« アルバムは圧倒的な人気の・・・。 | トップページ | 強烈なメッセージ性 »

2011年7月16日 (土)

辛島先生の黒歴史?

Title:辛島美登里 パーフェクトベスト
Musician:辛島美登里

辛島美登里 パーフェクト・ベスト

辛島先生といえば、デビューシングルは1989年のシングル「時間旅行」・・・・・・と公式サイトのプロフィールには記載されています。しかし、実際には1984年にビクターから「雨の日」というシングルがリリースされており、それが厳密なデビューシングル。さらにその後、キングレコードからシングルをリリースしており、また、この時期、アニメのオリジナルビデオ作品に、何曲か楽曲を提供していたみたいです。

ここらへんの事実、熱烈なファンにとっては当たり前の事実なのかな?実際、この時期の作品が完全に封印されているわけではなく、1991年には、キングレコードの作品をまとめた「Memories」というアルバムがリリースされていたりします。もっとも、公式的には完全に黙殺されているみたいですが(笑)。

この「Memories」は現在は廃盤になっているみたいですが(とはいえ、amazonのサイトからは、比較的安値で中古が入手できるみたいですが)、このたび、キングレコード時代の作品に、さらに幻のデビューシングル「雨の日」「心の街」を収録した、初期ベストがリリースされました!

上のamazonの「Memories」では、キングレコード時代の作品について「いかにもアニメ!という曲なので今も辛島ファンが聴くとのけぞりそう。」という紹介をされていたので、どんなもんか、期待半分、不安半分で聴いてみたのですが・・・

いや、これは全然。フツーに、辛島先生の作品でしょう(^^;;

まず一番驚いたのが、その幻のデビューシングル「雨の日」。和風な雰囲気の、しっとりと聴かせる曲なのですが、歌い方も完全に今の辛島美登里ですし(雰囲気、ちょっと若いけど)、メロディーも辛島節。彼女の楽曲はデビュー段階から完成されていたんだなぁ、とあらためて驚かされました。

で、「Midnight Shout」など、アニソンにしても、確かに、ハードロックテイストの、いかにも80年代風のアレンジは、今聴くと古臭く感じてもしまうのですが、メロディーは辛島先生らしいんじゃないですか?確かに、辛島美登里というと、「サイレント・イヴ」や「あなたは知らない」のヒットなどで、バラードというイメージがあるのですが、マイナーコード主体のアップテンポナンバーで、ちょっとアレンジが仰々しいという意味では、「GREEN」に収録されていた「一番みじかいKiss」に通じる部分があるような感じも。

そういう意味では、ファンなら聴いても、決して残念に感じたり、「ま、初期の作品だから・・・」なんて思うことはありません。むしろ、この段階で、既に辛島美登里のスタイルが確立されており、魅力的な楽曲も多く、彼女の実力を再認識できると思います。

後半にインストが並んでいるのは残念なのですが、この時期に発表した作品を残らず収録しようという意図なのでしょうか。そういう意味では、資料的価値も高い作品だと思います。黒歴史なんてしてしまうのは、ちょっともったいない作品も多く、もっと公にしちゃってもいいのでは?アニソンに対する見方も、以前とはかなり変わってきたし。

ただ、確かに彼女に対するパブリック・イメージとはちょっと異なる作品も多いので、ファン以外の方が最初に聴く作品としてはお勧めしがたいかも。そういう意味では、ファンズアイテム的な要素が強い作品。ただ、ファンの方は要チェックの1枚だと思います。

評価:★★★★

辛島美登里 過去の作品
オールタイムベスト


ほかに聴いたアルバム

アンハッピーリフレイン/wowaka

アンハッピーリフレイン

動画サイトで人気を博している、いわゆる「初音ミク」系のミュージシャン。ここでの記載を読むと、SPARTA LOCALSの曲からのパクリが騒動になったことがあるらしいのですが、確かに、楽曲はSPARTA LOCALSだったりNUMBER GIRLあたりのオルタナ系のインディーギターロックバンドの影響を感じられます。そういう音を、打ち込み+初音ミクで演るという試みがおもしろく、メロディーや音的には、いままで聴いてきた「初音ミク」系の中では一番好みかも。ただ、その一方で、「この音なら、生音の方がよくない??」という疑問もわいてしまうのも事実・・・。

評価:★★★★

Empowerment/SING LIKE TALKING

Empowerment

2003年以降、事実上の活動休止状態だったSING LIKE TALKINGですが、なんと7年7ヶ月ぶりにニューアルバムがリリースされました!!まさに待ちに待った新作です!基本的には、「大人のロック」みたいにカテゴライズされそうなAORな作風ながらも、ファンキーな「Through The Night」からスタートし、「A Wonderful World」のようなロックテイストの作品があったり、ラストを締めくくるインスト「Dog Day In The Noon」はサイケちっくだったりとバラエティー豊かな作風が特徴的。前々作「METABOLISM」から(といっても、もう10年前の作品ですが・・・)ロックテイストが強くなってきたのですが、前作から7年以上のインターバルがありながらも、基本的にはその路線が続いています。

ただ、どの曲も文句なしのクオリティーの高さを維持しているのですが、勢いという意味ではかつての全盛期に及ばないのは残念。特に、メロディーラインで、いまひとつ、耳に残るような曲が少なかったような感じがします・・・。ある意味、高レベルで安定しているだけに、今後も変わらない安心感はあるのですが・・・。

評価:★★★★

|

« アルバムは圧倒的な人気の・・・。 | トップページ | 強烈なメッセージ性 »

アルバムレビュー(邦楽)2011年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 辛島先生の黒歴史?:

« アルバムは圧倒的な人気の・・・。 | トップページ | 強烈なメッセージ性 »