安定感ある新作
Title:STAR
Musician:RIP SLYME
約1年9ヶ月ぶりとなるRIP SLYMEのニューアルバム。ベスト盤リリース後初となるオリジナル、ということもあり、今回の作品は、「基本姿勢に立ち返り、「5 人で作る」ことをテーマにして作られた一枚」だそうで、「5 つの頂点を持つ星印にちなみ、アルバムに『STAR』と名付け」たそうです。
以上、斜字は公式サイトのオフィシャルインタビューから引用
確かに、今回の新作は、フューチャリングとしてのゲストミュージシャンの参加はなし。また、様々な作風の作品が、次々と展開されるアルバムでした。
前半は、RIPらしい楽しくにぎやかな「Don't Panic」、エレクトロなディスコ風ナンバー「Pop Upなう」、ちょっとフワフワとした感じのスペーシーなトラックとポップなラップが印象的な「センス・オブ・ワンダー」など、アップテンポで、ダンサナブル、かつ作りこまれた音を聴かせるような曲が並んでいた印象を受けました。
一方後半は、ボサノヴァ風のトラックでしっとりと聴かせる「甘い生活~La dolve vita~」や、ゆったりとしたフォーキーな雰囲気の「○×△=」など、メロディーをしっかり聴かせるタイプの曲が並んでいました。
様々なタイプの曲が並び、かつ、凝ったアレンジの作品を含めて、あくまでもポップにまとめあげています。ここらへんのクオリティーは、あいかわらず。RIP SLYMEの実力を実感できる作品。既にベテランの領域に入る彼らですが、安定感ある作品に仕上げていました。
ただ・・・その一方、1曲1曲のクオリティーはあいかわらずなのですが、デビュー当初の「雑念エンタテイメント」や「楽園ベイベー」のような、一度聴いたら忘れられないようなキラーチューンがないのが残念・・・。これは、今回のアルバムだけではないのですが。そのため、アルバム全体としては聴いた後「傑作!!」と感じるのですが、どうもその後、いまひとつ印象に残らない作品になってしまっているのが否めません。
やはりデビュー当初と比べると、いまひとつ勢いが落ちているのかなぁ??作品の出来としては、間違いなく傑作だと思うのですが・・・。
評価:★★★★★
RIP SLYME 過去の作品
FUNFAIR
JOURNEY
GOOD TIMES
BAD TIMES 2000-2010 URA-BAN BEST
ほかに聴いたアルバム
OK!!!C'MON CHABO!!! 仲井戸"CHABO"麗市リスペクトアルバム
RCサクセションや古井戸などで活躍した、日本を代表するギタリスト、CHABOこと仲井戸麗市へのトリビュートアルバム。奥田民生や桜井和寿、TRICERATOPSや曽我部恵一など、数多くの実力派ミュージシャンが参加。CHABOの影響力の大きさを感じさせます。
そんなカバーも、さすが実力のあるミュージシャン揃いなだけあって、それぞれ自分の個性を出しつつ、曲の良さをしっかりといかしたカバーになっていました。各々のファンはもちろん、仲井戸麗市のファンも聴いて損はない、はず。
評価:★★★★★
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