メロディーがより明確に
Title:SUCK IT AND SEE
Musician:ARCTIC MONKEYS
ARCTIC MONKEYSのニューアルバム、特に1曲目、2曲目を聴いて、ちょっとビックリした方もいるのではないでしょうか?ARCTIC MONKEYSといえば、ギターリフ主導、リズム主導のロックンロールバンド、というイメージからすると、あまりにメロディアスなこの2曲。ちょっと意外な印象を抱いた方も少なくないかもしれません。
ただ、話題になった1stアルバムのイメージを引きずると、かなり意外に感じてしまうかもしれませんが・・・1枚目から順に前作「Humbug」までの流れを感じると、その「Humbug」の延長線上にこのアルバムが位置する、というのは、とても自然な感じがします。
それに、もっとももともとメロディーメイカーとしても聴かせる楽曲を書いていていた彼ら。それだけに、メロディー主体という方向性も、何ら不思議ではないかもしれません。実際、その1曲目「SHE'S THUNDERSTORMS」も実に魅力的なメロディーラインですし、「RECKLESS SERENADE」をはじめ、後半に並ぶ楽曲の数々のその美しいメロディーラインに聴き入ってしまいます。
一方で、「BRICK BY BRICK」や「DON'T SIT DOWN 'CAUSE I'VE MOVED YOUR CHAIR」など、カッコいいギターリフを主導とした曲も多く、メロディーが前に出てきても、鳴っているバンドサウンドはロックンロールそのもの。文句なしに聴き入ってしまいます。
「THE HELLCAT SPANGLED SHALALA」みたいな、ちょっとサイケちっくな要素の入った、ノイジーなギターを聴かせる楽曲も魅力的で、あくまでロックンロールを主体としながらも、様々な作風の曲を聴かせてくれます。
前作同様、はじめ聴いた感じだと、ちょっと地味な印象を否めないのですが、聴き込めば聴きこむほどはまってしまうようなアルバム。本作も、全英チャートで1位になったとか。すっかり大物になった彼らですが、いまだに雰囲気は、小さなライブハウスで演奏しているようなロックバンドみたいなんですよね。もちろん、いい意味で。今後も、下手に大物然としないで、このペースで活動を続けてほしいなぁ~。
評価:★★★★★
ARCTIC MONKEYS 過去の作品
Humbug
ほかに聴いたアルバム
SEA OF COWARDS/THE DEAD WEATHER
元・・・とついてしまうのが悲しいのですが、元ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトによるソロプロジェクト第2作。ダイナミックなバンドサウンドに、ちょっとブルージーな香りが文句なしにカッコいいロックな作品。わずか35分程度の短さというのも、最後まで勢いが持続するにはちょうどよい長さで良い!オールドスタイル風ながらも、ラップを取り入れた曲もあり、前作に引き続き、ロックリスナーなら文句なしにはまりそうな作品。
評価:★★★★★
THE DEAD WEATHER 過去の作品
HOREHOUND
TOTAL LIFE FOREVER/FOALS
このアルバムも音楽誌などで高い評価を得た、イギリス出身の5人組インディーロックバンド。ニューウェーヴテイストのポップで軽快なリズムが心地よく、そんな中にちょっと混じっているブラックミュージックの要素が、いいスパイスになっていて、個人的に壺に入りました(笑)。広い意味で、Vampire WeekendやTWO DOOR CINEMA CLUBに通じるようなものも感じます。
評価:★★★★★
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