変態性はちょっと後退したけれど
Title:BeVeci Calopueno
Musician:モーモールルギャバン
下手すればリスナーを引かせてしまう歌詞を連発した前作「クロなら結構です」が話題となったモーモールルギャバンの、メジャーデビュー後、初となるフルアルバム。今回も飛ばしまくっています。いきなり1曲目「UWABURN」からして、「ダメ人間、机の上で立ちション」という意味不明な歌詞を連呼(笑)。人によって引きまくり、ではないでしょうか(^^;;
ただ、今回のアルバムに関しては、この変態性はちょっと後退してしまっているように感じます。パンティー泥棒について歌ったり、好きな子の赤ちゃんを好きになってしまうような、「それはちょっと・・・」という内容が、少なくなってしまったのは、よかったような、残念なような・・・。
とはいえ、足の臭さについて歌った「Smells like SURUME!!」(NIRVANAのパロ?)や、渋谷系のパロっぽい内容ながらも、サビで「裸でギター掻き鳴らすのはやめて」とオチが入る「821」や、あいかわらずのパンティーソング(?)「パンティくわえたドラ猫の唄」など、ユニークで奇妙な歌詞の世界も、相変わらず繰り広げられています。
ただ、前作同様、こういうちょっと引いてしまう歌詞を書いている一方、ソウルやファンク、さらには曲によってはプログレなどに裏打ちされたような、高い音楽性を見せつけてくれています。一歩間違えれば引いてしまう歌詞の世界を繰り広げながらも、単なるコミックバンドに終わらないのは、その音楽的な実力があってから、こそなのでしょう。
プログレ風に、次々と変化する楽曲の展開を楽しめる「Hello!!Mr.Coke-High」や、ファンキーなリズムが心地よい「ATTENTION!」、前述の「Smells like SURUME!!」はハードコアなナンバーですし、「ワタシハワタシ」や「Kitchen」の、ソウルフレーバーなシンセがまたとても魅力的だったり・・・。
プログレっぽい、複雑な音を展開させたかと思えば、メロは至ってポップだったり、最後の最後まで、先の読めない展開に、軽く酔ってしまうような、非常にユニークな音楽性が魅力的です。
前作同様、変態ちっくなイメージで聴かないとしてら、とってももったいない!!今、もっとも要注目の新人バンドの一組です。
評価:★★★★★
モーモールルギャバン 過去の作品
クロなら結構です
ほかに聴いたアルバム
最高宝/中村一義
デビューシングル「犬と猫」の「ど~お、ど~お~お」が鳴り響いた瞬間、身体に衝撃が走りました・・・・・・・・・
という感じではさすがになかったのですが(^^;;確かに、この話題となったデビューシングル、大きなインパクトがあったのは間違いありません。そんなデビュー作から、もう14年も経つのですね・・・中村一義の2枚組となるベスト盤です。
彼の名曲の数々をあらためて聴くと、どの曲も、どこかハッピーな雰囲気があふれている、楽しい曲になっている反面、その曲の根底に、どこか寂しさとか悲しさみたいな雰囲気を感じてしまいます。
もちろん、文句なしの傑作揃い。中村一義をはじめて聴く方への入門盤としてもお勧めです。
評価:★★★★★
白穴/チリヌルヲワカ
まさかの復活。4年7ヶ月ぶりとなる、GO!GO!7188のボーカル、ユウこと中島優美が率いるガレージロックバンド。基本的に、GO!GO!7188と同じ路線で・・・これだったらGO!GO!でやればいいんじゃないの?と思うのですが、気持ち、GO!GO!7188より自由度が高まって、楽しそうにやっているような印象が・・・。このまま、こちらの活動にのめりこんでしまうのではないかという心配も(^^;;GO!GO!7188ファンだったら大喜びしそうな内容である反面、GO!GO!7188ではなく、チリヌルヲワカとしてやるのは、やはりこちらの方が楽しく演奏できるから?とちょっと心配になってきてしまう面も・・・。評価:★★★★
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