GO!GO!7188の新たな魅力
Title:GO!GO!7188 Tribute-GO!GO! A GO!GO!
正直言うと、このアルバムのリリースは、かなり意外でした。というか、もうGO!GO!7188って、トリビュートされるようなバンドになったんだ、ということ。いや、嫌味とかじゃなくて。メンバーも、フラカンやら少年ナイフやらブッチャーズやら所ジョージやら、かなり豪華なメンバーが・・・・・・って所ジョージ??(^^;;
そして、それぞれのミュージシャンが、完全に自分の味付けで、GO!GO!7188を調理しています。POLYSICSがカバーした「文具」なんて、まんまポリって感じのパンキッシュなナンバーになっていますし、「飛び跳ねマーチ」も、実にフラカンのイメージそのままといった感じのカバー。他も、基本的には自分たちの土俵の上にGO!GO!7188の楽曲を載せて、カバーしています。
で、どの曲もどんなアレンジでも、楽曲が破綻せずに、しっかりと聴かせているんですよね。これは、もちろんカバーしているミュージシャン側の実力もあると思うんですが、それ以上に、メロディーがしっかりとした骨格を持って曲を支えているからではないでしょうか。そのため、ちょっとやそっといじったところで、楽曲のイメージが崩れることなく、仕上がっているのではないでしょうか。
今回のカバーの中で、特に素晴らしかったのが、中村中の「雨のち雨のち雨」。ちょっとジャジーなカバーに、しっとりとした彼女のボーカルがマッチして、楽曲の描く風景が目の前に浮かんでくるよう!以前、マッキーのトリビュートでも彼女は名カバーを聴かせてくれましたが、この人のカバーは本当に絶品だなぁ。
ほかに、三線とアコギで沖縄風にカバーしたMONGOL800の「こいのうた」もなかなか。所ジョージの「とかげ3号」も、アコギだけでカバーした、ほっこりとした雰囲気のカバーで、所ジョージらしいのんびり感が魅力的でした。
楽曲によっては、原曲の魅力を再認識した曲もあり、あらためてGO!GO!7188の(というかユウの?)メロディーメイカーとしての実力を感じたのですが、一方、GO!GO!7188で聴いた時、そんなに名曲に感じなかった曲もあるんですよね。今回のカバーでちょっと思ってしまったのは、GO!GO!7188のアレンジって、ひょっとしたらちょっと単調気味じゃね?ってこと。まあ、基本的にガレージロックバンドなだけに、エレクトロやら新しいジャンルに挑戦しても、失敗することは目に見えているんですけどね・・・うーん・・・。
そんな訳で、名カバー集ながらも、GO!GO!7188のファンとしては、ちょっと複雑な気持ちになった1枚でした。
評価:★★★★★
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