とても「キセル」らしい
Title:SUKIMA MUSICS
Musician:キセル
これからの季節、野外で、ちょっと涼しくなりはじめた夕方くらい、ビール片手にキセルのステージを見れたら最高だろうなぁ~~!!!
なんてことを考えながら聴いていたのが、この3枚組のアルバム。いわゆるレア音源集で、1枚目はシングルのカップリング曲、2枚目はカバー曲やコンピレーションアルバムへの提供曲、そして3枚目はレアなインスト曲が収録されています。
レア音源集、といっても、決してマニアックなファンズアイテム的なものは感じませんでした。特に1枚目に関しては、CDを買った時に特典としてついてきた「読むSUKIMA MUSICS」によると「もともとシングルの候補で、そこから落ちた曲が多い」そうで、オリジナルアルバム感覚で聴けるような曲が並んでいます。
「柔らかな丘」や「サイレン」あたりは、完全にシングル曲感覚で聴けそうですし、まるで夢の中に迷い込んだようなインスト曲「コロンビア」や歌詞がユーモラスな「ペラ子の唄」あたりは、ある意味カップリングならでは、といった感じでしょうか?
カバー曲がメインの2枚目は、選曲段階から、キセルの雰囲気にピッタリの曲を選んでいるからかもしれませんが、どの曲も、しっかりと「キセルの曲」として仕上がっていました。特に童謡「かなりや」は、豪文のやわらかいボーカルが絶妙にマッチしている名カバーに仕上がっていました。なにげに、キセルって童謡のカバーが似合うかも?
一方で「ドレミワちゃん」という、縦笛のメロに、エレクトロ的なリズムをくわえた実験的な作品も。これ、「ドレミでうたおう」という子供向けのシリーズに提供した曲らしいのですが、これ、子供が聴いて喜ぶのかなぁ(^^;;
そして3枚目のインスト集は、こちらはまさにファンズアイテム的な、文字通りのレア音源集といった感じ。サイケな要素の強い楽曲が並んでいるのですが、それでもキセルらしいといった感じがするのが不思議な感じ。特に、この3枚組を締めくくる「裏・近未来」はライブ会場で配布したCDだそうですが、かなりアヴァンギャルドな作品で、さすがにキセルファンでも好き嫌いがわかれそうな感じ・・・。個人的にも、2度3度聴きかえしたいなぁ、といった感じではないのですが(^^;;
そんな感じで。かなりボリューム満点のレア音源集だったのですが、キセルらしさはこのアルバムでも貫かれており、熱心なファンではなくても、オリジナルアルバム感覚でお勧めできる作品だと思います。あ~これからの季節、キセルのライブを野外で見たい!!!
評価:★★★★★
キセル 過去の作品
magic hour
凪
ほかに聴いたアルバム
実録!グループ魂全国ツアー「客vs俺!どっちがスケベか競争して来たど!15番勝負」/グループ魂
個人的に、今、もっともライブを見てみたいバンドのひとつ、グループ魂の初のベスト盤。それだけに、かなり期待して聴いてみたのですが・・・うーん、思ったほどでも・・・(^^;;いや、会場の盛り上がりはすごくよくわかるし、演奏は下手なりに、とはいえ、ライブとして聴けない、というレベルじゃないとは思うのですが。昔、一度だけ、サマソニで彼らのライブを見た時は、もっともっと楽しかったのですが、やはり音だけだと、なかなか魅力が伝わらないのかなぁ?
評価:★★★
The Apples/吉井和哉
ほぼ全ての演奏を自分で行ったという、吉井和哉の新作。それだけに、自分が演りたい音楽をそのまま収録したといった感じ。前作「VOLT」から引き続き、肩肘の張らないアルバムになっているように感じました。基本的には、ストレートなギターロックに、歌謡調のメロが載った曲が多いものの、ファンキーなナンバーやカントリーロック風のナンバーなど、彼の幅広い興味も伺えるアルバムです。
評価:★★★★★
吉井和哉 過去の作品
Hummingbird in Forest of Space
Dragon head Miracle
VOLT
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