ボーカルに圧巻の一言
Title:I Owe It All to The Word
Musician:Paster Mitty Collier
今回、このアルバムを聴いてみたのは、もともと「ブルース&ソウル・レコーズ」誌で大きく取り上げられていたのがきっかけ。最近、ブルースにはまっていろいろと聴いているのですが、その流れで、「じゃあ、ゴスペルってどうなんだろう?」と思い、手にとってみたわけです。
ミッティ・コリアというミュージシャンは、もともと1960年代にソウルシンガーとして、チェス・レコードからデビュー。1964年に「I Had A Talk With My Man」がビルボードR&Bチャートで3位に入るなど、人気を得ましたが、1971年にポリープを煩い一度引退。その後はキリスト教に深く帰依し、ゴスペルシンガーとして再デビューしたそうです。
ゴスペルというと、映画「天使にラブソングを」などのヒットなどで日本でもおなじみ。あのこれでもかという声量で歌い上げるスタイルは、ある種のわかりやすさがあるため、日本でも「ゴスペル調」の曲はよく耳にします。ある意味、そのため、「こういう音楽なんだろうなぁ」というのはイメージしやすかったのですが・・・。
正直、最初、バックの演奏に関しては、ちょっとフュージョンぽくて、チープじゃない?と思ってしまいました。ただ、バックは、彼女が信頼を得ているミュージシャンたちを起用しているそうで、「チープ」と感じたのは、単純に好みの問題かもしれないのですが。
しかし、このアルバムで圧倒されたのが、ミッティ・コリアのボーカル。パワフルなボーカルのその声量は、「ゴスペル調」で歌う、日本のシンガーの比ではありません!そのうえ、決して声量をはりあげているわけではなく、深い表現力があり、ゴスペルという音楽の性質からでしょうか、慈愛に満ちた優しさを感じさせるボーカルは、聴いているだけで胸が熱くなりそうでした。
附属のDVDでは、彼女の教会でのライブの模様を収録しているのですが、こちらも圧巻のステージ。歌詞が日本語字幕で表示されるのですが、さすがにキリスト教の教えそのままの歌詞は、無神論者の私にとっては(というか、おそらく非キリスト教徒の日本人にとっては)さすがにちょっと・・・と思ってしまう部分もあるのですが(笑)、そのパフォーマンスは、間違いなく惹きつけられます。
いや、このパワフルなボーカルは、キリスト教徒じゃなくても、説得させられちゃいそう(笑)。これを機に、ゴスペルもいろいろと聴いてみたいな。ボーカルにとにかく圧巻されたアルバムでした。
評価:★★★★★
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