「電車男」の主題歌・・・だけではありません!
Title:サンボマスター究極ベスト
Musician:サンボマスター
「世間に誤解されているミュージシャン」・・・音楽ファンと、そうでない人たちとのイメージのギャップが大きいミュージシャンっていますよね。このサイトでもよく取り上げるKANちゃんなんかがその代表格だと思うのですが。
おそらく、彼ら、サンボマスターも、そんな「世間に誤解されているミュージシャン」の一組。世間的には、おそらく「ドラマ『電車男』の主題歌を歌っていた一発屋」的なイメージが強いのでしょう。また、下手にメンバーのキャラが立ってしまっただけに、「ブサンボマスター」みたいな形でお笑い番組で取り上げられたりして、変なイメージがついてしまいました。(かなしい事に、オリコンのシングルチャートの順位的には、パロディーバンドの「ブサンボマスター」の方が上、という・・・・・・。)
ただ、実際の彼らは、「電車男」の主題歌「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」以前から、評価の高かった実力派ロックバンド。今回発売されたベスト盤は、そんな彼らの実力を、余すことなく感じることが出来ます。
彼らの最大の魅力は、同時期にデビューした他のロックバンドやパンクバンドとは大きく異なり、ソウルやファンクの影響を、楽曲から強く感じる点。「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」や「朝」などのようにソウルテイストが強いナンバーや、新曲「スーパーガール」のようなファンキーなナンバーなどが並びます。「夜が明けたら Naked」では、「ガッタガッタ」叫んでいますし(笑)。最近ではTHE BAWDIESやOKAMOTO'Sみたいに、ソウルの影響を感じる新人バンドが次々とデビューしてきましたが、彼らがデビューした頃は、ブラックミュージックからの影響を強く感じる新人バンドは少なく、そういう意味でも、大きな注目を集めていました。
さらに、今回のベスト盤では、ライブ音源も収録されているのですが「絶望と欲望と男の子と女の子」や「あなたといきたい」など、緊張感あり迫力のあるバンドサウンドが耳をひきつけるライブ音源が収録されています。ライブバンドとしての実力も、垣間見えることが出来ます。
ただなぁ・・・ブレイクした後のシングル曲に関しては、こういうソウルやパンクの要素も感じられる一方、かなりポップで、「普通の」ロックバンドになっちゃったなぁ、って感じるシングルも少なくないんですよね・・・。ある意味、早い段階で売れちゃったから、変にポップス路線を走らされているという印象もぬぐえないんですよね。そういう意味で、売り方を間違えたバンド、ともいえるかもしれないのですが・・・。
とはいえ、このベスト盤を聴けば、彼らの実力が理解できるはず。2枚組フルボリュームでおなかいっぱいになりそうですが、入門盤としても最適な作品だと思います。サンボマスターをきちんと聴いたことない方は、是非。
評価:★★★★★
サンボマスター 過去の作品
音楽の子供はみな歌う
きみのためにつよくなりたい
ほかに聴いたアルバム
THE BEST OF DOPING PANDA/DOPING PANDA
基本的に打ち込み全開のディスコチューンがメインな一方、ギターサウンドを前面に押し出した、ハードロックテイストのロックチューンも。どちらも脳天直撃の、直感的な気持ちよさを感じるサウンドが多く、理屈抜きで楽しめる楽曲が多く収録されています。音源もいいけど、ライブも楽しそうだなぁ。評価:★★★★★
DOPING PANDA 過去の作品
Dopamaniacs
decadance
anthem
月と専制君主/佐野元春
佐野元春のセルフカバーアルバム。セルフカバーといっても、いわゆる彼の代表曲がメイン、といった感じではないのが彼らしいところ。しっかりとした安定感のあるカバーに、ベテランとしての余裕を感じられる一方、音は決して古臭くなく、現役感も同時に醸し出しています。評価:★★★★
佐野元春 過去の作品
ベリー・ベスト・オブ・佐野元春 ソウルボーイへの伝言
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