偉大なギタリストの遺作
Title:Doin' alright
Musician:Cornell Dupree
アレサ・フランクリンやサム・クック、ダニー・ハサウェイのバックなどもつとめ、主にソウル系ミュージシャンのセッション・ギタリストとして高い評価を受けた名ギタリストCornell Dupree。今年5月、惜しまれつつ68歳でこの世を去りましたが、3月上旬に録音された、生前最後のアルバムが発売され、話題になっています。
そんなまさに遺作となった今回のアルバム。現場では、酸素吸入器を持ち込んでのレコーディングという状況だったそうで、ちょっと心配になってくる話なのですが・・・1曲目「Doin' Alright」で聴こえてくる彼のギターは・・・いやぁ、ギタープレイは、全然元気があるじゃないですか!
といっても、勢いがあって、若さもある・・・みたいなことはさすがに言えないのですが、一言でいえば味わいがある。陽気なバックのセッションも、ファンキーで勢いがあるのですが、そんなほかのメンバーに全く負けていません。
特にレイ・チャールズの「I Got A Woman」のカバーの出だしのブルージーなギターには、一気に聴き惚れました!他にも「Honky Tonk」や「Squirrel」で聴かせてくれるブルージーなギターの音色はたまらないものがありました。
全体的にフュージョン色が薄くなり、ブルース色の色合いが濃くなったラストアルバム。バックのセッションもノリノリで、「最後かも」という雰囲気があったかどうかは不明なのですが・・・この老名ギタリストを盛り上げようと、みんなで楽しんだんだろうなぁ~。味わいのあるブルージーなギターに、気がつけば耳が惹かれてしまうような傑作でした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Shake/Shiver/Moan /22-20s
もともとは、ブルースロックバンド・・・なのですが、この作品では、ガレージっぽい曲はあれど、ブルース色は薄め。ただ、エッジの効いたバンドサウンドも、意外とメロディアスなメロディーも魅力的で、諸手を挙げる傑作、といった感じよりも、何度か聴いて味わえるようなアルバムに感じました。評価:★★★★
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