素敵なインディーポップがたくさん
Title:All Along Kyoto(京都タワーからずっと)
今日紹介するのは、音楽配信サイトOTOTOYで、現在、フリーダウンロード中のコンピレーショアルバム。京都在住のシンガーソングライター、ゆーきゃん監修による、「今の京都の音楽シーンを知るため」のコンピレーションアルバムだそうです。
京都、でミュージシャン、というと、やはり個人的に思い出すのは、くるりやつじあやのといったミュージシャンたち。もう、ベテランの域に入りつつある彼らにこんなことを言うのは失礼かもしれませんが・・・なんか、いつにたっても、インディーっぽいというのか、いい意味での垢抜けなさが残っていて、どこか暖かい雰囲気のあるミュージシャン、そんなイメージがあります。
やはり、京都という街が、そんな音楽シーンを育てるのでしょうか、このコンピレーションアルバムに参加している、京都在住のミュージシャンたちは、いずれも、そんないい意味で垢抜けなさが残っている、暖かい雰囲気のミュージシャンたちが並んでいました。
まあ、まさに、このコンピに参加しているミュージシャンたちを称するのにピッタリな言葉が「インディーポップ」といった感じなのですが。その枠組みの中で、例えばchoriの「踊り場から愛を込めて」はポエトリーリーディング、FLUIDの「ヴァーチャファイター20XX」はパンキッシュ、bedの「修羅場」はエモコアと、様々なバリエーションが楽しめます。
個人的には、興梠マリの「最後のうそ」や、竹上久美子の「夕暮れそらに」のような、女性ボーカルで、優しく力強く聴かせてくれる暖かいポップチューンがよかったかなぁ、と思います。
アルバム全体として、正直なところ、「これは!」という大当たりはなかったような気がします。ただ、その反面、どの曲も一定水準以上のレベルに達していて、ハズレがなく、お気に入りの曲が、誰でも1曲2曲と見つかりそう。せっかくのフリーダウンロードですし、これを機に、是非!
その中で、頭ひとつ出ているかなぁ、と思ったのが、トリを飾る空中ループの「Saturday」。ちょっとシューゲイザーちっくな影響を感じられるノイジーでポップなギターロックがとても心地よいナンバー。他の曲も、聴いてみたいかも?
評価:★★★★★
フリーダウンロードはこちらから。7月17日までの期間限定だそうです。
ほかに聴いたアルバム
マリアンヌの恍惚/キノコホテル
ガレージサウンドが、さらなる進化を感じ、新たな一歩を感じるキノコホテルの新作。前作以上に、ヘヴィーなギターとオルガンの音が冴え渡り、ロック色が強くなった感じに。「風景」や、タイトル曲「マリアンヌの恍惚」のようなサイケちっくなナンバーも。より音楽性が幅広くなった印象も。
評価:★★★★★
キノコホテル 過去の作品
マリアンヌの憂鬱
マリアンヌの休日
クラダ・シ・キノコ
剣と楓/鬼束ちひろ
恋人からのDV事件など、音楽以外のことで話題となってしまった鬼束ちひろの2年半ぶりとなるニューアルバム。ジャケット写真といいタイトルといい、「演歌の世界か?」と思ってしまうのですが、内容は、鬼束ちひろらしい作風。「僕を忘れないで」など、実に彼女らしいバラードナンバーでファンの方は待ってました、といった感じでしょうか。ただ一方、エスニックな「SUNNY ROSE」やエレクトロアレンジの「NEW AGE STRANGER」など、新機軸への挑戦は、ちょっと空振り気味かも。
評価:★★★★
鬼束ちひろ 過去の作品
LAS VEGAS
DOROTHY
ONE OF PILLARS~BEST OF CHIHIRO ONITSUKA 2000-2010
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