが参加しているThe Birthdayの新作。チバユウスケのガナリ声と、ガレージサウンドを融合させると、どうしてもミッシェルのイメージは否めません。
とはいえ、新ギタリスト、フジイケンジ(元My Little Lover!)が参加した今回のアルバムは、いつになく陽気でポップなアルバムになっています。もともとミッシェルも、ヘヴィーなバンドサウンドに隠れがちで、意外とメロディーラインはポップだったりするのですが、いい意味で、ミッシェルらしさを引き継いでいるとも言えるかも??
フジイケンジのギターは、とても陽性が強い音を出すのが特徴的。そんなギターを入れたことにより、全体的にポップというベクトルをしっかりと指し示したアルバムになっています。そのため、バンドのメンバー全員が、バンドで音を奏でることをとても楽しんでやっている、そんな印象を受けるアルバムでした。
「元ミッシェルの・・・」というイメージがつきまとうのも否定できないのですが、おそらくバンドメンバーには、「いまだに何を」と笑われそう。The Birthdayというバンドの、新たな一歩を感じさせるニューアルバム。着実に、新たなステップに踏み出した1作でした。
評価:★★★★★
The Birthday 過去の作品
TEAR DROP
MOTEL RADIO SiXTY SiX
NIGHT ON FOOL
WATCH YOUR BLINDSIDE
Title:FREE
Musician:SHERBETS
で、ある種のふっきりを感じるThe Birthdayに対して、もがいているように感じるのがベンジー。ブランキー解散後、「傑作」と呼べる作品になかなか出会えないのですが・・・。
ただ、そんな中でも、比較的良作と感じたのが今回の新作。全体的にバンドサウンドは控えめで、メロディアスな曲が多くなっています。そんな中でも、所々で、グッと来るような音を聴かせてくれるのはさすが。「Nothing For All」のように、静かなストリングスから入り、徐々にサイケテイストに盛り上げている壮大な曲もあったり、耳を惹きつけられます。
とはいえ、メロディアスという点にしても、ポップ路線に吹っ切れたわけでもなく、少々中途半端さも感じてしまったもの事実。悪くはないアルバムだとは思うんだけども・・・。
評価:★★★★
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