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2011年7月17日 (日)

強烈なメッセージ性

Title:IS THIS HYPERREAL?
Musician:ATARI TEENAGE RIOT

Is This Hyperreal ? [ボーナストラック2曲収録・解説付・国内盤] (BRC293)

ATARI TEENAGE RIOT復活!!2001年、MCのカール・クラックが急逝したことを受け、活動休止状態となっていたATARI TEENAGE RIOTですが、このたび、活動を再開。あらたにMCにCX KIDTRONiKを迎えて、新生ATARI TEENAGE RIOTのニューアルバムが完成しました。

ATARI TEENAGE RIOTといえば、強烈な反政府、反資本主義的なメッセージを発するハードコアバンド。今回のアルバムでも、そのスタンスは全く変わっていません。

今回のATARI TEENAGE RIOTのアルバムを聴いて、いまさら感は否めないのですが、斉藤和義が、You Tube上に、反原発の歌をアップさせた時の、いきものがかり・水野良樹のTwitterでの発言を思い出してしまいました。

Togetter:斉藤和義氏「ずっとウソだった」に対する,いきものがかり・水野良樹リーダーの意見

彼の意見としては、「原発問題という、複雑な事象を単純化する危険性」「反原発のリーダー的に単純に英雄視することの危険性」を述べています。

お説ごもっとも。ひとつの意見としては間違っていないと思います。ただねぇ、音楽は社会学の論文じゃねーんだよ。変にごちゃごちゃ理屈を述べて何も語らないよりも、多少偏っていても、素直な怒りや憤りを音楽にのせた方が、ミュージシャンとしては、リスナーの胸をうつ音楽を書けると思うんですけどね、私は。

なんでそんなことを思いついたかというと、ATARI TEENAGE RIOTの歌詞も、ある意味、かなり偏っており、事象を単純化しています。彼らの敵は、インターネットを規制する主体、あるいは大企業や政府。徹底的なアナーキズムや、自由至上主義に貫かれています。

確かに、「自由を規制しようとする主体=大企業や政府」と単純な図式で成り立たない部分もありますし、単純に、徹底した自由=私たちに平和をもたらす、とは単純にはいきません。

ただ、それでも、彼らの素直な社会に対する怒りや憤りを、ハードコアなデジタルサウンドにのせる彼らの音楽に、否応なく私たちは興奮しますし、また、胸をうつものがあります。

それって、決して理屈じゃないんですよね。そういう理屈じゃない部分に、音楽の素晴らしさがあると思うんですけどね~。

・・・・・・って、屁理屈をこねまくっている音楽サイトの管理人が語っても、全然説得力ありませんね(^^;;

もうひとつ。今回のATARI TEENAGE RIOTの復帰後初の新作。以前の作品に比べると、かなりポップにまとまっています。

実際、以前の作品は、かなりハードで、ゴテゴテしたサウンドだっただけに、最初はそのサウンドが耳に心地よくても、聴いているうちに、徐々にお腹いっぱいになってきました。ただ、今回の作品は、ハードコアなサウンドがちょっと後ろに下がり、ポップなメロディーが前に押し出されたため、最後まで飽きることなく、彼らの音の世界を満喫することが出来ました。

復帰後、今後はコンスタントに活動を続けてくれるのでしょうか?サマソニに来日する彼ら。ライブも一度、見てみたいなぁ・・・。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Trans-Continental Hustle/Gogol Bordello

Trans-Continental Hustle

ニューヨークで結成された、多国籍ロックバンド。ボーカルのユージン・ハッツはウクライナ出身で、チェルノブイリの原発事故により故郷に住めなくなり、難民として各地を転々とし、アメリカに移り住んだとか・・・。

いわゆる「ジプシー・パンク」とカテゴライズされるのですが、アイリッシュ・トラッド風のメロを主体とした、哀愁感と、祝祭色を一緒にした、無国籍の不思議なロックは、東欧の様々な音楽の影響を受けたのだとか。メインストリームからは絶対出てこないような、独特のリズムやサウンドが、妙に耳に残り魅力的。2008年にはフジロック、2009年にサマソニに来日したそうですが、野外ライブが似合いそう。彼らのライブも一度見てみたいなぁ。

評価:★★★★★

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