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2011年5月23日 (月)

女性の声を効果的に用いる

Title:The Only She Chapters
Musician:Prefuse 73

The Only She Chapters [解説付・ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC291)

アメリカのミュージシャン、ギレルモ・スコット・ヘレンのソロプロジェクト、PREFUSE73のニューアルバム。様々な名義でのリリースが相次いでおり、多作で知られる彼ですが、さすがに追いきれない・・・・・・(^^;;ので、一番有名なプロジェクトであるPREFUSE73の新作を、聴いてみました。

今回のアルバムは、「女性」をテーマとした作品、だとか。重なりあう音の世界が、どこか荘厳、というか、幻想的な世界を作り出しています。ただ、無機質な感じのするエレクトロニカな音の中で、女性のボーカルが入ることによる強烈な人間味が不思議なバランスを感じます。冷たさを感じる音の中と、母性的というか、暖かさを感じるボーカルとの対比が、アルバムに奇妙なバランスをもたらしている印象。その不思議な世界観に、ついつい聴き入ってしまいます。

女性の神秘性というか、暖かさというかを前面に出している印象が。そういう意味では、男性的な切り口といった感じで、「『女性』をテーマ」と言われて想像できそうな内容だったかも。もっとも、そういうある種のイメージに沿った作風だからこそ、決して難解にならず、ポップにまとまっている作品になったようにも感じました。

今回の作品は、HIP HOP色はほとんどなく、そういう意味では、Prefuse73に対する期待とは、ちょっと違う作風だったかもしれません。ただ、幻想的な森の中を散歩するような今回のアルバムは、とても魅力的で、ついつい聴き入ってしまいます。多作の中、これだけの作品をコンスタントにリリースしてくるというのはさすが・・・。Prefuse73名義での前作「Everything She Touched Turned Ampexian」はどうもピンと来なかったのですが、今回は十分楽しめた作品でした。

評価:★★★★

Prefuse73 過去の作品
Everything She Touched Turned Ampexian


ほかに聴いたアルバム

HAVE ONE ON ME/Joanna Newsom

Have One on Me

ハープ奏者でシンガーソングライターのアメリカの女性シンガー。3枚組というフルボリュームながらも、1枚あたりの時間は40分程度なので、ボリュームの割りには意外とあっさりと聴くことが出来ます。美しいハープの音色にピッタリマッチする、彼女のボーカルの実に美しいこと。メロディーも、静かな曲がメインながらも、実に魅力的なメロディーを聴かせてくれます。フルボリュームを気にせず楽しめるのは、このメロディーの魅力があるからでしょう。彼女のボーカルとメロディーに、終始聞き惚れた作品でした。

評価:★★★★★

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