若いっていいね!!(笑)
Title:ヘンリーズ革命、後の
Musician:ヘンリーヘンリーズ
30歳も半ばのおやじになると、いくら若ぶった音楽を聴いていても、ちょっと残念なことがあって、それは、「リアルタイムの中高生が、どうやって音楽と接しているのかがわからない」ということ。
自分が高校生の頃は、といえば、B'zやチャゲアス、LINDBERGあたりが人気で、カラオケがはやっていて、カラオケでは徳永やBOOWYやチェッカーズあたりを歌っていたのですが、じゃあ、今の中高生はどんな音楽が人気あるの?いまだにカラオケとか行ったりするの??メディアなどで、「今の中高生の事情」みたいな報道はあるものの、正直なところ、どこまでリアルな内容なのか、よくわかりません。
例えば、自分が高校生の頃は、バンドをやる人が多く、学園祭なんかでは、いくつかの学生バンドが舞台に立っていたのですが・・・今の時代、ロックバンドをやる人って、少なくなっちゃったのかなぁ??
平均年齢若干17歳。バリバリの高校生バンド、ヘンリーヘンリーズ。その若さで、音源もリリースしていなかったにも関わらず、数々の夏フェスに出て話題になったバンドです。そのデビューアルバムである本作を聴いてみて、漠然と、自分の高校時代を思い出すと共に、こういうロックバンドをやっている高校生を、おじさんとしては微笑ましくすら思ったりします。
まだ声変わりをしきっていないような、幼さを感じるボーカルは、高校生らしさを感じます。ただ、それ以外の部分については、本格的なロックンロールバンド。フラワーカンパニーズに強い影響を受けたそうですが、フラカン直系の骨太なガレージパンクサウンドが、耳を惹きます。バンドサウンドは、その演奏技術に圧巻・・・とはいかないのですが、ルーツ・オリエンテッドなサウンドは迫力があって耳を惹き、なにより若々しさと勢いが感じられます。
そんなバンドサウンドもさることながら、歌詞も、ある種、達観した歌詞が高校生離れしているような。
例えば「バカと革命」では
「バカバカバカバカ言うやつバカらしいよね
バカになれない君が悲しい」
(「バカと革命」より)
と妙に達観していたり、なによりも印象に残ったのが「愛と平和の理想論」の歌詞
「たとえそれが理想論で現実見てなくても
そんなことは関係ないかっこいいからしょうがないのさ」
(「愛と平和の理想論」より)
という歌詞は、「あ~ロックとは何か、というのがわかっているなぁ!!」と生意気ながら思ってしまいました。
正直なところ、歌い方は、まんま鈴木圭介だし、サウンドにしても、フラカンからの影響がダイレクトで、よくありがちな音。個性という部分では、まだまだ改善の余地あり、だと思います。
ただ一方、若いがゆえの、ある種向こう見ずな部分も感じさせる楽曲の勢いは、今の時期だからこそ。また、これからの可能性も、まだ無限大に広がっているように感じます。
「評価」はちょっと甘めかもしれませんが、これからの可能性も考慮して。いろいろな意味で「若いっていいなぁ」とおやじ的なことを思ってしまいました(笑)。これからに要注目のバンドです!
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2011年」カテゴリの記事
- これもくるりの最新作(2011.12.27)
- 牧歌的な暖かい作品(2011.12.24)
- 日常と非日常の間(2011.12.22)
- キリンジの意外な側面(2011.12.20)
- ソロアルバムらしいソロアルバム(2011.12.19)
コメント