(MONOBRIGHT+ヒダカトオル)÷2
Title:ACME
Musician:MONOBRIGHT
MONOBRIGHTに、元BEAT CRUSADERSのヒダカトオル参加!
この突然のニュースにビックリされた方も多いでしょう。そして、ヒダカトオルが参加したMONOBRIGHTには、期待した方も多い反面、不安に感じた方も多いのではないでしょうか?BEAT CRUSADERS、そしてヒダカトオルといえば、非常に個性の強いミュージシャン。それだけに、いままでのMONOBRIGHTらしさが、ヒダカトオルの個性で塗りつぶされてしまう、そんな懸念を覚えた方も少なくないのではないでしょうか。
まず挨拶代わりにリリースされたのが、今年1月に発売されたミニアルバム「淫ビテーションe.p.」。このアルバムに関しては、期待と不安の中、はっきりいって、不安要素が表に出てしまったアルバムでした。完全にヒダカトオル色に塗られてしまったMONOBRIGHT。残念に思った方も少なくなかったと思います。
ヒダカトオル加入後、初となるフルアルバムである本作。「淫ビテーションe.p.」の内容を考えれば、その内容に不安を覚えつつ、アルバムを聴いたのですが・・・ヒダカトオルにのっとられたかのような前作が嘘のような、しっかりとMONOBRIGHTのアルバムになっていました。
確かに、ヒダカトオル加入の影響は、アルバム全体に強く流れています。「Timeless Melody」あたりは、ビークルっぽいメロが流れていますし、シングアロングな「COME TOGETHER」なども、ヒダカトオルがボーカルで参加し、ビークルっぽい感じの曲に。他にも、「DANCING BABE」などように、分厚いギターサウンドも、ヒダカトオル加入の影響でしょうか?全体的に、以前よりもパンク色が強くなった傾向にはあります。
ただ、妙に耳に残る、ひねくれたメロディーラインは、まさにMONOBRIGHTのそれ。分厚く、パンキッシュになったサウンドの中、彼ららしいメロディーは、しっかりと際立っています。そして、いままでに比べて、メロディーがインパクトを持っているのが特徴的。ここらへん、ちょっとインパクト薄めだったメロディーが、よりインパクトのあるサウンドの中で鳴り響くことにより、楽曲全体の印象が、より強くなった感じがします。ここらへん、ヒダカトオル加入の影響が、吉に働いているのではないでしょうか?
幻想的なギターサウンドに、ちょっと切ないメロが印象的な「夜明けのバル」や、ちょっとシューゲイザー系からの影響も感じる「スロウダイヴ」などを間に挟みつつ、曲のバリエーションもあり、勢いもあり、最後まで一気に聴ける作品だったと思います。
まさに(MONOBRIGHT+ヒダカトオル)÷2となった今回のアルバム。今後の展開も楽しみです!
評価:★★★★★
monobright 過去の作品
monobright one
monobright two
adventure
淫ビテーションe.p.
ほかに聴いたアルバム
NUDE+/黒猫チェルシー
王道のガレージロックバンド。ポップなメロディーは悪くないのですが、正直、音がかなり丸くなっちゃったなぁ。以前のアルバムに感じた、初期衝動的なものはほとんど消えてしまって、悪い意味で「メジャーな音」になってしまいました。インディーズ時代の作品でも、どこか単純な初期衝動とは異なるウィットさを感じるバンドなのですが、そのウィットさが、悪い方向で出てしまったかも・・・残念です。評価:★★★
黒猫チェルシー 過去の作品
All de Fashion
猫Pack
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