インディーっぽい
Title:Several Shades Of Why
Musician:J.Mascis
音楽をあらわす形容詞として、よく「インディーっぽい」という表現をされることがあります。いかにもインディーズの音楽らしい。しかし、よくよく考えると、インディーズとメジャーの違いは、本来的には、その流通形態の違いでしかないはずです。
しかし、それでも実際に、いかにもインディーズらしい、というアルバムがあります。録音の状況が粗かったり、あるいはメロディーに、必要以上のフックがなく、地味な雰囲気だったり。
1980年代から90年代にかけて、グランジロックバンドとして人気を得たDinosaur Jr.も、まさにそんなインディー・ロックバンドの一員でしたし、そのDinosaur Jr.のボーカリスト、J.Mascisのソロアルバムも、そんな「インディーらしい」という形容詞がピッタリと来るようなアルバムでした。
今回のアルバムの大きな特徴は、全編、アコースティックギターを中心にすえた作品である、ということ。そのため、Dinosaur Jr.らしいバンドサウンドを期待すると裏切られる作品だったかもしれません。ただ「Is It Done」や「Where Are You」、さらに「Can I」みたいに、要所要所にノイジーなエレキギターのサウンドが入っていたりすると、ちょっとうれしくなっちゃったりするんですが(^^;;
で、やはり聴かせどころはそのメロディーライン。「インディーらしい」といったのは、決してメロディーに派手なフックがあるわけではない点。しかし、しっかりと練りこまれた美メロは、聴いた後に、妙に印象の残るものになっています。その「Where Are You」や、「What Happened」などのメロディーが、特に気に入りました。
全体的に、やはり地味な雰囲気は否めず、また、個人的には、やはりバンドサウンドの方が・・・と思ってしまったのは事実ですが、バンド形態とは違う、J.Mascisの魅力がしっかりとつまったアルバムだったと思います。次はDinosaur Jr.としての新作か??
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
EMOTION&COMMOTION/JEFF BECK
約7年ぶりとなるJEFF BECKの新作。ストリングスを取り入れた壮大な雰囲気のナンバーが多く、クラッシック風の作品は、いい意味でも悪い意味でも大物然とした雰囲気も。ただ、ソウルやブルース、ジャズなどの要素も取り込んだ曲などもあり、その作風の幅広さに、さすがのその実力を感じさせます。
評価:★★★★
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