2人くるりの集大成
Title:ベスト オブ くるり TOWER OF MUSIC LOVER 2
Musician:くるり
くるりといえば、次々とメンバーが変わっていくバンドという印象があって、あらためて、くるりのメンバー遍歴をまとめてみると・・・
以下 コアメンバーの岸田繁、佐藤征史+
+もっくん 3人組 1996年~2001年9月 約5年半
+もっくん、達身 4人組 2001年9月~2002年7月 約11ヶ月
+達身 3人組 2002年7月~2003年11月 約1年4ヶ月
+達身、マグワイヤ 4人組 2003年11月~2004年10月 約11ヶ月
+達身 3人組 2004年10月~2006年12月 約2年2ヶ月
2人のみ 2007年1月~2011年6月 約4年5ヶ月
・・・ちょっと意外だったのは、もっくんを含めた3人組の時代を除くと、2人のみで活動していた時期が、一番長かったんだなぁ、という事実。2人だけのくるりの時代というのは、大きな意味があったのかな?2人くるりの時代をまとめたベスト盤がリリースされ、あらためてそんなことを考えてしまいました。
くるりは、デビュー以来、アルバム毎に違うスタイルの音楽に挑戦していきました。例えば「図鑑」ではオルタナロック色が強くなったり、「TEAM ROCK」ではエレクトロなダンスチューンに挑戦したり。ただ、どのアルバムも、あくまでもくるりはギター+ドラムス+ベースから成り立つバンドである、という縛りがありました。
2人組となった直後のアルバム「ワルツを踊れ」は、そんなバンドの縛りがとれたかのように、管弦楽を導入したアルバムとして話題となりましたが、2人となったくるりは、まさにそんなバンドとしての枠組みをはずれての音楽を目指したように感じます。
もともと、岸田の書くメロディーラインには、デビュー時から定評がありましたが、2人になったくるり(正確にいえば、そのちょっと前から)の曲は、より、メロディーと歌詞をメインに据えた、シンプルな作品が多くなったように感じます。そして、そのメロディーラインは、決して派手ではないものの、リスナーの心を離さないような、味わいのある楽曲が増えていきました。
特に個人的にはここ最近のくるりに関しては、垢抜けたなぁ、という印象を強く受けます。デビュー当初の、京都の大学生インディーバンド、というイメージは、その後も彼らのイメージに強くつきまとっていましたが、ここ最近の彼らの曲からは、そんなインディー臭は消え、ミュージシャンとして一歩上のステージに到達したように感じます。
そんな彼らの名曲ばかりを集めたベストアルバムは、2006年に発売されたベスト盤第1弾に比べると、インパクトという観点からは薄めかもしれません。ただ、間違いなくミュージシャンとしてのさらに高みに昇った、実力を感じさせるベストアルバムになっています。
そして、このアルバム発売と同時に、一気にメンバーが3人に増え、5人組バンドになったくるり。前作「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」は、くるりとしてのひとつの到達点のように感じた傑作でしたが、2人でやれることは、一通りやれた、ということなのでしょうか?またバンドという縛りの中で活動をはじめた彼らが、次にどんな音を出すのか・・・とても楽しみです!!
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2011年」カテゴリの記事
- これもくるりの最新作(2011.12.27)
- 牧歌的な暖かい作品(2011.12.24)
- 日常と非日常の間(2011.12.22)
- キリンジの意外な側面(2011.12.20)
- ソロアルバムらしいソロアルバム(2011.12.19)
コメント