話題の「エアーバンド」
Title:ゴールデン・アワー~下半期ベスト2010~
Musician:ゴールデン・ボンバー
もともと、ネットの動画サイトで話題となって火がつき、このアルバムもベスト10ヒットを果たした「ビジュアル系バンド」。彼らの何が話題か、というと、彼ら、バンドという形式を取りながら、誰一人として楽器を弾いていないエア・バンドという点。演奏はあくまでもプロの演奏家に任せており、彼らはあくまでも「パフォーマー」だそうです。
いろいろなミュージシャンをパロッた曲やらユニークなPVやらが話題となり、徐々に人気上昇。最近では、テレビ番組でも取り上げられたりしたので、ご存知の方も多いでしょう。そんな中、アルバムが出たので、聴いてみました。いかにもベスト盤風なタイトルですが、あくまでもオリジナルアルバム。人を食ったようなタイトルの付け方も彼ららしいところかも。
ただ・・・・・・このアルバムに関しては、完全に期待はずれでした・・・。楽曲は、完全に90年代J-POP風のビートロックで、メロディーも単調なら、バンドサウンドも平凡(・・・バンドサウンドにとやかく言うのは野暮かもしれませんが)。歌詞に関しても、今回のアルバムに関してはフツーといった感じで(ひょっとしたら深読み要素があるのかもしれませんが)、音楽だけ取り出せば、90年代(今も?)に雨後の竹の子のように出てきた、数多くのヴィジュアル系バンドと同じような感じで・・・。
もっとも彼らの場合、ライブパフォーマンスやPVなども含めて「売り」にしているバンドなだけに、アルバムだけ取り出して、とやかく言うのは、「わかってない」のかもしれないですね。そういう意味で、あくまでもこのアルバムを聴いただけの感想ということで。
ただ、先行シングルにもなった「また君に番号を聞けなかった」はなかなかよかったと思うんですけどね~。メロのインパクトもさることながら、歌詞の内容も、30過ぎのおっさんからすると、時代を感じさせる内容。そうだよねぇ、私が高校生の頃は、携帯なんてなくて、クラス名簿とか普通にあったから、好きな子の自宅の電話番号はすぐにわかったんだよね。もっとも、わかっていても、電話したら親とかが出るから、かけられないんだけどね・・・。そんな時代を感じさせる歌詞だけど、どこか共感できる内容が印象に残りました。
評価:★★★
ほかに聴いたアルバム
TRACES BEST OF 2005-2009/the GazettE
で、そのゴールデンボンバーにネタにされたこともあるヴィジュアル系バンドのベスト盤。キングレコード在籍時のシングルと、アルバムの代表曲を発売順に並べた作品です。正直、前半に関しては、平凡なビートロック。「いかにも」な作風で、あまりおもしろくありません。
・・・・・・が、グッと楽曲がおもしろくなると、ハードコアなバンドサウンドを前面に押し出した「Filth in the beauty」くらいから。あいかわらずの耽美風のメロやサウンドが気にかかるところはあるものの、ヘヴィーなバンドサウンドが耳を惹く楽曲が並んでいます。好き嫌いがわかれる部分はあるかもしれませんが、興味がある方が最初に聴くには最適なベスト盤かも。
評価:★★★★
the GazettE 過去の作品
DIM
GOLDEN☆BEST/大江千里
レコード会社各社が発売している、廉価版のベスト盤シリーズ。80年代後半から90年代前半に多大な人気を博したシンガーソングライター大江千里のベスト盤。大江千里の全盛期は、正直、リアルタイムであまり楽曲を聴いていなかったのですが、今となって聴きなおしてみると、なぜかメロディーからは懐かしさが。典型的な、90年代風の男性シンガーソングライターといった作風だから?(単純に、渡辺美里の提供楽曲を通じて、大江千里の曲に親しんでいたからかもしれませんが)男性心理を素直に歌った歌詞は、今聴いても十分通用する内容だと思います。
評価:★★★★★
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