まりんによるリマスターは魅力だけども・・・。
Title:ゴールデンヒッツ~Due To Contract
Musician:電気グルーヴ
「契約のため」という、人を食ったようなタイトルが実に彼ららしい、電気グルーヴのベスト盤。リリース枚数の契約のために、嫌々ベスト盤とか、企画盤とかをリリースするのは、リスナーの側でもよく聞く話。ただ、ともすればおざなりになりがちなこの手のベスト盤ですが、なんと、砂原良徳によるリマスタリングが行われている、という、ファンにはちょっとうれしい内容になっています。
とはいえ、全体的に聴きやすくなったリマスター以外には、特に新鮮味のないベスト盤。選曲的にも、比較的最新の曲が多く、かつ、どちらかというと真面目系のナンバーの多い選曲。アルバム全体としての統一感はあるものの、個人的には、もうちょっとユニークな楽曲も収録してほしかったかも・・・。電気初心者にも、どちらかというと、2004年にリリースしたベスト盤「SINGLES and STRIKES」の方がお勧めかも。
「契約のために」ファンに対してもレコード会社に対しても、とりあえずの義務は果たしたようなベスト盤。ファンなら買って損はないと思うけど・・・という感じでしょうか?
評価:★★★★
むしろお勧めしたいのは、同時発売されたPV集の方。
PV集の「ゴールデンクリップス~Stocking」。もともと、映像作品にも力を入れていた彼らなだけに、全曲、どこかに見所があるというPVの連続。2時間弱というボリュームながらも、飽きることなく、一気に見れてしまいます。
ある種の資料的価値があるのが前半で、初期の若い電気グルーヴのメンバーが、とても新鮮(笑)。特にピエール瀧なんて、かなり雰囲気が違っていて、最初、わかりませんでした(笑)。
「BECAUSE」のPVを見ると、初期の彼らは、HIP HOPユニットとして売り出されていたんだなぁ、ということを実感できますし、また、ボディコンの姉ちゃんが、時代を感じる初期のPVは、バブルの香りを感じて、PVの出来よりも、資料的な価値を感じます。
その後も見所は多いのですが、特に後半は、どの曲もクオリティーの高い作品ばかり!アニメのパロディーをちりばめた「Cafe de 鬼(顔と科学)」は、アニメ好きでなくても必見ですし、80年代のアイドルのパロディーをちりばめた「少年ヤング」も非常にユニーク。ちょっとシュールな笑いは、好き嫌いある部分もあるかもしれませんが、電気グルーヴの音楽が好きでなくても(笑)楽しめる内容だと思います。
同じ3,000円くらいを出費するのなら、断然PV集がお勧め!ファンでなくても必見の価値あり、です。
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