まさかの第2弾!
Title:レキツ
Musician:レキシ
元SUPER BUTTER DOG、100sのキーボーディスト、池田貴史によるソロプロジェクト、レキシ。2007年に発売されたデビューアルバムは、ミュージシャン名通り、歴史上の出来事をネタとした、笑える(一部真面目な)歌詞が魅力的でした。正直、ちょっと「ネタ」的な印象もあり、この1枚だけで終わりかなぁ・・・と思っていたのですが、まさかの第2弾リリースとなりました!
今回も、とにかくネタ満載の作品。1曲目「そうだレキシーランドに行こう」は、いきなり某ディズニーランドのエレクトロニカルパレードそのままの出だしからスタート。タイトル通り、ペリー来航をネタにした「ペリーダンシング」は、出だしのトークがめちゃくちゃ笑えますし、他にも戦国の三英傑を比較した有名な川柳をネタにした「ほととぎす」だったり、小野妹子やら隠れキリシタンやら縄文土器やら、まさに日本史でおなじみのキーワードが頻発しています。
また、豪華なのは前作同様、そのゲスト陣。スチャダラパーのANI&BOSSや安藤裕子、前作に引き続きのいとうせいこうやRhymesterのMummy-Dなどが参加しています。その中で、ダントツで印象に残ったのが椎名林檎ことDeyonna。彼女が参加した「キラキラ武士」は、一発で彼女とわかる個性的なボーカルが、曲をひきたたせています。他にも堂島孝平ことマウス小僧JIROKICHIが参加した「妹子なぅ」も印象的。堂島孝平らしい爽やかなシティーポップチューンが、ファンク、ディスコ中心のアルバムの中の一服の清涼剤となっています。
ただ、アルバム全体としては、「聴いていて、知らず知らずのうちに日本史の知識が身につく」・・・といった感じのものではありません。その要素は、むしろ前作の方が強かったかも。あくまでもメインは音楽。その曲のリズムに合うような歌詞の選び方をしていて、符割りも、歌詞をしっかり聴かせるというよりも、リズムを重視したものが多く、「キラキラ武士」などが典型的でしたが、さらっと聴いていると、日本史がネタになっていると気が付かなさそうな曲もチラホラ。そういう意味では、前作より、より純粋な音楽性を前面に出した曲が増えた印象を受けました。
HIP HOPやファンク、ディスコ、タンゴ、シティポップなどを自在に行き来する幅広い音楽性の魅力は相変わらず。音楽的な面では、前作よりもより進化した感じがします。ただ一方、ネタ的には、正直、前作の方が笑えたし、おもしろかったかも?ただ、前作「レキシ」を気にいったのなら、間違いなく聴くべきアルバムだと思います。
他にも日本史に興味がある方、SUPER BUTTER DOGのファンだった方や、ファンクやディスコチューンが好きな人も聴いてみて損のない1枚だと思います。おふざけっぽい雰囲気を出しながらも、音楽的には至って真面目。これはまた是非第3弾も・・・あるのか??
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
SOIL&"PIMP"SESSIONS presents STONED PIRATES RADIO/SOIL&"PIMP"SESSIONS
架空のラジオショーに仕立て上げたカバーアルバム。途中でDJなどが入っているのですが、お遊び的な要素は薄めかも?曲は、サンバ風だったりスカ風だったり、SOILらしい味つけがしてあるのがなかなか楽しいアルバムになっています。正直、あまり馴染みな曲が少なかったので、純粋にSOILのニューアルバム的に楽しめた1枚でした。
評価:★★★★
SOIL&"PIMP"SESSIONS 過去の作品
PLANET PIMP
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